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手作り&裏読み&日替わりブログ

【書籍の話】進化による男女区別

先日、書籍『言ってはいけない』について、記事をアップ致しました。

tenamaka26.hatenablog.com

 

本日は、『言ってはいけない』の続編『もっと言ってはいけない』について、少し語ってみましょう。

もっと言ってはいけない (新潮新書)(提供:Amazon)

 

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『もっと言ってはいけない』の内容は、『言ってはいけない』と同じ傾向のもの。

脳科学・遺伝学・生物学…等々からのアプローチで、人種差別や男女差別等の「タブー」に切り込む。こういう内容になっています。

 

ここでいう「タブー」とは、「SNSで呟いたら、100%炎上必至」という内容の危険な主張です。

例えば、「馬鹿な親からは、馬鹿な子供が生まれる」とか、「人種によって賢さが違う」等々。こういう部分だけを見ると、完全に差別論者のレッテルを貼られそうな感じです。

 

しかし、作者の「橘玲(たちばな・あきら)」氏は、必ず根拠を添えて主張しています。

「差別的な結論を導き出したい」という考えではなく、「科学的に分析すると、どうしても差別論者的な結論になってしまう」という流れで、ドギツイ内容を記述するのです。

この思考回路を経て導き出される主張は、「差別だからやめろ」という言葉だけでは覆らない。土台がシッカリした、手強い主張です。説得力がある。

 

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では、ここでひとつ、「橘氏の放つ”説得力のある主張”とは何か?」の具体例を挙げてみましょう。

 

『もっと言ってはいけない』の中では、様々なネタについての分析結果が述べられています。その中に、「男女差別」について語られている部分アリ。

具体的には、「理系は男で、文系は女」「仕事は男で、家事は女」等の話があります。こういう主張を公に発すれば、恐らく問題視されるでしょう。

が、作者の橘氏が言うに、これは「向き・不向きを示したもの」であり、「進化論や遺伝学からの帰結」ということだそうで。

 

近代的な差別が生まれる、遥か前。人類が「国家」というものすら知らない、何十万年も前。人間は、狩猟生活を営んでいました。

こういう生活では、「男は獲物を求めて、外に出る」「女は、家事や育児の為に、家に残る」という役割分担が一般的です。

この生活様式に合わせて、人間は進化してきた。遺伝子にも、その情報は刻み込まれている。故に、現代でも脈々と受け継がれるものがあり、それが「理系は男で、文系は女」「仕事は男で、家事は女」という棲み分けを促している。

橘氏の結論は、こんな感じです。

 

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もう少し、詳しく述べてみましょう。
(なお、読者様に分かり易く伝える為に、少々筆者なりのアレンジを加えさせて頂きます。予めご了承ください)

 

男の仕事は、狩りです。これは、理にかなっている。なぜなら、「運動能力や筋力など、狩猟に必要な能力を考えると、どうしても男の方が向いている」といえる為です。

女性でも、「狩猟に耐え得るマッチョ」になれないことはない。ですが、そうなる為には、念入りな訓練が必要となります。自然と筋肉質になる男よりも、手間がかかる場合が多い。故に、「女は狩りに向いていない」となる。

 

で、男が狩りに向いており、生活の為にひたすら狩猟をしていると、「狩猟に必要な能力が磨かれる」という流れになります。具体的には、「空間認識能力」に長ける傾向がある。

狩りの為に遠出して、家への帰り道が分からないと、最悪の場合は死亡します。そういう事態を避ける為に、天然のGPSである「空間認識能力」を発展させてきたのです。

空間認識は、理系のスキル。故に、今でも理系分野では男が活躍し易い。女性でも優秀な理系研究者は存在しますが、向き・不向きで考えると、男の方が向いている。その結果、理系の世界では男性の数が多いのです。

 

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他方、女性は「共感能力」「察知スキル」に秀でている。その能力から、「共感を呼ぶ言語能力」を獲得し易い。ガチの文系スキルです。

こうなったのは、女性が古来から「家庭や地域社会を維持管理する方面で働いていた」という部分が大きい。男が狩りに行っている間、女性は家を守っていた。役割分担が、各々のスキルを別方向に進化させたのです。

 

人工の粉ミルク&液体ミルクが存在していない時代は、母乳で子供を育てるしかありません。これは、女性にしかできない。

また、コミュニティ内の異常やストレス要素を素早く察知し、揉め事が大きくなる前に解決するには「共感力」「会話能力」が重要となります。

 

こういう流れで、男女は別方向に進化を遂げ、現代人にも受け継がれている。

橘氏の主張「男は仕事、女は家事」の根っこには、上記の分析&思考が存在しています。何の根拠もなしに、思い込みだけで主張しているワケじゃない。故に、説得力は強い。

 

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『言ってはいけない』と『もっと言ってはいけない』の内容は、一見すると差別的です。

しかし、根っこには理論的分析がある。

 

また、作者の橘氏は、
「自分の主張の全てが絶対正解…とは断言できない」
「もし、私の提示した資料よりも説得力のある別資料を提示して貰えたら、考えを変える」
とも仰っています。この辺りにも、論理性を感じます。

 

真の差別は、根拠の曖昧な思い込み&断言から始まります。

橘氏の主張は、ハッキリした根拠がある。思い込みとは真逆。

「上記の考えが根底にある」と認識したうえで、『言ってはいけない』や『もっと言ってはいけない』を読めば、かなり勉強になるでしょう。

逆に、そういう認識を持たないままで読めば、表面的なところで不愉快になって終了。

 

『言ってはいけない』や『もっと言ってはいけない』の内容を理解し、自分に有益な血肉とするには、ちょっとしたコツが必要なのです。

まぁ、これは上記二冊に限った話ではありませんけれど…ねぇ。

根拠のない思い込みは、成長を阻害します。そういう駄目スパイラルを回避する教材として、『言ってはいけない』や『もっと言ってはいけない』は、非常に有益だといえますね。

 

 

-----------------(記事了)-----------------