2022年参院選に関する連載記事。その第10弾です。
今回のテーマは、「選挙中の違法行為」です。所謂「選挙違反行為」の話。
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選挙は、国や自治体の代表を決める重要なモノです。
当然、守るべきルールが存在します。
まず、選挙中であろうとなかろうと、「刑法」の類に触れるのは駄目。
気に入らない候補者を殴れば、傷害罪。
気に入らない候補者の選挙カーを壊せば、器物損壊罪。
気に入らない候補者の事務所に火を付ければ、放火罪。
その他もろもろ、普通に考えて犯罪行為となるものは、選挙中でも変わらず犯罪です。やっちゃ駄目。
elaws.e-gov.go.jp(2022/7/2閲覧)
そして、選挙のルールを語る時に外せないのが、「公職選挙法」という法律。
この法律は、選ぶ側(有権者)と選ばれる側(候補者)の双方が守らなくてはならない法律です。候補者サイドだけに適用されるもの…ではありません。
elaws.e-gov.go.jp(2022/7/2閲覧)
ただ、公職選挙法は刑法等に比べ、一般有権者には馴染みが薄いもの。故に、「常識で考えたら、NG行為は分かるだろ!」となり難い面もあります。
そこで、そういった「判断が付き難い、微妙な違反行為」や、「ついうっかり手を出しそうな行為」について、当記事で掘り下げることに致しましょう。
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(1)「選挙運動」を、投票日当日にやるのは駄目
選挙運動とは、簡単にいえば「〇〇候補に票を投じてください!」的な言動全般のこと。
この行為は、投票日前日まではOKでも、当日にやっては駄目です。
今回の参議院議員選挙は、投票日が2022年7月10日。故に、前日の7月9日までは選挙運動OKですが、当日・7月10日に日付が変わった瞬間にNGとなります。
やかましい街宣車が、選挙当日には全く出没しなくなるのも、これが理由。
なお、選挙運動は、SNS上でも可能です。その為、投票日に「〇〇候補に票を投じてください!」的な投稿をアップするのは駄目。気を付けましょう。
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(2)一般有権者が、電子メールで選挙運動をやるのは駄目
ここでいう電子メールとは、「SMTP方式」か「電話番号方式」で送信されるメールのこと。
具体的には、「メールソフトを使ってヤリトリする電子メール」や「電話番号を宛先にしてヤリトリするSMS」辺りが該当します。
微妙なのは、「LINE等の通信アプリ上で送るメッセージ」ですね。最近は、メールソフトやSMSよりも、こっちを使う方が多いでしょう。
結論をいうと、「通信アプリ等のメッセージ機能を使って選挙運動をやっても、問題ナシ」です。総務省のお墨付き。
参考 メッセージ機能の位置づけ
電子メールとして定義された2つの通信方式以外の通信方式を用いるもの、具体的には、フェイスブックやLINEなどのユーザー間でやりとりするメッセージ機能は、「電子メール」ではなく、「ウェブサイト等」に該当しますので、一般有権者も利用可能です。
(https://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/naruhodo/naruhodo10_2.htmlより)
なお、「候補者サイド」は、電子メールによる選挙運動をやってもOKです。
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(3)「デマ流し」で、候補の評判を落とすのは駄目
普通に考えて、駄目行為です。
が、ネット上ではデマが横行し易く、誰でも気軽に情報拡散可能ですから、物凄く気を付けねばなりません。
流れてきた情報は、拡散する前に、必ず裏取りをやりましょう。
デマ流しをやってしまうと、最悪の場合「刑務所に入る」という状況になります。
公職選挙法に、規定アリ。
(虚偽事項の公表罪)
第二百三十五条当選を得又は得させる目的をもつて公職の候補者若しくは公職の候補者となろうとする者の身分、職業若しくは経歴、その者の政党その他の団体への所属、その者に係る候補者届出政党の候補者の届出、その者に係る参議院名簿届出政党等の届出又はその者に対する人若しくは政党その他の団体の推薦若しくは支持に関し虚偽の事項を公にした者は、二年以下の禁錮又は三十万円以下の罰金に処する。
(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325AC1000000100より。改行・朱入れは筆者によるもの)
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(4)「候補になりすます」「候補の名を騙る」のは駄目
これも、普通に考えて駄目行為です。
が、ネット上では、デマと同様に「なりすまし」も多い。「SNS上で、偽アカウントが出現」という話は、珍しいものではありません。
「目立ちたがり屋」や「炎上芸人」が多い、ネット世界。
そんな世界で、「ちょっとした悪戯心から、偽アカウントを開設」等の行動に出る人がいても、全く不思議ではない。
その行動は禁止行為です。やっちゃ駄目。
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そして、次に挙げる禁止行為は…と記事を続けたいところですが、長くなるので本日はここまでとさせてください。
続きは、次回記事にて。
--------------(記事了)--------------