新型コロナウイルス騒動も、かなり沈静化した昨今。日本政府は、観光客を起爆剤とした経済回復を考え、外国人観光客の入国制限を緩和しました。
地方自治体も同様。コロナ騒動で生じた様々な制限を緩め、割引サービスを広め、コロナ前の状況に何とか持って行こうとしていますね。
しかし、そういう活動を邪魔するニュースが、ここ最近増えています。
そのニュースとは、「ガソリン価格の高騰」です。
www.sankei.com(2022/6/8)
経済産業省が8日発表した6日時点のレギュラーガソリン1リットル当たりの全国平均小売価格は、前回調査と比べて1円60銭高い169円80銭だった。
値上がりは8週ぶりで目標とする168円から遠のいた。
政府は燃油価格高騰対策として石油元売り会社などに補助金を配り、価格を抑制してきた。
ただ、足元の原油価格上昇幅が大きく、補助金の抑制効果を上回り、値上がりに転じた形だ。
(https://www.sankei.com/article/20220608-OXH4MYIOKFKPTNIQEEBT2TXBKI/より。改行等は筆者によるもの。以下同)
ウチの近所にあるガソリンスタンドは、上記記事よりちょっと安い「レギュラー1リットル、大体160円前後」の価格設定で営業中。が、高いことに変わりなし。
筆者は、あまり車に乗らない為、直接的なダメージは軽微な方です。しかし、通勤等で頻繁に車を使う方々には、痛い話でしょうね。
観光関連も同様。マイカーは使い難くなりますし、旅行会社のツアー料金も高くなる。いい話は、思い浮かびません。
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この「ガソリン高騰」ですが…
海外では、もっとシャレになっていない状況とのこと。
例えば、アメリカ。
日本以上に車を必要とするアメリカ社会で、ガソリン価格高騰は死活問題です。
jp.reuters.com(2022/6/12)
米国のガソリン価格が11日に初めて1ガロン=5ドルを超えた。物価押し上げの主要因である燃料費上昇が止まらない。
米国自動車協会(AAA)によると、レギュラーガソリンの全国平均価格は11日に1ガロン=5.004ドルに上昇した。前日は4.986ドル。
(https://jp.reuters.com/article/usa-gasoline-prices-idJPKBN2NT01U)
現在の為替レートは、1ドル=134円程度。
「ガソリン1ガロンにつき5ドル」となれば、日本円で670円になりますね。
ただ、リットルではなくガロン表記なので、使い慣れていない日本人にとってはイメージが湧き難い。
ガロンとは、欧米で使われている容積の単位。酒や穀物などを量る時に使うものですが、国や計測対象によって基準が変わる場合があります。
アメリカのガソリンの場合、1ガロンは約3.8リットル。
www.hitachi-hightech.com(2022/6/12閲覧)
ガソリン1ガロンにつき5ドルは、日本円で670円。
1ガロンは、約3.8リットル。
670円を3.8で割ると、約176円となります。アメリカのガソリン価格は、1リットル当たり176円程度。
冒頭に引用した産経ニュースでは、「日本のガソリン価格は、1リットル当たり169円程度」と報じられています。アメリカのガソリン価格は、日本よりも高い。
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イギリスに至っては、更にシャレになっていません。
普通乗用車に、1回満タン給油すると、2万円くらい飛んでいくそうで。
news.ntv.co.jp(2022/6/10)
ウクライナ侵攻の影響で原油価格が高騰を続ける中、イギリスでは家庭用乗用車のガソリンを満タンにするための費用が100ポンド、日本円で1万7000円近くに達しました。
これは、BBCなどがイギリスの自動車団体の試算として報じているものです。
イギリスの平均的な乗用車を満タンにするために必要な55リットルのガソリン価格が9日、100ポンドの大台を超えました。
日本円にして1万7000円近くになります。
(https://news.ntv.co.jp/category/international/fef18ea46d1e43ecacf808a951ccb393)
単純計算すると…
上記記事の価格「ガソリン55リットルが100ポンド」であれば、1リットル当たり1.8ポンドになります。
現在の為替レートは、1ポンド=165円程度。このレートで計算すれば、1.8ポンドは297円になります。
「ガソリン1リットル当たり、約300円」という驚愕のお値段。これはキツイ。
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ガソリン価格が上がれば、他の所にも大きな影響が出てきます。
例えば、運送費。「車で品物を運ぶ」となれば、経費としてガソリン価格が商品価格に上乗せされます。
最近の日本では、モノの値上げラッシュが続いています。その勢いが、更に増す可能性・大。
また、車以外でもガソリンを使うものは存在します。
農作業に使う道具の中にも、ガソリンを必要とするものはある。
工事現場やキャンプ場等で使う、発電機もそうです。ガソリンを燃料として使う場合が多い。
こういった所にも、影響が及びますね。
これだけの価格上昇を招いた原因は、色々ありますが…
大きいのは、やはり「ロシアによるウクライナ侵攻」でしょう。
そもそも、世の中が混乱すれば、モノの価格は乱高下します。加えて、ロシアは上位の産油国。エネルギー市場に与える影響は、かなり大きい。
直接交戦しなくとも、真綿で首を締められるように、世界にダメージが出る。
現在の戦争は、そういうものです。
「日本はロシアに侵略されていないから、ウクライナ情勢は自分に関係のない話」で切って捨てるのはNGです。注目し、反戦の声を上げて、混乱を収める。一般人にもできることを、地道にやるべきでしょう。
その地味な行動が、ガソリン価格の安定に繋がる。その可能性は十分あります。
--------------(記事了)--------------