先日、「週刊文春vsくら寿司」の話について、記事をアップ致しました。
大手雑誌「週刊文春」が、大手寿司チェーン「くら寿司」の裏側を記事にして、複数号に渡って発表。結構な炎上騒動に発展し、未だ完全には鎮火していません。
くら寿司サイドが、文春に法的措置を講じた様子もない。このままブスブスと燻り続け、何かあれば再炎上するのでしょうね。
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そんな中、別の大手寿司チェーン店からも、炎上騒動が発生。
こちらの騒動は、明らかに違法というレベル。当局からも公式発表が出ています。
騒動を起こしたのは、大手寿司チェーン「スシロー」。
炎上ネタは、「おとり広告」の話。
引っかかった法律は、「景品表示法」です。
www.sankei.com(2022/6/9)
newsdig.tbs.co.jp(2022/6/9)
回転ずし大手「あきんどスシロー」(大阪府吹田市)が販売した期間限定メニューの宣伝が「おとり広告」に当たるとして、消費者庁から再発防止を命じられた問題で、キャンペーン期間中にもかかわらず国内全店舗のうち98・1%の店で、看板商品の一つだった「濃厚うに包み」の販売を途中で中止していたことが9日、消費者庁への取材で分かった。
(https://www.sankei.com/article/20220609-PPR5VZCWLZMPBISNMQNP4S2NGA/)
景品表示法違反の措置命令を受けたのは、回転ずしチェーン最大手の「あきんどスシロー」です。
公正取引委員会によりますと、スシローは去年9月~12月にかけてウニやカニなど3種類の寿司のキャンペーンをテレビCMやインターネットで宣伝しましたが、キャンペーン期間中にその商品を1日以上販売していなかった店舗が全体の9割にのぼったということです。
(https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/66176?display=1より。改行は筆者によるもの)
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「おとり広告」とは、簡単に言えば「売っていない商品をエサにして、客をおびき寄せる広告」のことです。
釣りで例えれば「ルアー(疑似餌)みたいなもんだ」と思ってください。食えないエサをぶら下げて、勘違いした魚を釣り上げる。これと同じ。
今回のスシロー案件では、「ウニやカニといった高級ネタを、安い価格で販売する」という文句で広告を出していました。が、実際は在庫がなく、販売不可能な店舗が多数存在していました。
加えて、販売のない状況が続いていたにもかかわらず、広告を取り下げなかった。
この点が悪質と判断され、公正取引委員会・消費者庁からお叱りが出た。こういう流れになっています。
www.jftc.go.jp(2022/6/9)
【スシロー、回転寿司のおとり広告 景表法違反】
— 公正取引委員会 (@jftc) June 9, 2022
㈱あきんどスシローが、テレビCMなどで広告した販売期間どおりにウニやカニの寿司を提供していなかったとして、消費者庁は同社に措置命令を行いました。https://t.co/JCZHVu8pSY#おとり広告 #不当表示 #景表法 #公取近畿事務所 pic.twitter.com/pQaQyIr6AE
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なお、今回の指摘に対し、スシロー側は違法行為を認めて謝罪。自社が管理するメディアにて、謝罪文を公開しています。
www.akindo-sushiro.co.jp(2022/6/9)
スシロー側も、さすがに「言い逃れや隠蔽は難しい」と判断したのでしょう。賢明です。
しかし、「原因究明と再発防止策は、キッチリしたものか否か?」が判明するのは、まだこれから。謝罪後に同じ様なことをすれば、信用失墜も甚だしい。
また、「これだけ多数の店舗で、同時に”おとり広告案件”が報告される」ということは、企業体質に根差す問題と見做されます。上層部が諸悪の根源…と考えるのが普通。故に、現場に改善策を丸投げというのはNG。上層部が一番改心しないといけないでしょう。
”嘘広告を垂れ流す企業”というレッテルを貼られたら、そう簡単に復活できません。しばらくは辛い日々が続く…と、覚悟しなければいけませんね。
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ウチの近所にも、スシロー店舗が複数存在します。
通常なら、どこも混みまくりのスシロー駐車場ですが、本日は半分も埋まっていなかった。明らかに”おとり広告案件”が影響して、客足が鈍っている証拠でしょう。
こういう時にこそ、不祥事企業は気を付けねばなりません。
客足が鈍るということは、弱っているということ。弱っている時には、これまで隠れていた暗部が噴き出て、巨大なダメージを受けることが多い。
割とよくあるのは、「アルバイト店員による告発」ですね。若い方が多いので、SNS等で裏情報を暴露する…なんてことは、結構あるある。
その辺、大丈夫でしょうか?
ズルい手を使った為に、自ら窮地を招いた。
これまでの姿勢が、一気に問われる状況に陥った。
スシロー上層部さんは、今回の件について、深刻に考えた方がいい。
--------------(記事了)--------------