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手作り&裏読み&日替わりブログ

【阿武町・誤給付問題の話】掘り下げたいポイントは、3つある(後編)

前々回&前回記事の続きになります。

テーマは、「山口県の阿武町(あぶちょう)で起きた、町役場による誤給付問題」について。

 

このネタで書く記事は、今回で”とりあえず”最終回となります。

今後、話に大きな展開があれば、また記事執筆となるかも?…ですが。

tenamaka26.hatenablog.com

tenamaka26.hatenablog.com

 

筆者は、この問題に関して「3つのポイントに絞って考える」と述べました。

(1)容疑者の持つ、考えの甘さ

(2)町の対応について

(3)決済業者の謎

 

前々回&前回記事で、(1)と(2)について触れました。

今回は、残った(3)について掘り下げていきます。

 

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(3)決済業者の謎

 

 

今回の誤送金問題。発生して間もないですが…

筆者が思うに、「既に鎮火方向へ向かっている」という感があります。

その大きな理由は、「誤送金された金が、概ね返金された」というもの。大半のお金が返ってきたとなれば、そもそも騒動のコア要素がなくなる。故に、炎上騒動は鎮火方向へ向かっているといえます。

 

まぁ、それでも怒り続けて、町役場に抗議電話をする人は存在します。

「全額回収」&「騒動処理の金銭コストを、容疑者に払わせる」というレベルにいかないと、本当の鎮火は難しいのでしょう。

mainichi.jp(2022/5/24)

www3.nhk.or.jp(2022/5/24)

newsdig.tbs.co.jp(2022/5/25)

 

しかし…

容疑者は、当初「金をネットカジノ(オンラインカジノ)で使い込んでしまい、なくなった」と証言していました。警察にスマホを提出し、取引履歴を見せているという話もあります。

にもかかわらず、9割方の金が返ってきた。こうなった理由には、「ネットカジノに金を賭ける際、決済を代行する業者」の存在が大きい。

そして、その業者に圧力をかけた、町役場側の弁護士「中山修身」氏の力量が凄い。

 

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今回の様なケースを始め、多くの金銭的取引には「善意の第三者に渡った金品は、そう簡単に取り返せない」という法的概念が絡んできます。

法律の世界における「善意の第三者」とは、一般的な善悪の話とは全く関係ありません。この場合の善意とは、「裏事情を知らない」という意味です
(反対に、事情を知っている場合は「悪意」という)

 

これは、「民法」を学ぶ時、絶対に出て来る概念です。

「善意の第三者」は、法的に保護されます。これは、取引の安定重視の為に、法律で認められている概念です。

 

もし、「裏事情を知っていようといまいと、犯罪によって得た金については、全額没収」というルールになっていたら、どうなるでしょうか。

恐らく、「目の前の金が、犯罪収益によるものか否かを確かめないと、商売ができない」という状況に陥ります。これは、経済を著しく停滞させる行為です。いや、破壊行為と言っても過言ではない。

そういう疑心暗鬼状態を招かない為に、「裏事情を知らない場合は、没収その他のリスクから遠ざける」ということにしています。これが、「善意の第三者を保護する」という概念です。

 

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阿武町の騒動を考えると…

お金を返した決済代行業者は、恐らく「善意の第三者」のポジションでしょう。

「業者が裏事情を知っていた」という話は、今の所出ていません。普通に考えても、イチイチ「阿武町からネコババした金ですか?」と尋ねる筈もない。故に、知っていたとは思えない。従って、保護される可能性が高い。

 

しかし、その方向(保護される方向)には行っていません。

 

容疑者は、「ネットカジノで負けて、金を溶かした」と言っており、取引履歴も警察に見せている。

その状況下で、問題の決済代行業者は、阿武町へ大金を振り込んだ。

つまり、業者が自腹を切って、阿武町へ大金を渡した可能性が高い。

何故、そんなことをするのか?

 

 

あくまで「可能性の話」ですが…

事が「ネットカジノ」に関係する問題であった為、これ以上の公権力介入を避けたいと考えた業者が、金を払ってなかったことにした…という推測が浮上しています。

 

ネットカジノは、犯罪行為(賭博罪)の疑いが強いものです。

その業界と関係のある決済業者が、警察のガサ入れを食らった場合、決済業者がひっくり返る様な証拠が出て来るかも知れない。

そういう事態を恐れて、自腹を切ってでもサッサと終わらせたかったのでは?

…こういう指摘が、専門家からも出ています。

www.asahi.com(2022/5/23)

海外のカジノサイトと関係する決済代行業者からの山口県阿武町への入金について、元検事の亀井正貴弁護士は、業者側からの「自主返還」とみる。

「業者側には、カジノにかかわる資金が入っている口座を捜査されるより、これで終わりにしたい気持ちもあったのかも知れない」

https://www.asahi.com/articles/ASQ5R6T8HQ5RTIPE00K.htmlより。改行等は筆者によるもの)

 

まぁ、現在の所、真相は藪の中。町役場側の弁護士「中山修身」氏も、金の流れを突っ込んで調べる気はなさそうです。

中山弁護士に与えられたミッションが、「金を回収する」というものですから、至極妥当な行為といえますね。弁護士は、依頼者のリクエストが最優先。

 

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ただ、「金が戻れば、全てなかったことに」とはなりません。

 

ネコババした容疑者は、裁判でシッカリと絞られるべきです。場合によっては、刑務所で反省の日々を送ることになるかも。

そして、町から請求された金銭は、耳を揃えて返さねばならない。長い返済の日々が待っているでしょう。

 

他方、阿武町にもやるべきことは山積み。

問題の原因を徹底調査し、責任者の処罰&再発防止策の提示に動かねばならない。

そして、他の自治体も動かねばならないでしょう。阿武町のミスは、他の自治体でも起こり得ると考えた方がよい。今回のニュースを反面教師として、シッカリと追跡しなければ駄目でしょうね。

 

ネットカジノの決済業者に関しては、警察がどう考えるかによって大きく変わるでしょう。

今回の事件を突破口にして、大規模なガサ入れが実施されるかも知れませんが…。

もしそうなれば、完全に「ヤブヘビ」ですね。

 

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以上、全三回に渡って、阿武町のトラブルに関する話を述べさせて頂きました。

最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

筆者の書いた記事の中に、読者様の参考になる情報等があれば、非常に嬉しく思います。

 

 

--------------(記事了)--------------