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手作り&裏読み&日替わりブログ

【阿武町・誤給付問題の話】掘り下げたいポイントは、3つある(前編)

山口県の阿武町(あぶちょう)。日本海に面した、町民・約3000人の小さな自治体です。

今、この町で起きたトラブルが、全国レベルで取り上げられる話題になっています。ご存じの方も多い筈。

www.town.abu.lg.jp(2022/5/25閲覧)

 

この町で起きたトラブルとは、「新型コロナの影響に対する新たな経済対策として、住民税非課税の世帯などに対し、現金10万円を配布する臨時特別給付金」に関する話です。

この給付金は、2022年の1~3月頃から、各地方自治体が主体となって配布作業を始めていました。阿武町も同様。

しかし、阿武町では事務的ミスが起こり、「一世帯につき10万円を、463世帯に配る(合計4630万円)」としなければならないところを、「4630万円を、一世帯に配布」としてしまった。痛恨のミスです。

 

さらに悪いことに、この4630万円を受け取った者が、「振り込まれたから自分のモノ」「町の対応が悪い」と逆切れ。「ほぼ全額を、ネットカジノに使った」と主張し、騒ぎが拡大。

仕舞いには警察沙汰となり、逆切れした本人は逮捕されてしまいました。

 

なお、この話は、昨日(2022年5月24日)に急展開。

「ネットカジノに流れた筈の金が、ほぼ全額町へ返ってきた」というニュースが流れ、世間を驚かせました。

「恐らく、回収困難だろう」という見込みを覆す、かなりの超展開。そこもまた、全国ニュースで流れていましたね。

mainichi.jp(2022/5/24)

www3.nhk.or.jp(2022/5/24)

 

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ただ、筆者が思うに…

このトラブルについては、「ネコババしたヤツが馬鹿」「誤給付した町の職員が悪い」というレベルで考えを止めてはいけない。もっと掘り下げると、色々なものが見えてくる。こう考えます。

あれこれ書き出すと止まらない為、以下の「3つのポイント」に絞って述べていきましょう。

 

(1)容疑者の持つ、考えの甘さ

(2)町の対応について

(3)決済業者の謎

 

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(1)容疑者の持つ、考えの甘さ

 

今回の件は、発端が「町役場の事務的ミス」です。4630万円の誤給付を受けた者には、落ち度がありませんでした。

しかし、理由もないのに大金を受け取り、しかも使い込んだとなれば、刑事・民事の両方で追いつめられる可能性が出てきます。これは当然。

 

町役場がミスに気付き、すぐさま誤給付を受けた者に謝罪。返金手続きをお願いしたところ、当人は承諾。これで問題は最小限で済む…筈でした。

しかし、急に当人の態度が変わり、返金に応じず。4630万円の大半を別口座に移し、「ネットカジノに注ぎ込んで溶けた」と主張。ここから話がややこしくなります。

 

その後、誤給付を受けた者は警察に逮捕されます。

早い段階で、素直に返金に応じていれば、逮捕されなかっただろうに…。

www3.nhk.or.jp(2022/5/19)

山口県阿武町から誤って振り込まれた4630万円の給付金の一部を別の口座に振り替えたとして、電子計算機使用詐欺の疑いで逮捕された町内に住む24歳の住民が、町が誤りに気付き返還を求めたその日から出金していたことが関係者への取材でわかりました。

調べに対し「金はオンラインカジノで使った」などと供述しているということで、警察は詳しいいきさつを調べています。

 

山口県阿武町の無職、田口翔容疑者(24)は、4月、町から振り込まれた国の臨時特別給付金合わせて4630万円について、誤って入金されたと知りながら、スマートフォンでオンライン決済サービスを利用し自分の口座から決済代行業者の口座にこのうちの400万円を振り替えたとして、電子計算機使用詐欺の疑いが持たれています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220519/k10013632991000.htmlより。改行等は筆者によるもの)

 

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田口翔容疑者の主張を追っていくと、

「自分の口座に振り込まれたのだから、金は自分のモノ」
「悪いのは町役場。自分は悪くない」
「金は使ったので返せない。罪は償うのでチャラにして」

こういう主張が目立ちます。

 

辛うじて同意できるのは、「町役場のミスが悪い」という点くらいですね。そこはその通り。

しかし、「役場のミスで振り込まれたから、金は自分のモノ」という理屈は全く通らない。返金しなければなりません。返すべき借金と同じ。ギャンブルで溶かそうが何しようが、債務は消えません。

所謂「不当利得」というヤツです。

 

しかも、ここに税金がかかる可能性もあります。

今回の場合、「短期間でドサッと儲けた」という状況に見えますので、雑所得と理解されるかも知れません。仮にそうなると、税率が高い。

筆者は税理士ではありませんので、正確な計算式は出せませんが…税率45%くらいブン取られてもおかしくありません。

www.nta.go.jp(2022/5/25閲覧)

 

そうなると、返すべき金が4630万円。払うべき税金が、約2000万円。

合計で7000万円近くの借金が、一瞬で生じたことになります。

そこまで考えていなかったのでしょうか?

 

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この考えの甘さに、ツッコミが殺到。大炎上してしまい、今の騒ぎに至っています。

まぁ、まだ捜査は始まったばかりですし、誤給付されたお金の9割方は確保できたと報じられています。田口容疑者がどうなるかは、まだよく分からない。

ハッキリ言えるのは、「完全にデジタルタトゥー化した」ということですね。顔も名前も、半永久的にネット空間で保存される。マズイことをしたものです。

 

 

さて、次は「町の対応」について述べていきたいところですが…

長くなるので、本日はここまでとさせてください。

続きは次回記事にて。

 

 

--------------(記事了)--------------

 

 

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