<この記事は、2022年5月23日21時頃迄の各種情報を基にして、執筆しております>
ロシアがウクライナに侵攻して、もうすぐ丸3カ月が経過します。
侵攻開始後、ロシアの思惑は大外れ。首都キーウを始め、ウクライナ各地を短期間のうちに制圧するつもりだった模様ですが、完全に大失敗しました。
そこで、ウクライナ東部・南部地域に戦力を集中する様に、大きく方針転換したロシア。しかし、ウクライナ側の抵抗は強く、ロシアはなかなか前に進めない。
重要都市「マリウポリ」を制圧したという話は出ていますが、それ以外の地域は膠着状態。ロシアの苦戦は続いています。
www.bbc.com(2022/5/21)
www.sankei.com(2022/5/22)
www.yomiuri.co.jp(2022/5/23)
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この状況を前に、ロシアは非常に困っています。
その困り具合を如実に反映したニュースが、つい先頃報じられました。
ニュースの内容は、主に2つ。
ひとつは、「ロシアの兵隊が足りなくなったので、年齢制限を撤廃し、老人だろうと何だろうと戦線に注ぎ込む」というもの。
もうひとつは、「障碍者までも、兵士として戦線投入している」というもの。
どっちも酷い話です。
www.nikkei.com(2022/5/21)
news.tv-asahi.co.jp(2022/5/22)
ロシア下院は20日、志願兵の年齢上限を撤廃する法案が提出されたと明らかにした。
現行ではロシア人で18~40歳、外国人で18~30歳の入隊を認めている。
長引くウクライナ侵攻で兵士の死傷や従軍拒否が増え、兵員不足が深刻になっているためとみられる。
(https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR20EZR0Q2A520C2000000/より。改行・強調等は筆者によるもの。以下同)
イギリスの国防省はロシア軍が開戦以降に投入した地上戦力の3分の1を失ったと推定しています。
戦力損耗率は30%を超えると軍隊として機能しなくなるとされています。
こうしたなか、ロシア軍にある疑惑が浮上しています。
ウクライナ保安庁が公開した捕虜になったロシア兵です。
捕虜になったロシア兵:「私は身体障害者です。私は視力が悪く、幼いころから片目しか見えない」
身体障害者だという男性は、なぜ兵士になったのでしょうか…。
捕虜になったロシア兵:「いつも通り仕事に出掛けたら突然、軍の担当者が来て身分証明書を見せるように言われた。そこで『徴兵する』と言われた。バスに乗るように指示され、軍服とヘルメットをもらえたが防護服は一切もらえていない」
さらに、戦地のウクライナに来てから驚かされたことがあったといいます。
捕虜になったロシア兵:「(ドネツク州)ノボアゾフスクでまひなどの他の障害を持つ人をたくさん見た。全員、徴兵されて来た。私は怖くて地下室に避難していた。ウクライナ軍を見て無抵抗で捕虜になることを決めた」
「私は頭蓋骨のけがをしていて、脳の動きに問題がある」
イギリス国防省によりますと、ロシア軍の死者数は約1万5000人に上るとしています。
(https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000255517.html)
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ロシアのやっていることは、完全に泥縄。これでは苦戦して当然です。
今回の戦争は、ロシアが侵攻側で、ウクライナは防御側。
一般的には、「侵攻するロシアは、守るウクライナの三倍の兵力がないと、勝利できない」となりますね。”攻撃三倍の法則”というヤツです。
しかし、上記の様な失態&無茶を続けている様では、いつまで経っても泥縄の繰り返し。「三倍の人数」は揃えたとしても、「三倍の兵力」には届かない。こういうオチが見えます。
加えて、「ウクライナで戦争をしたくない」というロシア人が多発。弁護士さんに相談が殺到するという、切羽詰まった状況が増えているとのこと。
news.tv-asahi.co.jp(2022/5/22)
ロシアでは、西側から喰らっている経済制裁についても、かなり効いて・困っている様子が見えます。
こんな状況では、とてもマトモに戦えるとは思えない。
ロシア内部からも、政府への批判が増えている。そういう状況もよく報じられるようになりました。
「ロシア自滅シナリオ」が、かなり現実的なものになりつつある。筆者には、そう思えて仕方ありません。
--------------(記事了)--------------