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【ファスト映画騒動の話】刑事の次は、民事です

”ファスト映画”に関する騒動が湧いて、しばらく経過しましたが…

騒動を覚えている方、どれだけいらっしゃるでしょう。

ひょっとして、「ファスト映画って何?」という具合で、もう忘れてしまった方もいらっしゃるのでは?

 

ファスト映画については、当ブログでも何度か記事化しました。最も盛んに執筆していたのは、昨年・2021年の夏頃になります。

あれから、もう1年が経過しようとしている。時の経つのは早いものです。

tenamaka26.hatenablog.com

tenamaka26.hatenablog.com

 

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ここで、念の為”ファスト映画”について説明をば。

 

ファスト映画とは、主にYouTube等の動画サイトにアップされていたものです。

一言でいえば、「著作権法違反の、ネタバレ動画」ですね。

 

ファスト映画の投稿者が、市販の映画を無許可で編集して短くまとめ、ストーリーのネタバレ動画として配信する。ファスト映画の視聴数を稼げば、投稿者には広告収入が出る。

ファスト映画の視聴者は、編集前の元ネタ映画を見なくても、ファスト映画だけでストーリーが分かってしまう。故に、お金を払って元ネタ作品を視聴しない。

こういう具合で、ファスト映画が蔓延っていました。

 

この流れを知り、元ネタを作った映画会社は激怒。

それはそうです。ファスト映画投稿者のやっていることは、映画泥棒と同じ。違法行為ですから、映画会社は警察へ話を持って行く。話を聞いた警察は、検挙に動く。そうやって犯人が逮捕され、裁判で有罪が確定したケースもあります。

警察が動くとなれば、ファスト映画の投稿者はビビリまくり。「逮捕される前に、証拠を消そう」と考え、慌てて動画を削除。しかし、時すでに遅し。消す前の証拠はキッチリ押さえられており、消せば済むものでもない。

違法行為の代償は、重いのです。

 

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そして、上記の話は「刑事事件」の話。懲役とか罰金とかの話は、犯罪に対する刑罰として課されるものです。

他方、損害賠償や慰謝料などの話は、「民事事件」のカテゴリに入ります。これは刑事とは別物。被害者に対する損害金は、懲役や罰金とは別の流れで計算されます。

 

その点を押さえた上で、以下のニュースをご覧ください。

刑事で有罪が確定した、とあるファスト映画の投稿者。その者に対し、被害を受けた映画会社が求めた損害賠償の話です。

請求金額は、5億円です。ごおくえん。

www3.nhk.or.jp(2022/5/19)

www.nikkei.com(2022/5/19)

 

映画を10分程度にまとめた違法な動画、「ファスト映画」を公開したとして全国で初めて摘発され、著作権法違反の罪で有罪が確定した男女3人に対し、大手映画会社など13社が総額5億円の損害賠償を求める訴えを19日に起こすことを決めました。

関係者によりますと、大手映画会社の東宝や日活など合わせて13社は、この3人がファスト映画を公開したことで著作権を侵害されたとして、総額5億円の賠償を求める訴えを19日に東京地方裁判所に起こすことがわかりました。

映画会社側は3人が公開した「シン・ゴジラ」など国内の54作品の再生回数を調べて1回の再生あたりの被害額を200円にあたると判断し、賠償額を設定したということです。

3人が公開した動画の中には、再生回数が265万回に達するものもあったということです。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220519/k10013632481000.htmlより。改行・強調等は筆者によるもの)

 

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被害を受けた会社側は、「1再生につき、200円の損害が発生」と計算しています。

この額を見て、筆者は「妥当である」と考えますね。

 

最近は、動画配信でもサブスク(月額制)のサービスが多い。この場合、映画1本の視聴代金というものは…なかなか計算できません。

サブスクは「見放題サービス」ですからね。

 

しかし、「レンタルDVDショップ」の理屈で考えると、1本につき何円という計算が可能。

筆者の感覚からすれば、新作・旧作を含めた平均レンタル代金は「200~300円程度」というところではないでしょうか。

そうなると、今回の「1再生につき、200円の損害が発生」という計算にも、説得力が出てきます。

 

一般人がファスト映画を見て、「ストーリーが分かったから、もういいよ」となり、レンタルしなくなった。こういう事態は、あり得ます。

そういう状況を招いたのは、ファスト映画側の責任。これは間違いないでしょう。

あとは、「裁判所がどう判断するか?」ですね。そこは裁判をやってみなければ分からない。

 

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当ブログでも、様々な映画やマンガを紹介しています。

その際、強烈に気を遣う点がひとつ。それは「元ネタ作者さんに対する、リスペクトを忘れない」ということ。

 

元ネタがあって、その上で筆者の紹介記事がある。

元ネタがなければ、何も書けない。

故に、元ネタ作者さんの不利益にならない様に、ネタバレにならない様に、物凄く気を付けています。

 

ファスト映画の投稿者の場合、その点が大きく欠けています。

「ネタバレでも何でもいいから、とにかく自分の利益を増やす為、動画視聴数を稼ごう」という考えしか見えて来ない。それは、元ネタ作者さんの利益を奪う行為であり、甚だ自己中心的であると言わざるを得ません。

 

 

今後、上記ニュースの様な「億単位の損害賠償請求」は、増えていくでしょう。

ファスト映画の投稿者は、一時期に比べて激減しています。が、表から姿を消しても、不当に得た利益が許されるワケではない。

業界団体の計算によると、「ファスト映画のせいで発生した損害は、950億円以上」とのこと。今回請求された5億円程度では、まだまだ終わりません。

nlab.itmedia.co.jp(2021/6/22)

 

ファスト映画の投稿者は、腹を決めておく必要がありそうですね。

責任から逃げることは、甚だ困難です。

 

 

--------------(記事了)--------------