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手作り&裏読み&日替わりブログ

【特撮映画の話】もしもJapanが弱かったら、□シアは必ず攻めてくる…?

先日、以下の記事をアップ致しました。

テーマは、「有名クリエイターの庵野秀明氏が、過去に”同人ウルトラマン”を制作していた」というもの。

tenamaka26.hatenablog.com

 

『新世紀エヴァンゲリオン』『シン・ゴジラ』等でお馴染みのクリエイター、「庵野秀明」氏。

その庵野氏によって作られた、新機軸のウルトラシリーズ『シン・ウルトラマン』が、現在上映中です。

 

そこから着想を得て、「庵野氏とウルトラマンの長い付き合い」「庵野氏が過去に作った、同人版ウルトラマン」という話に触れたのが、上記記事の内容になります。

興味のある方は、当記事だけではなく、ぜひ上記記事もご覧くださいませ。

シン・ウルトラマン マルチポーチBOOK (バラエティ)(提供:Amazon)

 

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庵野氏が、同人実写映画を撮影していた。この話は、知っている方は知っている、そこそこ有名な話です。

そして、「庵野氏と同人特撮」について掘り下げた時、ほぼ必ず話題に出る別作品が存在します。当記事では、その作品の話を述べていきましょう。

 

作品タイトルは、『愛國戰隊 大日本』です。

読み方は、「あいこくせんたい だいにっぽん」。

www.gainax.co.jp(2022/5/18閲覧)

 

『愛國戰隊 大日本』(以下、『愛國戰隊』と表記)は、1982年に撮影された作品。

タイトルからお分かり頂けるでしょうが、「スーパー戦隊シリーズ」を元ネタにした同人映画です。

特に、1981年から放送されていた『太陽戦隊サンバルカン』の影響を強く受けていますね。
(主題歌のメロディが全く同じ…等)

太陽戦隊サンバルカン(提供:Amazon)

 

『愛國戰隊』は、戦隊モノの流れを組む作品ですから、ストーリーは非常に分かり易い。

「正義のヒーローがいて、日本を狙う悪の組織が暗躍し、怪人が出てきて、最終的にヒーロー側の巨大ロボが出動して決着がつく」という、王道ガチガチの構成になっています。

 

ただ、本家の戦隊モノとは、決定的に違う点もあります。

いや、「本家の戦隊モノでは、絶対に採用できない」という、非常に微妙&危険な設定が満載。もし採用すれば、各所から大量のクレームが舞い込むでしょう。

そういうギリギリ感を醸し出す所が、『愛國戰隊』の魅力でもあるのですけれど。

 

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では、その「微妙&危険な設定」とは、具体的にはどんなものか?

以下に列挙してみましょう。

 

◆敵組織「レッドベア」が、「赤い思想を持つ悪の組織」という設定。モデルは、明らかにソ連(現ロシアの前身)である。
ちなみに「赤い思想」とは、「共産主義思想」のあだ名。

◆敵の作戦が、「子供の教科書をすり替え、赤思想を書いた書物ばかりにして、年単位の長い時間をかけて洗脳する」という、物議を醸しそうな内容。

◆特撮ヒーロー作品に登場する「一般戦闘員(ザコキャラ)」は、何かしらの叫び声を上げながら行動する。
例えば、『仮面ライダー』の戦闘員は「イー!」という叫び声を出し、『秘密戦隊ゴレンジャー』の戦闘員は「ホイ!」と言う。
では、『愛國戰隊』の敵戦闘員は何という叫び声を出すか?…といえば、「ハラショー」である。明らかにロシア語。

◆そもそも、主題歌の歌詞が「ロシアを敵視し、挑発する内容」である
筆者はJASR●Cに絡まれたくないので、この場で歌詞を記述しない。イメージとしては、「日本が弱かったら、□シアが攻めてきて、シベリアに強制連行される」的な言葉が大量に使われている。

 

◆主人公である愛國戰隊のメンツが、保守勢力を連想させる名前である。

多くの戦隊モノでは、「戦隊名の一部」と「色」「動物の名前」等を組み合わせてキャラ名にしている。
例えば、先述の『太陽戦隊サンバルカン』の場合は、「バルイーグル」「バルシャーク」「バルパンサー」という名前。

これが『愛國戰隊』になると、「アイ・カミカゼ」「アイ・ハラキリ」「アイ・スキヤキ」「アイ・ゲイシャ」「アイ・テンプラ」という名前。どこか「日本を曲解した外国人」の考えそうな名前である。

この辺は、有名作品『ニンジャスレイヤー』に感覚が近い。

ニンジャスレイヤー(1) ~マシン・オブ・ヴェンジェンス~ (角川コミックス・エース)(提供:Amazon)

 

◆愛國戰隊が操るメカの名前が、仏教の守護神「帝釈天」「毘沙門天」「兜率天」である。

◆それらのメカが合体して「巨大ロボ」になるのだが、最終必殺技の名前が「日本剣・愛國富士山返し」である。

◆愛國戰隊が着用する強化服や、愛國戰隊ロボの体表等に、やたらと旭日旗がデザインされている

 

 

…凡そ、こんな感じ。

国内外&左右両方から怒られそうな、なかなかに危うい設定です。

 

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筆者は、こういう「怒られるかどうかのギリギリを攻める感じ」は、かなり好きです。

しかし、商業的にはNGですね。本家戦隊モノを企画している「東映」が、ここまで危険なモノを許すとは思えません。

筆者の知る限り、映像ソフト化された様子もなし。今後も難しいでしょう。

特に今は、本物のロシアが「悪の組織扱い」になっていますので…ねぇ。

 

他方、『愛國戰隊』の特撮技術は、アマチュアとは思えない高レベルです。

「敵が巨大化するシーン」等は、本家に匹敵するレベル。

今の感覚で見ると、どうしてもチャチに見えてしまいます。が、当時の特撮技術レベルを考えると、相当に凝っている。

 

「有名クリエイターさんは、アマチュアの頃から、作品にかける情熱が違うね」

『愛國戰隊 大日本』は、視聴者にそう言わしめる迷作…ではなく「名作」といえるでしょう。

 

 

-----------------(記事了)-----------------