<この記事は、2022年4月4日21時頃迄の各種情報を基にして、執筆しております>
連日報じられている、ウクライナでの戦争関連ニュース。
ここ2~3日は、「ロシアが侵攻プランを変え、ウクライナ東部に兵力を集中すると発表した」というネタをよく見ます。
しかし、その発表を鵜呑みにはできない。
「ロシア側の主張は、全くアテにならない」ということは、もうハッキリしています。故に、ロシア政府は国際関係的&経済的に孤立しています。
ロシア政府&ロシア軍に対する不信感は、「数十年は払拭できない、根深いもの」になってしまった。そう申しても過言ではないでしょう。
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ロシア政府&ロシア軍に対する不信感。
これに対して苦い顔を見せるのは、ロシアに侵攻されたウクライナや、ウクライナを支える諸外国だけではありません。
それは、当のロシア軍も同じ。
侵攻計画が杜撰過ぎて、あちこちで不具合が生じた為に苦戦し、ロシア軍内にも大きな被害が発生している。
燃料や食料が欠乏し、兵士の士気(やる気)が急下降。やる気のない兵士ばかりでは、戦いに勝てません。
遂には、「ロシア兵が、百人単位で脱走した」という話すら出てくる始末。
ロシア軍が、どんどん軍隊としての統制を欠いている。その片鱗としか思えない話です。
www.sankei.com(2022/4/2)
1日付英紙タイムズは、ウクライナに侵攻したロシア軍が隣国ジョージア(旧グルジア)から援軍として派遣したロシア軍兵士のうち、約300人が脱走したと伝えた。
ヒッチハイクをするなどして元の任地に戻ったとされ、今回の侵攻での「初の大規模な反乱」とみられると報じた。
(https://www.sankei.com/article/20220402-BL3GVD3MSJIRVHV353VLW72RUM/より。改行等は筆者によるもの。以下同)
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しかし…
上記ニュースは、「ロシア兵が300人脱走…か?」という書き方。疑問符がついていますので、確定情報とは言い難いでしょう。続報が待たれます。
ただ、上記ニュースを報じたのは、イギリスの高級紙に分類される「タイムズ」です。日本でいえば、大手4紙(朝日、毎日、産経、読売)の立ち位置。
タイムズは、ゴシップ性の強い大衆紙ではありません。それなりに信憑性はあると思われる為、「ロシア兵が300人脱走」という話も嘘には聞こえない。
何しろ、明らかにロシア軍はグダグダであり、「戦争犯罪と思しき残虐行為」を厭わない傾向が見られます。
こういう状態を知れば、逃げ出したくなる気持ちも分かる。
www.jiji.com(2022/4/4)
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ウクライナ側も、ロシア兵の心情を分かっているのでしょう。
ロシア兵が自主的に降服する様に、有利な条件を提示して投降を呼びかけています。
下記ニュースは、その一例。
ウクライナ内務省の顧問が、SNSを通じて発表したものです。
www.fnn.jp(2022/3/30)
顧問によると、ロシア兵を投降に導くため、ウクライナ側がロシア兵の携帯の番号を特定。その番号に「投降の方法」や「ウクライナ軍への武器の渡し方」などを記したメッセージを送っているのだとしています。その後、落ち合う場所を決めて、ロシア兵の投降を受け入れるというもの。
その際に、ウクライナ軍はドローンを使い、ロシア兵が1人で来ていて、罠でないことを確認してから拘束するといいます。
投降したロシア兵は「自分以外の仲間は逃げた」「ロシアが戦い続ける理由が分からない」「軍の食料はほとんどない」「指揮系統も混乱している」というよう実情を語ったと明らかにしています。
そして、投降した兵士はテレビ・携帯電話・シャワーなどを使用できる快適な施設で過ごすことができ、侵攻が収束した後には約120万円、さらにウクライナ国籍を申請する許可まで与えられるという待遇も提示されています。
(https://www.fnn.jp/articles/-/339663)
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一般的に、脱走兵は重罪人。
各国の方針にもよりますが、死刑にまで至ることもあり得る。
それでも、ロシア兵脱走の話が次々に出てくる。ロシア側の裏事情は、かなり深刻だと推察できます。
このままの状態が続けば、ロシア上層部は「頼りにならない兵よりも、一気にダメージを与える大量破壊兵器を使おう」という流れに傾くかも知れません。
が、それは世界大戦への入り口に他ならない。
世界各国へ飛び火する前に、何とかロシア国内でブレーキをかけて欲しいところですが…。
--------------(記事了)--------------