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【ウクライナ状勢の話】パクリではなく、居直り強盗

<この記事は、2022年3月25日6時頃迄の各種情報を基にして、執筆しております>

 

 

最近のロシアは、「カントリーリスクの塊」になっています。

それも、日に日に酷さが増しています。

 

ちなみに「カントリーリスク」とは、「該当地域の政治・経済等の変化により、投資した資産の価値が変動するリスク」のこと。

砕けた言い方をすれば、「外国企業が、その地域で商売できるか否かの目安」です。

 

ひとつ、例え話をしましょう。

普通に外国企業を受け入れていた、某国があります。その国で唐突に法律が改正され、「国内に存在する外国企業の資産は、全部奪ってもOK。特に罰則なし」というルールができたとしましょう。

そんな地域では、商売などは無理。儲けても、現地の人に奪われるのです。しかも合法的に。大損確定の為、外国企業が進出する意味がない。既に進出してしまった企業は、泣き寝入りまっしぐら。

これが、カントリーリスクの恐ろしいところです。

 

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今のロシアは、上記「某国」とほぼ同じ道を辿ろうとしています。

そのひとつが、以下の話。「ロシアに敵対する国の知的財産(特許や商標等)は、勝手に使ってOK。使用料金を払う必要はない」という法律を、ロシア当局が可決したというトンデモニュースです。

gigazine.net(2022/3/14)

www3.nhk.or.jp(2022/3/15)

 

ロシア政府はロシアへの制裁措置を行う「非友好的な国と地域」として日本や欧米など48の国や地域を指定しています。

日本政府などによりますと、ロシア政府は今月7日「非友好国」の企業や個人などが保有する特許権について、政府が認めた場合には使用料を支払わなくてよいとする決議を施行したということです。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220315/k10013532171000.htmlより。改行等は筆者によるもの。以下同)

 

ロシアは、ウクライナ侵攻に関し、多くの国から経済制裁を課されています。

また、ウクライナへの支援を通じて、実質的にロシアと敵対している国もあります。

そんな国々を、ロシアは「非友好国」に指定。該当国の関係組織に対し、様々な不利益措置を課すという報復措置に出ています。

上記「知的財産をパクリ放題」というルールも、そういった報復措置のひとつ。

 

いや、ここまで来ると、「パクリ」ではなく「居直り強盗」に近い。

 

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この話(パクリ容認)が出た時に、真っ先に話題に上ったのが「マクドナルド」でした。

ソ連の崩壊直前、「西側の象徴」としてロシア店を開いたのがマクドナルド。それ以来、長年営業を続けてきましたが、先日営業休止となりました。

理由は、ロシアによるウクライナへの侵攻です。

 

そこへ来て、上記の「パクリ容認法」の可決。

この法律に乗っかって、偽物のマクドナルドが出るだろう…と予想するのは、結構簡単です。

courrier.jp(2022/3/12)

 

そして、その予想が早速的中。

マクドナルドにそっくりな店が、ロシアに出現しました。

www.bengo4.com(2022/3/26)

ロシアにマックそっくり店舗 “閉店”受け「M」ロゴ傾け便乗

 

経済制裁が進むロシア。
13日に営業を一時停止したマクドナルドに便乗したともいえる商標が、ロシアの特許庁に出願された。

店の名は、「ワーニャおじさん」。

アメリカのワシントン・ポスト紙は、有名なロシアの劇作家「チェーホフ」の作品と同じタイトルだと伝えている。

https://www.fnn.jp/articles/-/335036(2022/3/21)

 

お店の名前が「ワーニャおじさん」。何か、「某フライドチキン屋のマスコットキャラクター」を連想させる様な名前です。ハンバーガーだけでなく、某有名フライドチキンまでパクって売ろうとしたならば、開いた口が塞がらない。

この「ワーニャおじさん」と同じことを、アメリカや日本で行ったとすれば、高確率で裁判になるでしょう。しかし、ロシアでは裁判にならない。理由は、先に述べた「パクリOK法」の存在です。

 

パクリが合法とされる、居直り強盗推進国家。

そこを目指すロシアは、「付き合いたくない難儀な国」を目指しているのと同義です。

 

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他方、「パクればうまくいく」「ロシアは強くて豊かになる」というワケではありません。

名前だけでなく、「店舗維持のノウハウ」や「材料等の流通網(サプライチェーン)」が必要不可欠。これらが不足すれば、看板が同じでも・全然別の店になってしまいます。

 

特に、「サプライチェーンの維持」は難問です。

先述の通り、ロシアはカントリーリスクの塊になっています。要は、「関わったら、大損する国」という認識を喰らう状況なのです。

そんな国で商売しようと思う企業は、非常に稀でしょう。貿易すら危険です。代金を踏み倒されかねないので。

故に、これまでのサプライチェーンは崩壊し、ロシア国内での流通は止まる。

 

同様の話は、マクドナルドに限りません。飲食業にも限りません。全業種の全組織に当てはまる話です。

このままでは、ロシアの経済は相当混乱するでしょう。自分で自分の首を絞めているのと同じ。

 

今のロシアは、非常に近視眼的な行動ばかりをとっている。

長い目で、ものを見れなくなっている感があります。

その姿勢は、滅びの道への第一歩なのですが…。

 

 

--------------(記事了)--------------

 

 

パクリの技法