makaranTB

手作り&裏読み&日替わりブログ

【熊の話】人間も自然の一部。テリトリーは自分達で守らないと駄目

先日、以下の記事を読みました。

記事のテーマは、「超危険なヒグマ」について。

gendai.ismedia.jp(2022/2/1)

gendai.ismedia.jp(2022/2/1)

 

一頭のヒグマが今、道東で3年にわたり、人間社会を蹂躙し続けている。

 

「2019年からOSO18と呼ばれる大型のオスのヒグマが、標茶町と厚岸町で放牧された牛を襲い続けているのです。これまでに57頭が負傷し、そのうち26頭は死亡しています。

最初に被害があってから3年が経つにもかかわらず、OSO18は駆除できていません。これだけ長期間逃げ続けるヒグマなんて、これまで聞いたことがない」(厚岸町水産農政課職員で町営牧場長を務める櫻井唯博氏)

OSO18(以下オソ)とは、北海道庁の釧路総合振興局が、被害を出している個体につけたコードネームだ。最初に被害を及ぼした標茶町オソツベツの地名と、現場に残された足跡の横幅が18cmだったことから名づけられた。

 

櫻井氏が続ける。

「大型の個体が多い北海道でも、オソの体格は群を抜いているとみられます。体重は推定で約400kg、立ち上がって手を上げれば高さは3m近くになるのではないでしょうか。年は10歳ほどと考えられます。

昨年の8月15日にうちの牧場で死亡が確認された牛は、200kgもあるにもかかわらず、背骨を折られ、身体を真っ二つに引き裂かれていました。

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/91764?imp=0より。改行等は筆者によるもの。以下同)

 

------------------------------------------

 

上記記事に出て来るヒグマには、「OSO18」という認識番号が付いています。

体長3m以上。体重400㎏以上。牛の背骨を折る怪力。知能が高くて罠にかからない。

 

この個体。かの有名な「三毛別羆事件」の個体に匹敵するか、それ以上に恐ろしい熊だと推察できます。

三毛別羆事件では、大型のヒグマによって7人が殺されました。日本史上最大の獣害事件として広く知られており、本や映画の題材にもなっています。

慟哭の谷 北海道三毛別・史上最悪のヒグマ襲撃事件 (文春文庫)(提供:Amazon)

 

三毛別羆事件が発生したのは、今から約100年前の1915年。

その頃に比べて、現在は「人々の生活様式」「住宅の強度」「熊を追い払い、駆除する能力」等は大きく変わっていますが…

それでも、被害をゼロにするのは簡単ではない。人の住む領域を「餌の調達場所」と認識してしまった熊は、懲りずに繰り返しやって来るのです。侵入回数が増すほど、駆除の他に手がなくなってしまう。

 

引用した記事によれば、熊が出没する牧場の主人が、牧場を自分の代で畳むことにしたそうです。

その決断に至るのも、無理はない。いつ死者が出るか分かりませんからね。

 

------------------------------------------

 

熊による被害の話は、北海道のヒグマに限ったことではありません。

本州のツキノワグマでも、同様の話が多い。

ツキノワグマは、北海道のヒグマよりも小型です。が、人を殺したという話は珍しくない。日本の野生生物の中では、間違いなくトップクラスの危険生物です。

 

ここ最近の記事で、ツキノワグマによる被害を報じたものは…

以下「静岡県の養鶏場」に関する話がありますね。

www.at-s.com(2021/11/16)

www.fnn.jp(2022/1/16)

静岡県内のクマの目撃情報は2年前に比べ、3倍に増えた。
11月には、富士山麓のニワトリ小屋で飼育していた35羽すべてが食べられる被害があった。

2021年11月、富士宮市人穴のニワトリ小屋にクマが現れた。

3日にわたって出没し、小屋で飼育していたウコッケイ35羽すべてが食べられた。

 

被害にあった仁藤光晴さん:

駐在さんが小屋をのぞいたら、バーンと(クマが)扉を開けて出てきた。僕はこちらに、駐在さんは向こうに逃げた。

クマは駐在さんの方を10mほど追っかけて、次はイヌと格闘するような感じで柵を登って私の方に来た。私は裏を回って逃げた。

怖いですよ、命がなくなるような感じ

 

鶏舎所有者の仁藤さんはクマと遭遇したものの、間一髪のところで難を逃れた。

https://www.fnn.jp/articles/-/298694

 

上記記事には、「様子を見に来た警察官を、小屋を荒らしたツキノワグマが追いかけた」という怖い話が書かれています。

幸い、警察官に怪我はなかった模様ですが、これ背筋が寒くなる話です。

 

熊は、基本的には臆病。しかし、人間とバッタリ顔をあわせると、驚いてパニックになり、身を守る為に襲い掛かってきます。

また、熊には「背を向けて逃げるモノを追いかける」という習性があります。警察官を追いかけたのは、これが原因ではないか?…と。

 

------------------------------------------

 

上記の話に限らず、日本全国で「熊の目撃情報」や「熊による被害」が出ています。毎年の様に。

その大きな原因は、「熊の個体増加」「エサ不足」「人間社会と、熊の生活領域が曖昧になった」等の要素が考えられます。

特に3つ目。農林業に従事する人が減り、人の活動領域が狭くなっています。故に、熊が活動範囲を広げ、どんどん人里まで下りてくる。

 

こういう状況下で、熊の被害を防ぐ為に重要なのは、「個体数管理」です。

個体数が増えれば、山で餌の取り合いになりますし、人里までやって来る熊も増えてしまう。故に、計画的な捕獲・駆除が必要。

既に、個体数管理を推進する自治体も出ています。

www.fukui-tv.co.jp(2022/1/31)

 

パッと見るに、「かわいそう」という印象を持つ方がいらっしゃるでしょうが…こうでもしなければ、人間と熊の双方にとってマイナス。人は傷つき、熊は飢えるのですから。

また、捕獲・駆除活動を推進することで、「ここは人間の世界。熊は入ってはならぬ」というメッセージにもなり得ます。予期せぬアクシデントを防げるかも知れません。

 

 

人間も、自然の一部。

自分達のテリトリーは、自分達で守る必要があります。

自然の摂理は、時に無慈悲です。人間の感傷だけで、何とかなるものではない。

 

 

--------------(記事了)--------------