本日のテーマは、
「記事は、見出しや雰囲気で判断しては駄目」
「ちゃんと読まないと、どえらい誤解をやらかす」
この2つです。
上記の要素は、「油断すれば、誰でも引っかかってしまう、大失敗の原因」です。自分だけは絶対大丈夫…というのは、恐らく通用しません。
故に、ちょくちょく反省&分析を行うのが好ましい。当記事は、その作業をお手伝いする内容になっています。
情報は、最後までよく読む。
鵜呑みにせず、ちょっと考えてみる。
こういう習慣を身に付ければ、デマ拡散に加担する可能性が減ります。
デマ拡散は、下手すれば犯罪&損害賠償の対象。決してやらない方がいい。
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では、本題に。
先日、以下の記事をネットで閲覧しました。
nlab.itmedia.co.jp(2022/1/27)
記事の内容は、よくある「ランキングもの」です。調査対象は、ペットとして飼われている猫。その「品種別人気ランキング」を掲載しています。
この記事の見出しを見た時、筆者はこう思いました。
「命にランキングを付けるというのは、正直気が進まないな」
ランキングというのは、人気・不人気を露骨に示すものです。
読者にとっては分かり易いので、注目を集め易い。反面、ランク下位の関係者から批判を招いたり、「そんなものをランク付けするのはおかしい」との批判も招き易い。
中には、「明らかにステマ(ステルスマーケティング)」と分かる様な、見るに堪えない捏造ランキングもある。そこまでやると、違法の疑いすら出て来る。
ランキングは、「取り扱い注意の、危険な側面」が存在するものです。
こういう事情が存在する為、筆者は上記「猫の品種ランキング」に対し、疑問を持ちました。
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しかし、記事をよく読むと…
筆者の考えは、記事を正確に読み解いたものではなく、見出しだけで判断&誤解したものだと分かりました。
なぜ、筆者はそう考えたのか?
その理由は、「どういう調査方法でデータを集めたか?」という記事内容にあります。
該当部分を、下記に引用致します。
「猫」といえば「犬」と人気を二分する人気のペットです。では、そんな猫の中でも、最も人気のある「猫種」は何なのでしょうか。
というわけで今回はアイペット損害保険が発表した「人気猫種ランキング」を紹介します。2021年の一年間にアイペット損害保険のペット保険に加入した猫の中でもっとも数が多かったのはどの種類の猫なのでしょうか。
(https://nlab.itmedia.co.jp/research/articles/554656/より。改行・強調等は筆者によるもの)
上記記事で発表している「人気猫ランキング」は、「どの猫が好きか?」というアンケート調査の集計結果ではない。「ペット保険に加入した猫を、品種ごとに分けてみた」というものでした。
ペットは、生物です。当然、病気にかかります。
日本の場合、人間社会には「国民皆保険制度」というものがあります。健康保険に加入していれば、怪我・病気の治療が安価で受けられます。
が、ペットには皆保険制度が存在しない。その為、基本的には全額実費。猫の場合、腎臓を悪くすることが多く、治療費も数万円~数十万円は覚悟しなければなりません。なかなかお高い。
ペットは家族です。「治療費が高いから、見殺しにする」と考える愛猫家さんは、まず存在しない。
しかし、数十万円の出費は、そう簡単に出せるものではない。ない袖は振れず・治療を諦めざるを得ない…という可能性も、ゼロではない。
そういう事態を見越して、いざという時に役立つ保険に入る。これは、ペットに対する愛情の表れです。決して悪い話ではありません。
そう考えると、上記ランキング記事に対する見方が、かなり変わって来ますね。
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そして、もうひとつ。上記ランキング記事の内容で、なかなかに感慨深い点がありました。
それは、ランキングの1位が「ミックス」だったこと。つまり「雑種」ですね。
ペットショップにお邪魔すると、売られている品種は名の通ったものばかり。ミックスも見かけますが、圧倒的に少数派です。
ということは、ミックスの大半は保護猫の類ということになる。迷い込んできたのか、保健所から引き取ってきたのか、飼いきれなくなった子猫を引き取ったのか。事情はいろいろでしょうが、「品種に関係なく、命を大事にしよう」という想いが伝わって来ます。
有名品種だろうと雑種だろうと、同じ命。
その命を守る為、備えを考える飼い主さん。
立派で、美しい。
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筆者が、上記引用記事の見出しを目にした時には、「命は皆同じ」「備えを怠らない飼い主さん」という文言が思いつきませんでした。記事内容をよく読んで、後で気付きました。
もし、筆者が記事内容をよく読まず、第一印象だけで考えてしまっていたら、「命にランキングをつけるとは何事だ!」と怒っていたかもしれません。が、それはNG。怒る前に気付いて良かった。
筆者は、油断していました。気を付けているつもりでしたが、筆者も人の子。まだまだ修行不足です。
当記事の冒頭にも書きましたが、ここでもう一度繰り返しておきましょう。
「記事は、見出しや雰囲気で判断しては駄目」
「ちゃんと読まないと、どえらい誤解をやらかす」
これは、何時でも・何処でも・誰にでもいえる話。組織のトップだろうと、一般市民だろうと、誰でも用心しなければならない要素です。
忘れがちなことですが、忘れてはいけないことでもある。
--------------(記事了)--------------