新型コロナウイルス騒動が本格化し、今年で3年目に突入しました。
騒動初期に比べ、ワクチンや治療薬等の対応策は増えています。が、完全に沈静化したとはいえず。連日、ニュースはコロナ関連話だらけ。あまり変わってないですね。
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あまり変わっていないのは、日本政府や地方自治体の対応も同じ。
ここ最近蔓延している「オミクロン株」に対応する為、「まん延防止等重点措置」の発令へ向けて動き出していますね。
www.yomiuri.co.jp(2022/1/19)
mainichi.jp(2022/1/19)
新型コロナウイルス対策のまん延防止等重点措置の適用対象に、1都12県が加わることになった。東京都内では緊急事態宣言が解除された昨年10月以降、飲食店や観光地に客足が戻りつつあっただけに、店主の間には再び落胆と不安が広がっている。
「またか」。都内で「和食日和おさけと日本橋」など居酒屋5店舗を経営する山口直樹さん(40)はまん延防止措置適用のニュースを聞き、肩を落とした。店は感染対策を施したとして都の認証を受けており、酒類は提供できる見通しだ。それでも、感染者が急増する中で客足が減少しているうえ、午後9時までの時短営業では採算が合わないと判断し、5店のうち4店は休業するつもりだ。
(https://mainichi.jp/articles/20220119/k00/00m/040/300000cより。改行等は筆者によるもの)
まぁ、何もしていないと政府や自治体の存在価値がなくなりますし、政治家連中の選挙にも響く。故に、防止措置発動へ動くのは理解できます。
「蔓延防止等重点措置」でも、(手は少ないですが)強制措置に動くことは可能。対策の効果が全くないわけでは…ない…かも。
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ただ、本気で効果を出そうと考えるのならば、絶対にやらなければならない作業があります。
それは、過去事例の反省です。これを熱心かつ具体的に行い、その結果を分かり易く公表した事例が見当たりません。
新型コロナウイルス騒動に伴って、「蔓延防止等重点措置」や「緊急事態宣言」が発令されたことは何度かあります。その反省がどこまで行われているのか、よく分からない。
果たして効果があったのか?なかったのか?
効果があったとすれば、次にどう活かすのか?
効果がなかったのであれば、どう改善するのか?
…こういう情報は、「検索すれば簡単に見つかる」という状況にしておかないと駄目です。
「頑張って探しても、見つかるかどうか怪しい」というレベルでは、「見られたくないものを隠している」と受け止められても仕方ないのです。
筆者がザッと探した範囲では、滋賀県や宮城県の出している分析結果が見つかりました。滋賀県の発表内容が、割と分かり易い。
もう少し時間をかけて掘り下げると、全国知事会で報告された資料に遭遇しました。が、これはイマイチ。資料的には見易いのですが、「蔓延防止措置の効果」についてどう分析しているのか、かなり分かり難い。
・全国知事会「新型コロナウイルス感染症「第5波」検証等結果報告書」
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東京の小池百合子都知事などがよくやるのですが…
「標語やスローガンをデカデカと書いたフリップ(大型のカード)」や「蔓延防止カルタ」みたいな、分かり易い広報資料は存在します。
www.bousai.metro.tokyo.lg.jp(2020/11/11)
こういう資料が作成可能で、マスコミ等を使って拡散可能である。これは事実です。
そうであれば、「蔓延防止等重点措置をやれば、これだけの効果があると証明されました」という詳しい検証結果も、デカデカと広報すればいいのです。そうすれば、皆は納得するでしょう。
しかし、なぜかやらない。少なくとも、ちょっと検索した程度では、やった形跡が見つからない。
なぜ?
まぁ、上記で紹介した滋賀県の資料では、「明確な効果はない」「効果があった雰囲気はあるが、その効き目はバラバラである」等と書いてありますからね。
同じ結論を得ているでしょうから、騒がれたくないのか?
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なお、大阪では大々的に検証を行ったことがあります。
その時の結論は、「人流抑制や時短要請に、効果はない」というものでした。
当時の様子が、動画として残っています。
2020年6月。専門家に「効果なし」と断言され、絶句する吉村大阪府知事の姿がハッキリ収録されています。
問題のシーンは、2:30辺りから。
【news23】緊急事態宣言“効果”検証の動き - YouTube(2020/6/26)
この苦言を、吉村知事や大阪府はどう活かしたのか?
また、日本政府はどう捉えたのか?
筆者の探索スキルでは、よく分かりませんでした。ご存じの方は、筆者に教えてくださいませ。
www.asahi.com(2020/6/12)
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今迄、新型コロナ対策に関し、行政サイドが色々なことをやってきました。けれど、「前回の効果を分析し、その結果を次回に活かした」という話を、あまり聞かない。
騒動初期であれば、何もデータがないので迷走するのは当然。しかし、今は違います。2年以上もの間、蓄積されたデータがあるのです。
現在主流になりつつあるのは、変異した「オミクロン株」です。その感染力の強さは、数字で出ています。
その数字が正しいと仮定して、「これくらいの期間で収まる筈」という見通しが出ないとおかしいのです。
「蔓延防止措置」や「緊急事態宣言」を出すにしても、「こういう状況になると思われる為、〇月×日までには解除できる見込みです」という予定が立つ筈。
筆者は、天邪鬼です。斜め方向から物事を見る癖があります。
故に、何か「宣言出して、減るまで待って、減ったら”宣言の効果で減った”と言い張ろう」みたいな腹を感じてしまう。
責任追及は嫌だが、手柄は欲しい。
特に「今の日本政府」からは、こういう雰囲気を強く感じてしまうのです。
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最近、「人流抑制に意味はない」との論調が強くなっています。
政府分科会の尾身氏も、同様の発言を表立ってする様になりました。
toyokeizai.net(2021/9/27)
www.asahi.com(2022/1/19)
今迄「人流抑制」と言っていた専門家さんは、この話を聞いてどう思うのか?
「人流抑制は間違っていた」とも、「人流抑制は正解だから、続けるべき」との声も、どちらもあまり聞こえない。
つまり、反省がない。良し悪しの分析をしていない。
今の行政上層部には、いわゆる「PDCA」が機能していませんね。
「処分や責任追及を避けたい腹」しか見えません。
これでは、仕事が上手くいかない筈。
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