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手作り&裏読み&日替わりブログ

【災害の話】津波と呼んでいいものかどうか…?

昨夜から本日にかけてのニュースは、この話題一色でした。

「南半球のトンガ近海で、海底火山が大噴火」
「噴火の影響で発生した津波が、環太平洋地域に到達」

www.asahi.com(2022/1/15)

 

南太平洋のトンガ諸島で発生した大規模な海底火山の噴火について、防災科学技術研究所火山研究推進センターの中田節也センター長(火山地質学)は「噴煙が最大2万メートル(20キロ)近く、半径260キロにも広がっており、1991年のフィリピン・ピナトゥボ火山の噴火と似ている。噴火規模を0~8で示す火山爆発指数(VEI)も同じ6程度の可能性がある」と指摘した。

https://www.asahi.com/articles/ASQ1H75PSQ1HULBJ00C.htmlより。改行等は筆者によるもの。以下同じ)

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(「噴火」イメージ画像:https://pixabay.com/ja/photos/%e6%ba%b6%e5%b2%a9-%e3%82%b9%e3%83%88%e3%83%ad%e3%83%b3%e3%83%9c%e3%83%aa-%e7%81%ab%e5%b1%b1-1523804/

 

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今回の話で特筆すべきは、
「噴火後、気象庁からは”日本に影響なし”との発表があった」
「時間が経過し、津波が日本へ到達した後で、全国一斉に津波警報が出た」
という異常事態です。

 

先ずは、噴火後に発表されたニュース。

日付は、2022年1月15日の19時11分です。

www3.nhk.or.jp(2022/1/15)

気象庁によりますと日本時間の15日午後1時10分ごろ、南太平洋のトンガ諸島で大規模な火山噴火が発生しました。

この噴火について気象庁は、日本への津波の影響を調べていましたが、午後7時すぎ「日本では多少の潮位の変化があるかもしれないものの被害の心配はない」と発表しました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220115/k10013432701000.html

 

上記ニュースが発表されてから、約5時間後。

「被害の心配はない」から急激に方向が変わり、日本の広範囲に津波警報が出ました。

下記記事は、その第一報。日付は、2022年1月16日の0時55分です。

www.asahi.com(2022/1/16)

気象庁は南太平洋のトンガ諸島で15日午後1時10分ごろに起きた大規模噴火の影響で、16日午前0時15分ごろ、奄美群島・トカラ列島に津波警報、北海道の太平洋沿岸や伊豆諸島、小笠原諸島、沖縄本島など太平洋沿岸の広い地域に津波注意報を出した。

気象庁によると、鹿児島県奄美市で1・2メートル、岩手県久慈市や和歌山県御坊市、高知県土佐清水市などで0・9メートル、茨城県大洗町で0・5メートル、千葉県銚子市で0・3メートルの津波が観測された。奄美群島・トカラ列島では最大3メートルの津波のおそれがあるとしている。

https://www.asahi.com/articles/ASQ1J04M5Q1HUTIL03Y.html

 

この警報を受け、対象地域の人々は対応に追われました。

真夜中の話で大変でしたが、東日本大震災の光景を覚えている方は多かった。迅速に避難行動を開始し、車の渋滞が起きたら歩いて高台を目指す。そういう光景が見られました。

 

 

この記事を書いているのは、2022年1月16日の19時頃です。

現在までに、日本各地に発せられた津波警報・注意報は解除されました。

幸いなことに、津波による大きな被害は報じられていません。船が転覆したり、避難中に怪我をされた方がいるという話はありますが、東日本大震災の様な大規模被害は報告されていません。

 

が、被害に遭われた方にとっては、小さくないアクシデントでしょう。心よりお見舞い申し上げます。

行政の担当窓口に行けば、何かしらの援助は受けられるでしょう。その際、必ず「被害の様子」を撮影しておきましょう。被害の様子が分かれば、スムーズに助けて貰える筈ですから。

 

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今回の話で特筆すべきことは、上記「警報関連話」の他に、もうひとつあります。

それは、「本当に津波と呼んでいいものかどうか、よく分からない」と、気象庁を始めとする専門家達が困惑していることです。

www.fnn.jp(2022/1/16)

www.asahi.com(2022/1/16)

「若干」としていた潮位の変化が、なぜ5時間後には「津波警報」を出すまでになったのか。なぜ「津波」と明言できないのか――。南太平洋のトンガ諸島での大規模噴火による潮位の上昇をめぐり、気象庁は16日未明に開いた緊急の記者会見で、これらの判断の経緯を説明した。そこで語られたのは、未知の現象への戸惑いだった。

「津波と言ってよいか、ちょっとわからない」


宮岡企画官は「防災上の観点から対応を呼びかけた」と話しつつ、こう強調した。

「今回の潮位変化は通常の津波とは異なると考えている。私たちも今までこういった現象は確認していない」

その一つが、外国の津波の観測点で大きな海面変動がないことだ。米・サイパン島など、火山から北西にある日本への津波の経路になると想定される観測点での潮位の変化は、0・1~0・3メートルだった。

火山からより離れた日本の方が潮位の変化は大きいが、「原因はわかっていない」と言う。

https://www.asahi.com/articles/ASQ1J2W63Q1JUTIL006.html

 

今回の津波は、これまでの発生メカニズムとは異なる経路で襲ってきた。故に、気象庁は早めの警報を出せなかった。これが、今分かっている事情です。

これから分析が行われる筈。気象庁には、新たな知見を得て頂きたい。

 

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なお…

ネットの反応や各種報道を見るに、気象庁への批判は少ない様子。そこは好ましいと考えます。

「何だかよく分からないものに対しては、ガードを上げる」というのが、危機管理の常道ですから。

 

今回の津波警報は、後で考えれば「やり過ぎ」だったのかも知れません。

しかし、知らないものを知らないと明言し、後で批判される可能性もあるのに警報を出した気象庁は、勇気ある呼びかけをした。これは間違いないでしょう。

 

ただ、次に同じ様なことが起きた時、今回と全く変わらない様子だと…批判の声は強くなります。

そうならない様に、気象庁職員の方は頑張ってくださいませ。

 

 

--------------(記事了)--------------