~今週のお題「秋の歌」より~
「秋の歌」といっても、いろいろありますが…
今思い浮かぶのは、童謡「しょじょじのたぬきばやし」ですね。
漢字で書くと、「証城寺の狸囃子」。
この曲。現在放送中のNHK連続テレビ小説、『カムカムエヴリバディ』にも縁のある童謡です。
www.nhk.or.jp(2021/11/14閲覧)
『カムカムエヴリバディ』では、昭和時代に人気を博した「NHKラジオ英会話番組」が重要な役割を占めています。その英会話番組のオープニングテーマが、「証城寺の狸囃子」のメロディなのです。
(さすがに歌詞は変えてありますけど)
www6.nhk.or.jp(2020/7/28)
タイトル「カムカムエヴリバディ」について
かつて終戦直後の日本を席けんした平川唯一(ひらかわ・ただいち)講師のNHKラジオ英語講座・通称「カムカム英語」のオープニング曲のタイトルです。
「証城寺の狸囃子」のメロディーにのって、「カム♪カム♪エヴリバディ♪~」の歌が始まると日本中の子どもからお年寄りまでくぎづけになり、明るい声に励まされました。
(https://www6.nhk.or.jp/nhkpr/post/original.html?i=24566より。改行等は筆者によるもの)
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『証城寺の狸囃子』は、アニメ『まんが日本昔話』等でも取り上げられた、有名なお話。
タイトルの通り、「お寺で、狸がお囃子を披露する」という内容です。「お囃子」とは、太鼓や笛を使ってメロディを奏でたり、踊ったりする行為。パレードみたいなモンですね。
(ここで注意事項。筆者は「話のネタバレ」には気を遣います。が、「古い昔話に、ネタバレも何もない」とも考えていますので、以下には『証城寺の狸囃子』のネタバレ記述があります。気になる方は、次節まで読み飛ばしてください)
この『証城寺の狸囃子』。『分福茶釜』と並ぶ狸系の有名な話です。
千葉県木更津市に実在する浄土真宗の寺院、「證誠寺」に伝わる伝説がベースになった話。
證誠寺では、現在でも10月に「狸まつり」を行っていることで知られています。
(2021年は中止ですが)
shojoji.net(2021/11/14閲覧)
shojoji.net(2021/11/14閲覧)
その昔。證誠寺は林に囲まれた寺院であり、近くに「狸の集団」が住んでいたそうで。
日本の昔話に登場する狸といえば、腹を太鼓の様に叩いて鳴らす「腹鼓(はらつづみ)」が定番。
證誠寺の狸も同様。腹鼓で住職を驚かせてやろうと、秋の夜にビートを刻みまくり。
その音を聞いた證誠寺の和尚さん。驚くどころか「ワシも参加させい」と、得意の三味線で参加。
負けじと頑張る狸たちでしたが、「無理をした一匹が死亡」という悲しい事故が発生。それを供養したのが、證誠寺の狸塚であると伝えられています。
tokyo-bay.biz(2021/11/14閲覧)
童謡や昔話の『証城寺の狸囃子』は、死者(死狸)が出るところまでは描いていません。
子供向きの作品ですから、テイストを軽めにしたのでしょう。
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この「狸囃子伝説」を、現代風に解釈すると…
どこか「MCバトル」と似たものを感じますね。
「MCバトル」は、「ラップバトル」ともいいます。
簡単に表現すれば、「ラップ(HIPHOP)の形式で、口喧嘩する」というもの。
ただ単に汚い言葉を並べるだけ…では駄目。高評価を得る為には、リズム感や言葉のセンスの良し悪しが問われる。そういうイベントです。
「狸囃子伝説」は、「秋の夜に行われた、人vs狸のバトル」と言えなくもない?
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