自民党の総裁に選ばれた、岸田氏。
自民党内の主要ポストを組み上げた後、正式に内閣総理大臣に就任。岸田内閣が発足しました。
www.sankei.com(2021/10/1)
www3.nhk.or.jp(2021/10/5)
しかし、今回の内閣は、かなり寿命の短い内閣になる恐れが大きい。
と申しますのは、衆院選がすぐそこまで来ているからです。
発表されたスケジュールは、公示が10月19日。投開票が10月31日。
www3.nhk.or.jp(2021/10/5)
コロナ禍の混迷が影響して、次の衆院選は荒れるという話は多い。
かなり「激戦区域」が増えるでしょう。
今の閣僚の方々も、選挙に落ちたらどうなるか分からない。
一応、
「内閣総理大臣は、国会議員に限る」
「閣僚(国務大臣)は、その過半数が国会議員であればOK」
というルールが憲法に書いてあります。故に、総理以外のポストであれば、選挙に落っこちても就任可能です。
しかし、選挙に落ちるということは、有権者からクビキリ宣告を受けたということ。そんな人を大臣にすれば、ツッコミを喰らいまくります。故に、再登板は難しい。
また、現与党が選挙で勢力を減らした場合、内閣の面々も変わるのが普通。
選挙前の内閣に魅力を感じたのであれば、与党が勢力を維持するか伸ばすワケですからね。勢力が減ったならば、「今の与党は駄目」という判断が下されたということ。同じ陣容では、政権運営は厳しい。
上記の様な理由から、今の岸田内閣がそのまま存続というのは、困難である。筆者はそう考えます。
同じ事は、与党内部の人事(自民党幹事長などの、主要ポスト)にもいえますね。
重要なのは、衆院選の結果です。
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で、その衆院選なのですが…
先程も申し上げましたが、筆者は「荒れる」と考えています。
主な理由は、以下の2つ。
(1)説明への不信感
要は、政治家の説明を見聞きして、「説明が分かり難い」「マトモに説明する気がない」と、見ている側(有権者)に認識されてしまったこと。これがデカイ。
一時期、「ご飯論法」と揶揄されていましたが、菅政権末期まで姿勢が変わらなかった。
特に「仮定の質問には答えない」というのは悪手です。政治家は、「もしこうなったらどうしよう」という仮定を前に、対策を打つのが仕事です。質問を拒否することは、仕事を放棄していると見做される。
また、「もし○○になったらどうする?」という質問に対し、「○○にならない様にする」と答える場面も多かった。
この後、政治家の言った通りに事が進めば、「ああ、ちゃんとやってくれている」と安心できます。が、そうではない場面が目立ちました。
加えて、思惑が外れた場合でも、「原因追及」や「責任者への適切な処罰」がなかった。これは、信用低下材料にしかならない。
有権者に「何を問われても、マトモに答えないんでしょ?」と思われている為、演説を聞いて貰えない恐れが大きい。
こうなると、いくらバラ色の公約を掲げても、全く信用して貰えない。それどころか、「この程度で有権者が騙される…と思っているのか?」という解釈をされて、反感を買いかねない。
この図式は、炎上商法と同じです。「どうせマトモな答えは出ない」と思われたら、ちょっとやそっとで挽回不能。挽回には、数年以上の時間がかかるでしょう。1ヶ月やそこらで、どうなるものでもない。
(2)不祥事を起こした者や、犯罪者が多い
「適材適所とは言うものの、過去の言動を見るに、とてもそういう人には見えない」
…こういう人が要職に就く。政治あるあるです。今回も同様。
先ずは、自民党幹事長の甘利氏。
この方、過去に「経済関連の特命大臣」を務めていました。が、就任中に「賄賂&口利き疑惑」が報じられ、なぜか急に体調不良で入院&説明拒否。現在に至っても、疑惑内容をマトモに説明せず。
「私は知らなかった」というのが甘利氏の主張ですが、「自分のことも不十分な方が自民党の権力を握っていいのか?」と、多方面からツッコミを喰らう始末。
まだ何もやっていないのに、既にプチ炎上へ。
bunshun.jp(2021/10/2)
www.bengo4.com(2016/1/21)
mainichi.jp(2021/10/1)
自民党の岸田文雄総裁が、党役員人事で幹事長への起用を決めたのは甘利明税制調査会長(72)だった。
二階俊博氏(82)の後任になる幹事長は党の権力を握るとも言われる重要ポスト。
甘利氏は2016年に「政治とカネ」の問題で第2次安倍政権の経済再生担当相を辞任した経緯などもあり、起用を疑問視する見方も出ている。
(https://mainichi.jp/articles/20211001/ddn/041/010/019000c)
次に、組織運動本部長の小渕優子氏。彼女も甘利氏と同じく、大臣経験者です。
氏のあだ名は、「ドリル姫」とのこと。これは、不正会計その他でガサが入りそうになった時、なぜか・金属用ドリルで念入りに・パソコンのハードディスク(記録媒体)を破壊した…というエピソードから来ています。
これ、傍から見れば「隠蔽工作」にしか見えません。
www.news-postseven.com(2021/10/4)
www.daily.co.jp(2021/10/2)
また、「少子化・地方創生・女性活躍」の担当大臣に就任した、野田聖子氏。
この方、「配偶者が、元暴力団関係者である」と、裁判所に認定されている方です。先の総裁選の段階で、周囲にツッコミを喰らっていましたが…。
その方を大臣に据えるとは、岸田氏の考えが分からない。
www.dailyshincho.jp(2020/5/6・12)
岸田氏本人にも、説明不足な話はあります。
自身の選挙区である広島県。そこで起きた「自民党の河井夫妻による、選挙買収事件」の話です。
www.chugoku-np.co.jp(2021/10/6閲覧)
www.chugoku-np.co.jp(2020/12/10)
夫である河井克行氏は、法務大臣をやった人。「法務大臣が買収事件の犯人」というのは、不祥事の枠を超えている。
「なぜそんな人を大臣にしたのか?」という質問に、現与党は答えていません。岸田総理も同様。原因を調べていないので、再発防止策も出ず。
こういう面子に囲まれた、岸田総理。普通に考えて、「信用しろ」と言う方が無茶です。
今回の人事が、「自民党の弱体化フラグ」に見えてくる。
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この様に、現与党勢力にツッコミ所が多いのは明白ですが…
かといって、「野党勢力に魅力的なものがあるか?」といえば、返答に困る。
選挙のあるべき姿は、「魅力的な人に投票する」という前向きなものです。
しかし、現段階では「悪い奴・嫌な奴に入れない」という後ろ向きなものになりつつある。
この流れ。正直言って、筆者は歓迎しません。
ただ、今の日本の状況は、「もう、後ろ向き選挙しかない」というところまで追い詰められている。そう認識しています。
どちらにせよ、「自分の頭で考えて、投票する」ということが重要である。これは変わらない。
「皆が入れるから」「見た目がかっこいいから」「芸能活動をやっていたから」等々、筋の通らない曖昧な理由で投票するのはNG。政治活動に関する情報を自分で集め、自分の判断で投票する。これが大事です。
自分の頭で考える人が増えれば、組織票のパワーが弱くなります。そうなれば、選挙が荒れます。実は、それが「選挙のあるべき姿」なんです。
次の衆院選は、「あるべき姿を追求できる、最後のチャンス」かも知れない。
新型コロナ騒動等で、世の中は乱れています。この混乱下ですら無風選挙となれば、「考えることを放棄した有権者が大半」ということになる。
そうなれば、もう政治家のやりたい放題です。「消費税50%」なんかも、平気でやりますよ。それでいいのですか?
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