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【不動産バブルの話】中国の恒大集団が、「日本のバブル崩壊」と酷似している理由

ここ最近、中国の「恒大集団(こうだいしゅうだん)」の話が、ニュースで頻繁に流れています。

読者の皆様も、どこかで見聞きした名前では?

 

恒大集団の「集団」とは、いわゆる「グループ企業」のこと。

このグループは、元々「不動産会社」だけでした。ですが、事業規模が大きくなるにつれ、多角経営に手を伸ばします。

現在は、不動産業の他に「自動車製造」「ミネラルウォーターの販売」「プロサッカーチームの運営」等々、大規模&手広い活動をしています。

 

この恒大集団が、ニュースで取り上げられる理由。

それは、「経営が危機的状況に陥っている?」という疑惑の為です。

要するに、倒産のニオイがプンプンしているのです。

news.tv-asahi.co.jp(2021/9/25)

 

経営危機に陥っている中国の「恒大集団」が、投資家と話し合いを始めたほか、一部の地方政府も事態の収拾に乗り出しました。

 

抗議する投資家:「恒大は金融詐欺だ。政府よ解決して下さい」

恒大集団を巡っては、販売した金融商品に対する利払いが滞り、投資家らが抗議活動を続けています。

こうしたなか、安徽省では恒大集団側と投資家の話し合いがもたれ、利払いなどの交渉が始まりました。

 

一方、広東省では地方政府の建設局が恒大集団に「収入のすべてを送金せよ」と指示する通知を出すなど、事態の収拾に向けた動きも出始めています。

https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000229967.htmlより。改行等は筆者によるもの)

 

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恒大集団が危機に陥った図式は、「日本のバブル崩壊」によく似ています。

今から30年程前。1990年前後の話です。

 

日本の経済は絶好調。

土地は高騰し、日経平均株価は歴代最高値(1989年12月29日の、3万8915円)をマーク。

 

就職口も選び放題。

企業によっては、「就職希望者を逃がさない為に、費用は会社持ちで、希望者を海外旅行に連れていく」という離れ業までやる始末。

 

「Japan as No.1」との呼び声もあった、そんな時代。

今日では「バブル期」と呼んでいます。

www.jiji.com

 

そのバブルが崩壊し、日本が大ダメージを喰らい、20年以上もの経済低迷期に入った理由。その切っ掛けは「不動産取引の規制」でした。

当時は、不動産取引を投資として見ている人が多かった。「借金して不動産を買っても、必ず値段は上がるから儲かる(俗にいう土地神話)」と考え、身の丈に合わない借金にまみれて不動産取引をする人や企業も多かった。

そういうマネーゲーム的な取引が横行し、日本の不動産価格は制御の効かない「青天井」に膨れ上がっていきました。

 

その状況を問題視した日本の大蔵省(現・財務省)は、日本の金融機関に「不動産取引に対し、金を貸し過ぎるな」というお触れを出します。

いわゆる「総量規制」というヤツです。不動産取引を締め上げたのです。

 

このお触れが効きすぎて、「借金をして不動産を買い、上がったら売って儲ける」という商売が困難になります。

「早く売らないと、売れ残ってしまう」と焦った不動産投資家は、少しでも早く売る為に値引きに応じます。そういう人がどんどん増え、不動産価格は暴落。その影響は、株式市場等の他方面にも波及しました。

 

あっちこっちで経済の歯車が狂い、関係者が破産したり、企業が倒産するという事態が増加します。

そうやって日本経済はボコボコになり、日本は貧乏になってしまいました。

 

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恒大集団の話は、上記の「日本のバブル崩壊」と酷似しています。

 

中国では、長らく「不動産取引」という概念がありませんでした。

中国は、中国共産党による社会主義国家。かつては政治と経済を全て国が管理し、住民は「国から与えられた居宅」に住むのが普通。不動産市場というものが存在しなかった。

しかし、中国が改革開放路線に舵を切り、徐々に市場経済へ移行。不動産取引も解禁されます。(土地に関しては所有権を持てず、借地権だけですが)

そこで頭角を現したのが、「恒大」という不動産会社。凄まじい勢いで成長し、一大グループ「恒大集団」を形成。今日に至ります。

 

中国の不動産取引が活発になるにつれ、不動産は「住むモノ」ではなく「投資対象」になっていきます。

自分が住む家の他に、多数の「売買目的物件」を所有することが当然になり、市場は過熱。どんどん家の値段は上がっていく。

 

そこに危機を感じたのでしょう。中国共産党政府は、かつての日本と同じく「総量規制」をかけます。

「不動産は、住むモノだ。金儲けの道具ではない」として。

www.nikkei.com(2020/12/31)

中国の金融監督当局は31日、2021年1月から銀行の住宅ローンや不動産企業への融資に総量規制を設けると発表した。

 

銀行の資産規模に応じて、総融資残高に占める住宅ローンなどの残高の上限比率を定めた。

新型コロナウイルス対策の金融緩和により一部都市で発生した不動産バブルへの対応を強める。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM311LA0R31C20A2000000/

 

この規制が、不動産市場にブレーキをかけ、関係者に大きな影響が出てきました。

恒大集団は、その中で「最も早く・目に見える影響が出始めたグループ」です。

 

この図式、日本のバブル崩壊と同じ。

今後、恒大と同じく「危険視される組織」が大量発生するかも知れない。

いや、もう既にニュースになっていますね。同じく中国の大規模不動産業者「融創中国」にも、経営危機説が出ています。どこまで広がるのやら。

jp.wsj.com(2021/9/29)

 

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経済は、よく生物(いきもの)に例えられます。

「得体が知れない」「容体が急変する」という意味を込めて。

 

今回の恒大問題について、経済学者の意見は分かれています。「そんなに大騒ぎにはならないだろう」と言う人も、結構いる。

しかし、経済は生物。何がどうなるか、得体が知れない。楽観視するのは危険です。

加えて、今回の騒動は「隠蔽が超得意である中国共産党」のテリトリー内で起きている話。新型コロナ騒動と同じく、何がどうなるか分からない。

 

筆者は貧乏人ですから、株式や債券を持っているワケではありません。

ただ、もしそういうものを保有していたならば、早めに決済して様子見に入ると思います。

 

筆者はビビリです。

まぁ、自然界では臆病な者ほど長生きするんですけど…ねぇ。

 

 

--------------(記事了)--------------