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【新型コロナワクチンの話】突貫工事の末

先日、かなりのトンデモニュースを発見しました。

その内容は、「医者が、自分の手を刺した注射器を使って、新型コロナウイルスのワクチン接種を行った」という話。

www3.nhk.or.jp(2021/8/29)

www.kyoto-np.co.jp(2021/8/29)

www.asahi.com(2021/8/29)

www.yomiuri.co.jp(2021/8/30)

 京都府南丹市は29日、新型コロナウイルスワクチンの集団接種で、医師が自分の指先を刺した注射器を、同市の40代の男性に使用するミスがあったと発表した。

男性は感染症を調べるための血液検査を受け、現時点では問題は確認されていないという。


市保健医療課によると、集団接種は28日に市国際交流会館であった。

60代男性医師が注射器の針先に誤って指を刺したが、そのまま男性に接種をした。男性が医師の出血に気付き、経過観察中に市職員に知らせてミスが判明した。

https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/627877より。改行等は筆者によるもの。以下同)

 

 

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このニュース。伝えるメディアによって、書き方が多少異なります。が、多くの情報源で共通しているのは…

接種を受けた一般市民が、市の職員に「あの医師、手から出血していた」と伝えて、発覚した

…という内容です。

 

怪我をした医者本人ではなく、注射を受けた側が「何かおかしい」と気付いた。これ、「相当分かり易く出血していた」ということですね。

そこまでハッキリと血が出ていたら、怪我した本人が気付かないとは思えない。

 

しかし、医者は作業を止めずに続けた。これ、大問題です。いわば、「注射器の使い回し」をやったに等しい。

血液感染する病気は、沢山あります。空気感染や飛沫感染では広まらないウイルス等も、注射器の使い回しをやれば感染してしまうことは多々あり。

有名なところでは、B型肝炎の話がありますね。昔の日本にて、注射器の使い回しが原因で感染拡大。未だに苦しんでいる方が大勢いて、近年になりやっと救済制度が出来たという事件です。

www.jiji.com(2021/4/26)

 

ここまで大きな事件があったのです。

「危険だとは知らなかった」等の言い訳は、通用しない。

 

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ただ…

今回の事件を見るに、「やらかした医者ばかりを責めても仕方ない」と思える側面もアリ。

なぜならば、「全国各地で、似た様な話が続いているから」です。

ザッと見ただけでも、愛知・兵庫・滋賀等で、同様の報告アリ。

www.ctv.co.jp(2021/6/19)

www.kobe-np.co.jp(2021/6/24)

www.kyoto-np.co.jp(2021/7/4)

 

冒頭で取り上げた”京都府南丹市の事例”を見ると、「事故が発生した時にどうするかを、考えていなかった」という情報があります。

同会場での接種は厚生労働省の手引きを元に進められていたが、市の担当者は「接種ブースで事故があった場合の具体策は定めていなかった」と説明。

 

西村良平市長は会見で謝罪し、「注射器の二度使いはあってはならず、もし間違いがあったらただちに接種をやめると、職員で意思統一した」と話した。

https://www.asahi.com/articles/ASP8Y6QV9P8YPLZB00B.html

 

異常を異常として処理せず、隠蔽に走る医者は言語道断。これは間違いない。

しかし、今回のワクチン接種では、運営側(自治体)が「アクシデント発生時の対応」を考えていなかった。

全国各地で、注射器の使い回しによる騒ぎが発生しているのに、事故発生を想定していないのは迂闊です。反省点ですね。

 

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まぁ、この問題を辿っていくと、最終的には日本政府にブチ当たるのですけど…ねぇ。

 

ワクチン接種を、突貫工事状態で進めている元凶は、日本政府。

特に今の自民党・菅政権は、新型コロナウイルス対応の穴が多過ぎて、支持率ダダ下がりです。故に、「やりました」というアピールが容易で、実際に効果があるとされるワクチン接種を進めている。

 

ただ、余りにゴリ押し感が強い為、実施する地方自治体は困惑しています。

「国から提示されたスケジュールがコロコロ変わり、現場が揺さぶられている」という記事を何度か見ました。

現場を不安定にさせる司令塔。これでは事故も起こるでしょう。

www.yomiuri.co.jp(2021/8/9)

新型コロナウイルスワクチンの接種で府内の市町村は、今春の開始当初から、二転三転する国の方針に翻弄されていた。

 

京都市では順調に進んでいた高齢者や64歳以下の市民への接種計画を、6月末になって大幅に見直す必要に迫られた。

その背景にも、国の計画の不確実さがあった。

医療政策に詳しい美馬達哉・立命館大先端総合学術研究科教授の話

 

「新型コロナワクチンの接種事業では、厚生労働省や内閣府、大規模接種を担った防衛省が連携の悪い『縦割り主義』にとらわれて融通がきかず、柔軟な政策がとれていない。

都道府県や市町村も、あらかじめ決められた枠組みでは実力を出せるが、余力がないので、想定外の事態に直面すると身動きができなくなる。

時間が限られた中での作業量が膨大な事業では、国や地方自治体が十分に力を出し切れないという実情が、改めて浮き彫りになっている」

https://www.yomiuri.co.jp/local/kyoto/news/20210808-OYTNT50106/

 

仕事は、段取り八分。きちんとした段取りが組めていれば、後は自然にうまくいくものです。

逆に考えれば、国レベルでゴタゴタして、まとまっていない計画を現場に丸投げしたら、高確率で失敗する。

注射器の使い回しは、その一例です。

 

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新型コロナウイルスへの対応は、早いほどいい。

しかし、粗のある突貫工事で仕上げても、長持ちしない。後で大問題が発生し、その釈明に時間を取られて仕事が遅れます。

「いずれにしても大丈夫」「安全安心」の決まり文句で、ゴリ押すことは出来ないのです。

 

恐らく、自民党・菅政権は「選挙が近いから、焦っている」のでしょう。

選挙日までに、アピールポイントを作らねばならない。ワクチン接種回数を増やして、アピールポイントに使うつもりでしょうねぇ。

頑張ろうという姿勢はよいと思いますが、事故が絶えないのでは意味がない。「政府は打てと言った」「計画が達成されないのは、地方自治体が悪い」とでも言おうもんなら、評価は大幅マイナスですし…。

 

現場の苦悩を、政府のトップが、本当の意味で認識するべきでしょう。

残念ながら、今の政府の認識は甘い。

更なる大事故が起きる前に、考えを改めて頂けるとよいのですが。

 

 

--------------(記事了)--------------