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【ファスト映画の話】バイトのつもりが共犯者。1000万円の賠償が…

当ブログでは、以前「ファスト映画」「ファストシネマ」の話を記事化したことがあります。

アップ日は、今年の6月26日。

tenamaka26.hatenablog.com

 

「ファスト映画」とは、「YouTube」等の動画サイトで蔓延しているもの。簡単に言えば、「長編映画の内容を切り貼りして、短時間でまとめた動画」です。

2時間程度の映画を、10分前後の短時間でまとめたものが多い。

その10分前後の中に、粗筋だけでなく「結末のネタバレ」まで含まれている動画もあります。

故に、「ファスト映画」を見れば、本編を鑑賞しなくても内容が分かる。

 

この手軽さがウケたのか、一時期は「ファスト映画をアップするYouTubeチャンネル」が多数出現。

多くの映画がまとめられ、配信されていました。

 

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しかし、ここ最近は「ファスト映画をアップするYouTubeチャンネル」が激減。

未だに残っているチャンネルも存在しますが、最盛期に比べれば8割減といったところでしょう。

 

なぜ減ったのか?

その理由は、逮捕者が出たからです。容疑は、著作権法違反

ファスト映画製作者は、著作権保持者の許可を取らず、勝手に元ネタを切り貼りして動画を作っていた。その為、逮捕されました。

www.asahi.com(2021/6/25)

映画を無断で短く編集した「ファスト映画」と呼ばれる動画を「YouTube」に投稿したとして、20~40代の男女3人が著作権法違反容疑で逮捕された。

 

昨春からネット上に広がったファスト映画。被害額は900億円超と推計される。

巣ごもり生活の中、思わず視聴した人もいるかもしれない。

https://www.asahi.com/articles/ASP6S6WS9P6SUTIL00V.htmlより。改行・強調等は筆者によるもの。以下同)

 

初の逮捕者が出たのは、今年の6月。

その報を受け、多くのファスト映画チャンネル運営者が、脱兎の如く逃げ出した。

これが、チャンネル減少の顛末です。

 

まぁ…

今更逃げても、アップした記録は残っているものです。

被害を受けた著作権者だけでなく、警察もデータを収集しているでしょう。

ファスト映画の制作者は、多くが「広告収入目当て」で活動していた筈。当然、YouTube側には氏名・連絡先・報酬振込先…等の情報を伝えている。

今後、順番に警察がやって来るんでしょうねぇ。

 

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この「ファスト映画の違法性」について、新たなニュースが報じられました。

内容は、「ファスト映画の製作を主導したのではなく、アルバイトとして手伝った者にも、損害賠償請求が行く」というもの。

www.jiji.com(2021/8/26)

 

映画を10分程度に無断編集し、結末を明かす「ファスト映画」の製作者5人が著作権法違反容疑で摘発された事件で、ナレーションを担当した川崎市在住の20代のアルバイト男性が、映画会社のうち1社と1000万円超の賠償金を支払うことなどを条件に和解していたことが分かった。

男性は26日、取材に応じ、「暗黙の了解で見逃してもらえると、甘い認識を持っていた」と悔やんだ。

 

男性は札幌市の無職高瀬拳也被告(25)=著作権法違反罪で起訴=らと共謀し、「アイアムアヒーロー」などの映画4本を編集した違法動画を無断でユーチューブに投稿したとして、7月に宮城県警に書類送検された。

 

ゲームに関するチャットで親しくなった高瀬被告から依頼され、2019年12月から半年余りで約70本のナレーションを録音。計約10万円の報酬を受け取ったという。

https://www.jiji.com/jc/v4?id=202107fehh0001

 

10万円の報酬で請け負ったアルバイト。

そのツケが、1000万円の損害賠償としてハネ返ってきた。100倍返し。

全く笑えない話です。

 

上記引用の時事通信記事では、「どういう顛末で損害賠償の話になったのか?」について、そこまで詳細に書かれていません。

主犯が「映像を加工する」「弁護士に問い合わせたから大丈夫」と言ったので、請け負った。それだけです。

記事を読み、普通に考えてみれば、「アルバイト男性も騙された側」の様な気がしますが…どうも違う様子。その辺を、もう少し掘り下げる必要がありますね。

 

現時点でハッキリ言えるのは、「ファスト映画の製作には、直接・間接を問わず、近寄らないことが賢明だ」ということ。

君子危うきに近寄らず。

f:id:tenamaka26:20210828213645j:plain

(イメージ画像:https://www.pakutaso.com/20150320065post-5246.html

 

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なお、未だにファスト映画チャンネルを運営している方の中には、

「”コンテンツID”という仕組みを使っているから、違法ではない」

と仰る方がいます。

support.google.com(2021/8/28閲覧)

 

コンテンツID(コンテンツ・アイディー)とは、「YouTube運営側が提供する、著作権関連サービス」のこと。

このサービスを使えば、著作権管理をスムーズに行える。こういう謳い文句で提供されているシステムです。

 

ただ、「コンテンツIDを使っても、違法性が無くなるワケじゃない」と警告する専門家もいらっしゃいます。

www.jiji.com(2021/7/1)

「DVDの映像を無断投稿した時点で違法になるのでは」。

記者が問い掛けると、男性は「自分の広告収益のうち、半分は『コンテンツID』という仕組みで配給会社側に支払われており、合法だ」と反論。

宮城県警による摘発報道以降、自身のアカウントには批判的なメッセージが相次いで寄せられたと不満を漏らし、

「配給会社に収益が支払われることで、(合法との)お墨付きを得ているはずだ」

と納得がいかない様子だった。

 

専門家に見解を聴いた。

知的財産に詳しく、警察の捜査にも協力している中島博之弁護士は

「配給会社に収益が渡ったとしても、正規のライセンス契約ではなく、直ちに合法とは言えない」

と指摘。

「DVDのコピーガードを回避して映像を複製した時点で違法。巨額の損害賠償を請求される可能性もある」

と説明した。

https://www.jiji.com/jc/v4?id=202107fehh0001

 

コンテンツIDは、あくまでYouTube側が提供するサービス。

著作権法を始めとする各種法律は、日本国政府が施行した法律。

天秤にかければ、どちらが重いか?

 …言うまでもありませんね。

 

現在、強気でファスト映画チャンネルを運営し続けている方は、よく考えた方がいいでしょう。

これからファスト映画チャンネルを運営しようと思っている方は、「きちんとした法的手続き」が出来る様になってからにしましょう。

ファスト映画チャンネル関連のアルバイトに誘われた方は、先ず「絶対大丈夫」という根拠を探すことから始めた方がいい。相手の言葉を鵜呑みにすると、100倍返しを喰らいかねません。

 

怪しいものには、近付くなかれ。

 

 

--------------(記事了)--------------