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【マンガの話】DaiGo氏に読ませたい漫画

自称メンタリスト「DaiGo」氏による、ホームレス&生活保護&低所得者を馬鹿にした発言。そして、その後の大炎上騒動。

本人さんが、表立った行動を完全に停止。現在は「有料会員向けの動画更新」くらいしか行っておらず、話が片付かない状態で放置されています。

今のところ、鎮火したわけではなく「再点火の待機状態」だと思われます。何かあれば、簡単に燃えるでしょうねぇ。

 

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今回のDaiGo炎上騒動には、様々な側面がありますが…

その中に、「生活保護」の話が絡んでいますね。

「生活保護に使うカネがあるなら、猫の保護に回せ」「俺(DaiGo氏)より税金払ってない奴は黙ってろ」的な動画を流してしまい、大炎上しましたからねぇ。

 

後に、困窮者を保護する団体から猛抗議を受け、炊き出し等に参加したスポンサー企業の怒りを買い、DaiGo氏は姿を消しました。

DaiGo氏の認識の甘さが招いた、自業自得の結果ですが。

 

そんなDaiGo氏に、読んで欲しい漫画があります。

「生活保護」といえば、筆者はこの作品の名を思い出します。

タイトルは、
『健康で文化的な最低限度の生活』
です。

当記事では、この作品をご紹介致します。

健康で文化的な最低限度の生活(1) (ビッグコミックス)(提供:Amazon)

 

『健康で文化的な最低限度の生活』は、青年漫画雑誌「ビッグコミックスピリッツ」にて、2014年から連載中の作品です。

ついこの前、記念すべき「連載100回」の節目を迎えた人気作品で、コミックスは既刊10巻。

2018年には、テレビドラマにもなりました。主演は、女優の吉岡里帆さん。

bigcomicbros.net(2021/8/27閲覧)

www.fujitv.co.jp(2021/8/27閲覧)

 

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『健康で文化的な最低限度の生活』は、生活保護制度を担当する公務員(ケースワーカー)を主人公にした、ヒューマンドラマです。

 

主人公の名は、「義経えみる」という女性。社会人1年生の新人公務員。

少し抜けたところもありますが、仕事に一生懸命な若者です。

そんな彼女が配属されたのは、福祉保健部生活課(福祉事務所)。生活保護に関する仕事を担当している部署です。

この事務所で、えみるは「生活保護受給者の、本当の姿」を目の当たりにします。

健康で文化的な最低限度の生活(9) (ビッグコミックス)(提供:Amazon)

 

生活保護というものは、「怠けていても貰えるボーナス」ではありません。

働けると判断された人には、就労支援が施されます。福祉事務所からは、自立の為の指導が入ります。これに従わないと、最悪の場合「保護打ち切り処分」が下されます。

 

先ず重視されるのは、自立すること。

様々な事情のせいで「所得が一定水準に満たない」という状態の方を援助し、可能であれば自立して貰う。そういう制度です。

『健康で文化的な最低限度の生活』では、そういう「自立を目指す人」が、少なからず登場します。就職に成功し、地道に頑張り始めた人もいます。

 

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他方、なかなかうまくいかない人もいます。

 

筆者の印象に残っているのは、とある若い母親ですね。

夫のDVが原因で離婚し、幼い子供2人を抱えて生活するには経済的に厳しい。故に生活保護に頼るのですが、本人さんは働く気マンマン。程なくして仕事を見つけます。

 

しかし、本人も気付いていないところで、深い傷が心身に刻み込まれていました。

元夫の暴力に晒され、幼い子供を二人抱え、生活保護を受給している自分に引け目を感じ、「働け」という世間の重圧に怯える。

そういう過程を経て、その母親はPTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状が出てしまいます。

 

それでも「私、働かなきゃ」という想いから、頑張ろうとする。

その頑張りが自らへの重圧となって、色々と空回り。上手くいかない。

空回りに焦って、また頑張ろうとして、また空回って…を繰り返し、自らを追いつめてしまう。

ここまで来ると、療養が必要になります。無理を強いると、自死しかねない。

 

 

生活保護を受けている人の中には、こういう方もいる。

そして、何処の誰でも、上記「空回りサイクル」に陥る可能性があるのです。

そういう方を支えるのが、生活保護の役目です。

 

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作者の「柏木ハルコ」氏は、生活保護の現場を丹念に取材して、その情報を基に『健康で文化的な最低限度の生活』を描いたと仰っています。

フィクション作品ではありますが、下地はしっかりしている。単なる妄想や、情報不足からくる思い込みで描いたのではない。

 

この作品を見て、DaiGo氏はどういうコメントを出すのだろうか?

 

生活保護を受給する理由は、人それぞれ。

先述の「配偶者のDVから避難」とか「本人に責のない病気」等を切っ掛けにして、生活保護を受給する人は存在します。

また、最近は「コロナ禍」に見舞われた人が多い。急激な仕事の減少で、職を失った方は珍しくありません。

こういった理由は、「本人のミスが招いたこと」とはいえない。

 

そういうケースもあるのに、変な思い込みで「生活保護にカネを回すなら、猫を救え」って言っちゃったDaiGo氏。 

よく調べてからモノを言わないと、後で大変な目に遭います。人気者・影響力のある方ならば、尚更です。

変な思い込みで、一方的に決めつけた結果が間違っていた。その過ちに対する反動は大きいのです。故に、大炎上した。

 

まぁ、これはDaiGo氏に限ったことではありません。

ネットであれテレビであれ、何かしらの手段で公に発信する者ならば、皆が注意しなければならない話です。

勿論、筆者も例外ではありません。気を付けねばならない。

 

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と、DaiGo氏の話を挟み挟み語ってきましたが…

当記事は、『健康で文化的な最低限度の生活』の紹介記事でしたね。

 

『健康で文化的な最低限度の生活』は、生活保護のリアルがよく分かる名作です。

取材を基にしたフィクション作品ですから、ガチの実話ではない。しかし、エッセンスは十分に詰まっています。

生活保護を取り巻く現場は、一筋縄ではいかぬ複雑なもの。受給者だけでなく、事務管理側の公務員さんも大変。両者の苦悩が、よく伝わって来ます。

 

興味のある方は、この機会に是非読んでみてください。

きっと、得るものがある筈。

 

 

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