先日から、「メンタリスト」の肩書で活躍するタレント「DaiGo」氏の炎上騒動について、記事を書かせて貰っています。
世間では、この炎上騒動の勢いが…急速にしぼんでいますね。
まぁ、新型コロナの話題だらけで辟易していたところに、別の炎上ネタが転がり込んできたモンですから、珍しかったのでしょうか。
現在はDaiGo氏が沈黙し、追加燃料もなくなったので、この流れも理解できるっちゃあできるのですけど…ねぇ。
世の中というモノは、飽きっぽい。
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ただ、筆者が思うに…
この騒動は、早々に消していいものではない。
何故ならば、DaiGo氏の炎上騒動は、「昨今のネット社会において、問題視されているものを詰め込んだ炎上騒動」だからです。
筆者は、別にDaiGo氏を追いつめようと考えているワケではありません。
逆に、応援する気もありません。信者でも何でもないので。
しかし、「反面教師」として、DaiGo氏の存在は貴重だと考えています。
氏の言動を分析すれば、同様の騒ぎを少なくできる筈。
ネットで意見を表明する者は、誰でもDaiGo氏の様になる恐れを孕んでいます。
筆者も同様。ちょっと油断すれば、炎上する側に回るかも知れない。
そうならない為に、DaiGo氏の炎上騒動を分析する必要があります。世間が注目しなくなったからといって、完全スルーはNG。
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では、当記事の本題に。
以前、当ブログの分析記事で、「DaiGo氏のビジネスモデルは、信者を集めるものだ」と述べました。
その記事は、以下。
信者ビジネスというものは、何も宗教に限ったことではありません。様々な商売でよく見られるモデルです。
特にエンタメ系の商売では、必須と言っても過言ではない。故に、信者獲得を目指して、過激なパフォーマンスを強行する人が多いのです。
DaiGo氏も、そのひとりであった。
そして辿り着いたのは、「毒舌」「超激辛」という枕詞を使って、世の中に物申す…という芸風。
極端な芸には、炎上のリスクがある反面、物珍しいので信者を獲得し易い。そのメリットを活かして、多数の信者を得たDaiGo氏。ある意味では、成功者だといえますね。
しかし、DaiGo氏は大きな誤算をしていた。
世の中は、「信者」と「アンチ」の二要素で成り立っているのではない。「信者でもアンチでもない、それ以外の人々」が圧倒的多数なのです。
この点を忘れてしまうと、ドえらい災難に遭います。
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この「信者」でも「アンチ」でもない人々ですが、その状況は様々。
DaiGo氏を全く知らない人、
DaiGo氏は知っているが興味が無い人、
DaiGo氏のことは知っているけれど信者にはならない人
…等々。
筆者は、「知っているが興味が無い人」か、「DaiGo氏のことは知っているけれど信者にはならない人」ですね。炎上騒動が起きてからは、後者の要素が強くなりました。
DaiGo氏を直接or間接的に支えてくれる人よりも、それ以外の人の方が少ない。
これは、DaiGo氏に限らず、誰でもそうです。
アメリカ大統領レベルの有名人でも、支持でも不支持でもない人が大半です。
なぜなら、アメリカ大統領選挙の有権者は、多く見積もっても2億人超くらい。で、票は必ず割れますから、全員に支持される人はいない。
アメリカ国民以外の人々に支持される場合もありますが、現在の世界人口は70億人を超えています。もうすぐ80億に届きそうな感じ。その中で見れば、支持者は微々たるものです。
大統領レベルでも、そんな具合です。一般人は言うまでもなく、少々の有名人でも傾向は同じ。
世の中を、自分に対する「信者」と「アンチ」のみで分割することは不可能です。
ここを忘れてはいけない。
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ただ…DaiGo氏は、上記の話をスッカリ忘れていたのでしょう。
故に、「信者は、俺の話を聞け」「アンチは、頭悪くて俺の話を理解できないし、稼ぎがない貧乏人だから消えろ」という芸風でやってきた。
更に、その芸風を「生活困窮者の存在は不要」というレベルにまで持ち込んでしまった。
これは危険です。
DaiGo氏の中では、今回も「信者は賛同するし、アンチは反対する」程度だったのでしょう。
が、先述の通り、世の中は「信者とアンチ以外の人」が圧倒的に多いのです。その人々の動きを読むスキルがなければ、過激発言はNGです。やっては駄目。
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にもかかわらず、DaiGo氏は過激発言を放った。
そして、予想しなかった方向から、大きな火の手が上がりました。
どこから炎が出たのか?…といえば、自分を支えてくれる筈のスポンサー企業から。
しかも、その勢いが並外れていました。
なぜならば、そのスポンサーさんは、「生活困窮者の支援に力を入れる企業だったから」です。
DaiGo氏は、自分のスポンサーに向かって、「俺の考えが理解できないバカ」と言い放ったに等しい。
スポンサーは激怒しています。無理もない。
その結果、広告からDaiGo氏の姿は消え、スポンサーは謝罪文を出しました。恐らく、商品イメージを損なったということで、DaiGo氏に対して「違約金取り立て」の話も出るでしょう。
これを「想定内」「計画通り」と言うには、無理がある。
nomusilica-news.com(2021/8/14)
www.tokyo-sports.co.jp(2021/8/15)
スポンサーさんは、「支えてくれる者」「近しい利害関係者」であるのは間違いない。お金を出してくれるのですからね。
ですが、信者でもアンチでもないのです。
スポンサーさんは、「タレントさんのイメージを貸して頂いて、自社の宣伝をさせて欲しい」というお客様なのです。
信者でもアンチでもなく、「契約者」なのです。
世の中を、信者かアンチかで判断すると、このことを見失います。
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DaiGo氏が、真の意味で冷静に考えていたならば、近しい利害関係者の生業は勉強するでしょう。
それを、やっていなかったのでしょうね。
そうでなくとも、自身が”人格を疑われるレベルの過激発言”を放ったなら、「付き合いのある人が嫌な思いをするかも?」と考えてしかるべきです。
自分の悪評は、周囲に伝播するものです。
「あんな発言をする人と仲良しって、類は友を呼ぶってやつか?」
「あんなこと言うヤツのファンって、似た様な考えなのか?」
という印象を、世間に与えるかも知れない。
自らの言動が、自分にのみ利益・不利益をもたらすワケではないのです。
忘れがちなことですが、とても重要。
これは、有名であろうとなかろうと、皆同じです。
ただ、有名であればあるほど、反動がデカイ。年収1億円の方であれば、過激発言の反動は100億円くらいになると考えた方がいいでしょうね。
「闇の深い言動」から生じる反動は、指数関数的に増大するものです。
--------------(記事了)--------------