前回記事の続きになります。
テーマは、「メンタリスト」の肩書で活動するタレント「DaiGo」氏の、強烈な炎上騒動について。
前回記事では、「DaiGo氏は、炎上騒動について謝罪した。しかし、謝罪が世間に受け入れられて許される可能性は、ほぼゼロ」という点について、分析しました。
なぜ「可能性は、ほぼゼロ」と言い切れるのか?
その理由は、大きく分けて二つあります。
(ポイント1)炎上前~炎上発生直後に見せていた、DaiGo氏の態度や反応。及び、商売のスタイル。
(ポイント2)炎上が大規模化した後の、DaiGo氏の態度や反応。及び、過去の言動との矛盾。
(ポイント1)に関しては、前回記事で説明済み。
今回は(ポイント2)ついて、解説します。
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(ポイント2)炎上が大規模化した後の、DaiGo氏の態度や反応。及び、過去の言動との矛盾。
結論を先に言えば、コレです。
↓
「DaiGo氏は、炎上商法を狙っている」
「騒ぎを利用した金儲けを企んでいる」
…こういう風に世間から認識されている為、何を言っても説得力がない。
DaiGo氏は、「表面と内面が違う者」「腹黒いプランを練る者」だと見られているのです。こうなると、いくら謝罪したところで聞く耳を持って貰えない。
「悪いことをした」という後悔の念より、「もっと金を儲けるには?」という利己的な面しか見えない。こういう認識を喰らうと、もう最悪です。
謝っても、「本心」ではなく「打算」によるもの。
寄付しても、「罪滅ぼし」ではなく「金儲けへの布石」を狙ったもの。
こういう風に受け取られ、ますます印象が悪くなるのです。
いくら謝罪と弁解を繰り返しても、不信感が増すばかり。信頼回復が不可能なレベルへ、まっしぐら。
この認識が「世間の誤解」から生まれたものであれば、DaiGo氏を擁護すべきです。
情報不足や勘違いで、「こいつは腹黒い人間」と決めつけられたのでは、たまったものではない。
しかし、DaiGo氏の行動を観察すれば、数多の矛盾点が見えてきます。
この矛盾点が、腹黒認定の根拠となっているのです。
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例えば、こんな記事があります。
DaiGo氏が、2021年6月22日付の動画で、「差別発言をする人の特徴」について語った内容に関する記事です。
www.j-cast.com(2021/8/13)
「差別発言ってね、実は頭が悪い証拠なんですよ。IQが低い人ほど、差別的な発言をすることがわかってる」
DaiGo氏はその理由を「頭が悪い人って複雑なことや多様性を理解できない」と伝えた。そのため、例えば「学校の先生は全員クソだ」「中国人はこうだ」のように、ひとくくりにして物事を判断してしまうという。
こうした特徴を持つ人物は相手にしないほうが良いと指摘し、もし対処するのであれば「みんなの前で頭の悪さを露呈させる」のが有効だとした。
(https://www.j-cast.com/2021/08/13418220.html?p=allより。改行等は筆者によるもの。以下同)
「差別する人は、多様性を理解せず、ものごとを全部まとめて語る癖がある。そういう人はIQが低く、相手にしてはいけない」
DaiGo氏が、自ら語った言葉です。
「ホームレスは社会に不要」「生活保護を支払うのは、金の無駄」と仰るDaiGo氏は、まさに「多様性を理解しない人」の範疇ですね。
そんな者を相手にするなというのなら、DaiGo氏も相手にしてはいけない存在…となる。発言がブーメランになってます。
ちょっと考えれば、一括りに出来ない筈。
例えば、生活保護受給者。
炎上前のDaiGo氏が抱いていたイメージは、恐らく「全員が、故意に仕事をせずに、怠けている人」あたりでしょう。従って、カネを払うのは無駄となる。
しかし、病気や事故で働けなくなり、生活保護に頼る人もいる。今の様なコロナ禍で仕事を失い、生活保護を受ける人もいる。理由は多種多様であり、全員が同じ理由で受給しているという証拠は無いのです。少なくとも、筆者の知る限りでは。
2ヶ月程前の発言と、現在の発言が大きく食い違うDaiGo氏。
そういう人の発言は、信用ならない。
信用ならない人からの謝罪は、素直に受け入れて貰えません。「その場しのぎの嘘」だと思われてしまうからです。
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例えば、こんな記事があります。
当初は世間を挑発気味だったDaiGo氏が、急に態度を変えて、全面的に謝罪する旨の動画を公開しました。2021年8月14日のことです。
www.sponichi.co.jp(2021/8/14)
動画の中で、涙ながらに謝罪するDaiGo氏。
一見すると、素早く反省した風に見えます。
しかし、多数のネットユーザーによって、DaiGo氏の過去ツイートが発掘されました。
その内容が、謝罪動画の趣旨とは正反対のもので、かなりの追加燃料になっています。
譲歩を促す最終手段、それは泣き落とし。相手の心に罪悪感を生み、やがて譲歩を引き出せる。ポイントは相手の予想を上回るように、少しオーバーに泣くこと。
— メンタリストDaiGo (@Mentalist_DaiGo) September 17, 2012
日付は少し古いですが、紛れもなくDaiGo氏の放ったツイートです。
「泣き落としは、相手を操る効果的方法」と述べている。
人は、心に思っていないことを、言ったり書いたりできない。
加えて、人の考えは、そう簡単に変わらないものです。
DaiGo氏の様に、大金を手に入れた経済的成功者なら、尚更です。
仮にDaiGo氏が、「謝罪動画収録の時は、心を入れ替えました」と言っても、説得力がない。信用する人は少ないでしょう。
これも先程と同様に、「その場しのぎの嘘」だと思われてしまう。
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そもそも、「DaiGo氏が、謝罪をYouTube動画でやる」という点が、追加燃料なのです。
YouTubeは、視聴回数によって収益が発生します。不謹慎だろうが何だろうが、視聴者に見せれば勝ち。
炎上商法の肝は、ここにあります。騒ぎになれば、それでOKなのです。
DaiGo氏は、これを狙っているとしか思えない。
そう考える理由は、謝罪の初期にDaiGo氏が見せた行動です。
DaiGo氏は、「謝罪の様子を動画にして、順次配信するので、これからも見てね」と発言。そこまで金儲けのネタにするか?…という怒りを買い、不信感をブーストさせました。
www.tokyo-sports.co.jp(2021/8/13)
今後については「ただ謝るだけって言うのも、『謝ったらすむのか』ってご批判ももっともだと思う」とした上で、すでに生活困窮者を支援している人物とアポイントをとっていることを告白。
「本とか論文で知れない無知が招いた失態と反省したので、ちゃんと勉強しようと思う」と話し、今後は支援者のもとで取材を行いユーチューブ等で報告すると明かした。
(https://www.tokyo-sports.co.jp/entame/news/3521218/)
この謝罪動画の配信タイミング。これが悪かった。
上記記事にある動画は、「謝罪する気はない」「個人の感想に間違いもクソもない」と世間を挑発した後に流れたもの。
「何か、謝っとかないとマズイかな?」という打算で作成された動画である。こう認識されてしまうタイミングです。
加えて、反省や謝罪の対象が「ものの言い方」であり、これまでの言動や考えを改めるというニュアンスが薄かった。
これでは、「炎上商法狙いで、口先だけの謝罪を流している」と捉えられる。非常にマズイです。
聞く耳を一切持って貰えない。「口先だけ」と思われたが最後、収益を寄付すると言っても信じて貰えない。
炎上商法は、視聴者側からすれば「見たら負け」「乗せられたら負け」なのです。
故に、本人からの謝罪動画をマトモに見ない。切り取り記事や又聞きを重視するのです。
これも、騒動を拡大・深刻化する要因。
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この様な流れを経て、DaiGo氏の信頼は失墜。
YouTubeの更新はストップ。自身が出演する飲料の広告も、DaiGo氏の抹消&差し替え。監修した「出会い系アプリ」の広告からも、DaiGo氏の名が消えた。
正に四面楚歌。
nomu-silica.jp(2021/8/16閲覧)
www.tokyo-sports.co.jp(2021/8/15)
DaiGo氏の誤算は、
「人々の疑心暗鬼を招くことが、どれだけのダメージを生むか、きちんと認識できなかったこと」
でしょう。
元々、「人の心理を操るメンタリスト」という肩書で活動していたDaiGo氏。
その経歴を見た人々の心には、「DaiGo氏は、人の心を上手いこと操って、ピンチを切り抜けようと計算しているのでは?」という疑念が生まれます。
加えて、これまでの発言と、謝罪内容との矛盾が多数。
挑発的態度から謝罪へと急変した様子も、「素直に反省したのではなく、隠れた狙いがあるのでは?」と思われてしまう。
DaiGo氏の炎上は、悲しいかな「自業自得」と言わざるを得ない。
自分の世界で、反対意見をミュートし続けた結果、今の惨状があるのです。
今迄の芸風から、「腹の中で何を考えているか分からない」と思われてしまうのです。
華やかな経歴が、見事に裏目に出ている。
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この炎上は、まだ始まったばかり。本格的に燃え始めてから、まだ一週間も経過していない。
今後、どういう方向に話が進むか、全く未知数。先が読めません。
ただ…
DaiGo氏の騒動は、「現在のネット社会の矛盾点や欠点を、象徴する出来事」である。筆者はそう考えています。
故に、今後も当ブログの話題として、記事化する機会はあるでしょう。
今回の炎上は、非常に貴重な事件です。「成功の手本」ではなく、「反面教師」として扱うには…ですが。
ネットで意見を発する者であれば、大なり小なりDaiGo氏と同じミスを犯し、同じ状況に追いやられる可能性があります。
筆者は、この炎上騒動を他人事と考えたくはない。「明日は我が身」と捉え、しっかり分析していきます。
長文を最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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