最近、長年続いた名作連載漫画が、次々と終了していきます。
終了したものの中には、「筆者好みの作品」も多く、何とも寂しい。
この前は、『絶対可憐チルドレン』『双亡亭壊すべし』が終了とのニュースが報じられました。
次いで『ジョジョリオン』が完結との話もあり。
そして、今度は『ゴールデンカムイ』が最終章突入という記事が出ました。
www.oricon.co.jp(2021/7/28)
2014年8月より『週刊ヤングジャンプ』(集英社)にて連載中の人気漫画『ゴールデンカムイ』が、最終章に突入することが28日、集英社より発表された。
マンガ大賞(2016年)、手塚治虫文化賞 マンガ大賞(2018年)など多くの漫画賞を受賞、テレビアニメ化もされた人気作品が、連載7年を経てついにクライマックスを迎える。
作者の野田サトル氏は
「ゴールデンカムイもいよいよクライマックスとなりました。全力で突っ走って終わらせます」
と報告し、
「この物語の終わりを皆さまと一緒に迎えたいです。よろしくお願いします」
と直筆コメントを寄せている。
(https://www.oricon.co.jp/news/2201512/full/より。改行等は筆者によるもの)
「最終章突入」ですから、完全終了はもう少し先の話。
まだまだ楽しめそうです。
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ここで、『ゴールデンカムイ』を御存知ない方の為に、話の内容をザックリ説明すると…
▼物語の舞台は、明治時代(日露戦争後)の北海道。
▼「不死身」のあだ名を持つ、元軍人の杉元佐一。彼は、戦友の遺言に従い、戦友の妻の治療費を稼ぐ為、北海道で砂金取りをやっていた。明治時代の北海道では、川で砂金がよく採れたのである。
▼が、砂金取りのプロではない杉本。全く収穫が無い。
▼そんな杉本の姿を見て、近所の酔っ払い親父が言う。「いいことを教えてやろう」
▼親父の話はこうだ。
「北海道のアイヌ民族が、日本本土からの圧力に耐えかね、反乱の軍資金として砂金をため込んでいたらしい」
「その額、約8億円」
「しかし、一人の男が関係者を皆殺しにして、砂金を独り占めした」
「男は、砂金をどこかに隠した後、警察に捕まって網走監獄にぶち込まれた」
「金の隠し場所は、その男しか知らない。が、その男には仲間がいるらしい。とはいっても、仲間は監獄の外にいる。男は、何とか金の場所を仲間に伝えようとした」
「その伝達手段として、網走監獄の囚人に、”金の在処を示す暗号”を刺青として彫り込んだ。加えて、囚人たちに脱獄を促す」
「脱獄は成功し、暗号を身に彫り込んだ囚人も何処かへ消えた」
「その後、囚人や金がどうなったか、誰も知らない」
▼杉本は、「また酔っ払い親父のホラ吹きかよ」と相手にしなかった。
▼しかし、ひょんなことから「どうも親父の言動は真実らしい」と考えた杉本。
▼彼は、偶然出合ったアイヌの少女・アシㇼパと共に、埋蔵金探しの旅に出る。
▼ただ、埋蔵金を追っているのは、杉本だけではなかったのである…。
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筆者は、「この機会に、物語を振り返ってみるか」と思い立ち、『ゴールデンカムイ』を1巻から読み返しました。
幸い、『となりのヤングジャンプ』等にて、2021年7月29日~9月17日まで全話無料公開中とのこと。有難く利用させて貰っています。
まだ全て読み終えていませんが…
アシㇼパと杉本が合流し、「三つ巴」どころか「四つ巴の争奪戦」になりそうな予感が漂う。その辺りまでは読みましたね。
コミックスでいうと、恐らく22~23巻あたりでしょうか。現在発売中の最新刊が26巻ですから、追いつくまでもう少し。
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『ゴールデンカムイ』がヒットした理由のひとつに、「アイヌの文化に対する、肯定的かつ好意的な描写」があります。
特に、アイヌ飯がめっちゃ美味そう。「鍋物」「汁物」がよく登場します。どれも北海道の特産品を使った郷土料理で、身体が温まりそうな品が多い。
「単なる金塊争奪戦」ではなく、民俗学的な描写が非常に多い。
これがヒットの隠し味。
ただ、『ゴールデンカムイ』のメインは、やはり金塊争奪戦。
金塊を隠した者、その出自と背景、暗号を解く鍵…等々が少しずつ明らかになってきており、今後の展開が非常に楽しみです。
アシㇼパと杉本の旅。この終着点はどこか?
完結まで、もう少し。
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