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【東京五輪の話】炎上した「小林賢太郎」氏を、擁護してみる(後編)

前回記事の続きになります。

テーマは、「五輪組織委員会からクビキリを喰らった、小林賢太郎氏を擁護する」というもの。

tenamaka26.hatenablog.com

 

東京五輪開会式の演出を担当していた、元コメディアンの「小林賢太郎」氏。

彼が「ラーメンズ」というコントユニットで活動していた時に、「ホロコースト(ユダヤ人虐殺)」をネタにしたコントを発表したことがありました。

その情報が、ツイッター等で拡散。

ホロコースト関係のネタは、国際的に取り扱い注意なネタですから、結構な炎上騒動になりました。この騒ぎを受け、五輪組織委員会は小林氏を解任。

…これが、騒動の概要です。

 

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つい先ごろ、五輪開会式の音楽担当者「小山田圭吾」氏にも、大規模な炎上騒動がありました。

過去の雑誌インタビューで、「障害者リンチ」を誇らしげに語っていた記事があり、その記事がSNS等で拡散。

小山田氏は弁解するも、通用せず。五輪スタッフからは身を引くことになりました。

 

小林氏と小山田氏の炎上に共通する点は、「過去の話が、今になって炎上」というものです。

しかし、筆者が思うに、「両案件は、似て非なるもの」です。同じ炎上騒動でも、掘り下げて考えれば別の面が見えてくる。

また、この手の炎上に関しては、「炎上した本人を責めて終わるものではなく、大元である五輪運営側を問題視しなければ駄目だ」と考えます。

 

上記の二点を考慮に入れた上で、当記事では小林氏を擁護し、その根拠も示していきたい。

 

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では、一点目。「小林氏と小山田氏の炎上は、似て非なるもの」について。

先ずは、小林氏の炎上から見ていきましょう。

 

小林氏は、9~10分程度のコントの中で「ユダヤ人惨殺ごっこ」という言葉をネタに織り込み、舞台で発表しました。

これは本人さんも認めている話であり、証拠映像も残っています。

「ユダヤ人惨殺ごっこ」という言葉は、第二次世界大戦で発生した「ホロコースト(ユダヤ人虐殺)」を、子供向けの遊びにモジったという感が強い。

その為、この部分を「ホロコーストを揶揄している」と理解され、炎上に至ったワケです。

 

ただ、コントを最初から最後まで見てみると、「ユダヤ人惨殺ごっこ」という言葉は1度しか使われていない。

その使われ方も、「惨殺ごっこをネタにするヤツは、頭がおかしい」というニュアンスでした。

つまり、「ホロコースト自体を揶揄」ではなく、「ホロコーストを揶揄する者を、馬鹿にしたという意味合い。

世間の炎上は、ちょっとズレた感がありますね。

 

 

他方、小山田氏の場合は、「学生時代に、障害者をリンチしていた」という内容のインタビュー記事が問題視されました。

リンチの内容は、「殴る蹴るの暴行」「大勢の前で裸にする」等々、暴行や強要に該当する確率が極めて高いもの。普通に考えて犯罪レベルです

 

しかも、雑誌発表後に何度か問題視されたのに、特に謝罪・撤回・贖罪の話に至らなかった。

今回の五輪炎上を受けて、「もし被害者に連絡がつけば、謝りたい」と発表するレベルです。

「もし被害者に連絡がつけば、謝りたい」と言う。これは、「未だ謝っていない」「被害者の現況を全く気にかけていない」ということを示しています。

どう考えても、「炎上したから、慌てて謝罪」ということになる。「贖罪よりも保身優先」が透けて見えます。

 

 

小林氏の場合、「ホロコースト」をコントに織り込んだ。

この行為が日本国内で犯罪にはなることは、恐らくありません。

しかし、外国では犯罪になり、裁判で有罪判決が出る場合もある。それくらい、ホロコーストに対する認識の差があります。
(興味のある方は、「ガロディ判決」で検索してみてください)

 

小山田氏の場合は、「障害者リンチ」です。

この行為は、日本国内のみならず、世界のどこでも駄目。「認識が甘かった」は通用しない。

あのインタビュー内容が嘘であれば、「ここは嘘でした」と言えばいい。しかし、具体的な説明・反論はありません。

そもそも、これまで何度も問題視されたのに、大炎上になるまで放置していた。その感覚は、「平和の祭典」であるオリンピック精神に反します。

 

小林氏は、「国際的感覚の有無」を問題視された。

小山田氏は、「人間としての良心の有無」を問題視された。

この違いは大きい。

 

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次に、二点目。

「炎上した本人を責めて終わるものではなく、大元である五輪運営側を問題視しなければ駄目だ」という話に移りましょう。

 

先ずは、小林氏。

彼は、「ラーメンズ」というコントユニットを組んでいました。

で、ラーメンズのネタは、いわゆる「ブラックジョーク」に分類されるものが多い。

お笑いは、「言っていいことと、言っては駄目なことの隙間・境目を突く」というのが基本形態。特にブラックジョーク系では、その傾向が顕著です。

お笑いは、不謹慎の近所をウロウロするもの。この点は、東京五輪のあるなしにかかわらず、以前から存在している話です

 

次に、小山田氏。

彼は、ミュージシャンです。ミュージシャンには、個性が強い方が多い。逆に言えば、個性が強いからこそ、特徴的な音楽を作る能力があるのです。

色々な意味で、「普通ではない」「常識外れ」の人材が多いのです。

この点も、東京五輪のあるなしにかかわらず、以前から存在している話です。

 

筆者は、人材発掘や人材配置のスキルが乏しい。素人です。

その筆者ですら、上記の注意点は知っています。個性的なものは、時と場所を選ぶのですどこでも通用するワケではない。

そういう事情がある為、しっかりと下調べをしなければならない筈。

小林氏と小山田氏の配置について、五輪運営側(組織委員会)は何を考えていたのか?

何を調べてOKを出したのか?

 

恐らく、深くは考えていなかったのでしょうね。

組織委員会のお偉いさんが、
「下請けに丸投げしたら、配置されていただけ」
「よく知らなかった」
と言い放っていますので。

mainichi.jp(2021/7/17)

www.jiji.com(2021/7/22)

チーム編成は現場に一任されていた。

武藤事務総長は「われわれが一人一人を選んだわけではない」と言うが、無関心なのも許されない。


水を差す出来事が相次ぎ、23日午後8時には国立競技場で開会式が始まる。

橋本会長は「現段階で、開会式を見たくないと思っている方がたくさんいることは承知している」。そう言って、うつむいた。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2021072200533&g=spoより。改行等は筆者)

 

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何か問題が指摘されれば、「安心安全」と言ってゴリ押し。

失敗した時は「真摯に受け止める」と言うが、上層部の責任回避に躍起になるだけ。

問題の原因を掘り下げることはなく、揉み消す方向にしか進まない。

 

筆者の目から見た、これまでの五輪関連の動きは、上記の通りです。

これでは問題が発生し続けますし、深刻度も増す一方。

そうやって解決から目を逸らせてきた結果、一気に爆発して大ダメージを喰らった。今回の炎上騒動は、「運営の駄目さが顕在化したもの」でしょう。

 

開会式前の段階でコレです。

競技が始まった後、何が起きるか全く分からない。どこに落とし穴があるか、見当もつかない。

故に、筆者は五輪関連番組を見る気がしない。せいぜい結果を報道で知るだけです。

 

本当に、「歴史に残る五輪」になりましたねぇ。

 

 

--------------(記事了)--------------