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【新型コロナウイルスの話】GACKT氏による「安全圏からの手のひら返し」と「陰謀論」か?(中編)

前回記事の続きです。

テーマは、「新型コロナウイルス」と、タレントの「GACKT」氏。

GACKT氏が「新型コロナは、ただの風邪」と発信し、物議を醸している模様です。

tenamaka26.hatenablog.com

 

前回記事では、「理由や根拠がハッキリしないままで、意見の大幅変更はよくない」というところに注目しました。

今回は、「GACKT氏の意見の、ここがおかしい」という点について、詳しく触れていくことにします。要は、「陰謀論めいた部分を、掘り下げてみる」という試みです。

 

結論から先に言えば、
「GACKT氏の主張は、根拠に乏しい」
「GACKT氏の主張と食い違う資料は、少し探せば見つかる」

まぁ、これ「陰謀論にありがち」な構成ですけど…ねぇ。

 

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では、本題に。

GACKT氏の放った「医療業界に関する情報」について、詳しく見ていきます。

www.j-cast.com(2021/5/17)

 GACKTさんは、コロナが指定感染症2類に入っていると主張し、これはおかしな話だとして、「インフルエンザでも、指定感染症なんてなってないんですよ。で、死者の数で考えたら、インフルエンザの方が圧倒的に危険なんですよ」とも指摘した。

 

コロナ患者を扱える指定病院は、県の中でも数か所、場合によっては1か所のためすぐに満床になるとして、「これ闇があるんですよ」と話した。

それ以外の病院はガラガラで潰れているところも急増しているとし、次のように明かした。

 

「実際、僕の仲間とか病院を買う側の方なんですけどね、買いまくってますね今。買いまくってます。つまり、闇です闇。本当に酷い話ですよ」

https://www.j-cast.com/2021/05/17411685.html?p=allより。改行・強調等は筆者によるもの。以下同)

 

上記で紹介されているGACKT氏のコメントには、ツッコミ所が多い。

 

 

まず、「コロナが指定感染症2類に入っている」というのは、正確ではありません。

かつてはそうだったのですが、今は「新型インフルエンザ等感染症」という分類になっています。指定感染症1類と2類の間くらいな扱い。

 

 

また、「死者の数で考えたら、インフルエンザの方が圧倒的に危険」というのも正確ではない。

新型コロナ騒動初期・2020年の1~3月であれば、この意見は通るかも知れません。まだ新型コロナの死者数が少ない時期でしたからね。

その時に、インフルエンザと新型コロナの比較をしたCNN記事は以下。

www.cnn.co.jp(2020/1/31)

世界中で数千人の感染が確認された新型コロナウイルス。国境封鎖に乗り出した国もあり、米国ではマスクが品切れになるなどの騒ぎが広がっている。

 

だが、全米で1500万人が感染し、今シーズンだけで8200人以上の死者を出したウイルスがある。

 

新型コロナウイルスではない。インフルエンザのウイルスだ。

 (https://www.cnn.co.jp/fringe/35148772.html)

 

インフルエンザの流行シーズンは、一般的に「気温も湿度も低い冬期」とされています。その為、北半球と南半球で正反対になります。

一方、新型コロナはインフルエンザとは違い、シーズンというものがハッキリしない。「感染が激減する季節」というものがない。北半球と南半球で同時に流行が発生している。ここだけを見ても、インフルエンザより厄介です。

 

感染者数や死者数も、大きく違う。

上記CNN記事によれば、アメリカのインフルエンザは、1シーズンで1500万人以上が感染し、8200人以上の死者が出る病気とのこと。

NHK特設ページによれば、2021年5月18日までのアメリカ国内・新型コロナ感染者の累計は、約3300万人。死者数は、約59万人。

数を見れば、新型コロナはインフルエンザとは段違い。数十倍の違いがあります。新型コロナの方が、明らかにタチが悪い。

 

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もっと言えば、これまでのインフルエンザ対策は、新型コロナ対策に比べ「ほぼノーガード」に近いものでした。

現在奨励されている「マスク・手洗い・密回避」という対策は、新型コロナだけでなく、他のウイルスにも有効。インフルも例外ではない。

 

新型コロナが猛威を振るう前・2019年頃までは、ここまでガチガチにガードしていなかった。

では、「ガードを固めた2020年以降、インフルエンザがどこまで猛威を振るったか?」といえば…どうでしょうか。

 

例えば、以下の様な報告があります。

weathernews.jp(2021/4/4)

例年多数の感染者を出しているインフルエンザについては2020年秋から2021年春にかけて、厚生労働省の推計で医療機関受診者数が約1万4000人と発表されました。

 

インフルエンザの患者数は「定点」と呼ばれる毎週全国約5000の医療機関から報告された数値をもとに、全国の患者数が推計されているものです。

 

例年のインフルエンザの感染者数は、国内で推定約1000万人いるといわれていますので、今シーズンは約1000分の1に。

比較的患者数が少なかったとされる昨季でも約728万5000人とされていましたので、500分の1未満となる大幅な減少をみせました。

 

また、患者報告数が流行の目安とされる水準に達することなくシーズンを終えたのです。流行入りすることなくシーズンを終えるのは、今の方法で調査が始まった1999年以降で初めてだということです。

https://weathernews.jp/s/topics/202103/310155/

 

コロナ対策等が効果を発揮し、インフルエンザの発生数が1000分の1に減少。

「流行している」という水準に達しないままで調査期間を終えるのは、初めてとのこと。異例です。

 

上記記事によると、今シーズンの日本国内におけるインフルエンザ感染者は、約1万4000人。

NHK特設ページで報告されている、5月18日23時59分時点の新型コロナ感染者は、累計69万3688人

両者の差、約50倍。

 

「マスク・手洗い・密回避」というウイルス対策を前に、インフルと新型コロナの感染状況は大きく違います。

この数字を見て、「新型コロナより、インフルの方が危険」となるでしょうか?

 

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GACKT氏の主張でおかしいのは、インフルエンザに関するものだけではない。

「コロナ患者を扱える指定病院は、県の中でも数か所、場合によっては1か所のためすぐに満床になる」

このコメントは、特におかしい。

 

2020年11月5日付、厚労省資料「新型コロナウイルス感染症対応の状況等」の33ページに、「都道府県別の感染症病床」に関するデータがあります。

その資料によれば、指定医療機関数が最も少ないのは高知県。しかし、数は合計11か所あります。

最も少ない県ですら、二桁の受け入れ可能機関が存在する。

 

GACKT氏の「県の中で、場合によっては1か所しか受け入れ機関がない」という主張は、何を根拠にしているのか分からない。

 

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(まとめ)

 

GACKT氏の主張に対するツッコミを箇条書きにすると…

 

 

(1)GACKT氏「コロナが指定感染症2類に入っている」

かつてはそうだったが、今は違う。

 

(2)GACKT氏「死者の数で考えたら、インフルエンザの方が圧倒的に危険なんですよ」

死者数も感染力も、両方とも新型コロナの方が数十倍は深刻である。

 

 (3)GACKT氏「コロナ患者を扱える指定病院は、県の中でも数か所、場合によっては1か所」

最も少ない県でも、11か所ある。

 

 

この様に、GACKT氏の話には、いろいろと疑問点が存在します。

GACKT氏の主張には、「こういう資料があって…」という元ネタ提示がない。

根拠が曖昧な話は、ちょっと鵜呑みにできません。

 

他方、「医療素人である筆者が、ほんの少し調べた」というレベルでも、GACKT氏の主張と食い違うデータを引っ張ってくることが可能。

元ネタの仕入れ先は、報道機関や厚生労働省の資料。信頼度は高いと考えます。

GACKT氏の主張が、どんどん怪しくなっていく…。

 

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なお、GACKT氏の主張は、更に続いています。

「医療業界で動く、闇のカネ」みたいな話に突入していくのです。正に陰謀論ド真ん中。

次回記事では、その「闇のカネ」にまつわる話を掘り下げていきます。

長くなるので、今回はここまでとさせてください。

 

 

--------------(記事了)--------------

 

 

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