ここ最近、「悩ましい話」や「頭にくる話」が多いので…
本日は、嫌な雰囲気を中和する清涼剤として、感動的な話をひとつ。
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筆者の家には、書籍や映像を始め、数多くの資料が転がっています。
それらを整理していたところ、とある動画を発見。
それは、2019年7月28日に放送されたテレビ番組「ボクらの時代」のヒトコマでした。
natalie.mu(2019/7/22)
番組の内容は、「大御所声優が集まり、仕事について語る」というもの。
出演者は、以下の三人。
(カッコ内は、代表作)
◆「野沢雅子」氏(『ドラゴンボール』の、孫悟空)
◆「田中真弓」氏(『ワンピース』の、ルフィ)
◆「山寺宏一」氏(『ルパン三世』の、銭形警部)
このお三方。もうめちゃくちゃ多数の有名作品に出演されている方々です。
ご本人さんの名前を知らずとも、担当したアニメキャラの名前を聞けば、「日本人なら誰でも知っている」というキャラが次々に登場する。そんな凄い面々。
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このお三方が、それぞれの想いを語っていらっしゃるのですが…
筆者が紹介したいのは、野沢雅子氏のトークです。
野沢氏の代名詞的作品、『ドラゴンボール』にまつわる話。
野沢氏が語った内容は、以下の様なものでした。
◆ある日のこと。野沢氏のところに、一通の手紙が届いた。
◆手紙の送り主は、とある成人男性。
◆彼には、『ドラゴンボール』が大好きな息子さんがいた。
◆しかし、その子は残り1ヶ月ほどの命。夏に公開される新作映画は、見れそうにない。
◆「せめて息子が亡くなる前に、野沢さんのサイン色紙を贈ってやりたい。何とか頂けないでしょうか?」手紙には、こう書いてあった。
◆その手紙を読んだ野沢氏は、ボイスサンプルを録音することに。
◆「オッス、オラ悟空。○○君、ぜってぇ劇場に来いよ! 待ってっからない! 約束だぞ!」というセリフを収録して、息子さんへと送付した。
◆後日、手紙の主から、野沢氏へお礼のメッセージが届いた。そこには、以下の様な内容が書かれていた。
◆「息子は、2月いっぱい持たないと言われていた」
「しかし、野沢さんから励ましのボイスサンプルを頂き、奮い立ったのでしょう。8月の新作映画を、劇場にて鑑賞できました」
「椅子に座れないほど弱っていたのに、本人が座りたいと言い、椅子に座って鑑賞しました」
「鑑賞した翌日、息子は亡くなりました」
「息子が奇跡を起こしたのは、野沢さんのおかげです」
◆手紙には、担当医からのメッセージも添えられていた。そこには、こんな内容が。
◆「僕たち医者は、一生懸命に勉強して、患者を助けようとしている」
「しかし、力が及ばない時も多い」
「今回、アニメの力で患者さんが奇跡を起こした。医学を超える力を目の当たりにして、驚いています」
医師が、「あと1ヶ月の命」と言った。
しかし、孫悟空が「6ヶ月後に劇場で会おうな!」と呼びかけたら、その通りになった。野沢氏本人も驚いていました。
これを奇跡と言わずして、何と表現すればいいのか。
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アニメは、エンタメです。学問と呼ぶのは難しい、趣味の世界のもの。
しかし、時に学問を超えるパワーを発揮します。下に見たり、侮ったりしていいものではない。
今の世の中、様々なエンタメ活動が「不要不急」という括りでまとめられています。
しかし、少ないながらも「エンタメが命を救う」という事例はある。
「目先の損得勘定」だけでは見えないものが、エンタメの中に存在しています。絶やしてはいけないし、大切にした方がいい。
先に紹介した野沢氏のエピソードは、そのことを再認識させてくれるものです。
人は、心や魂を持った生きもの。
エンタメは、心や魂を潤す。
これは、とても重要なことです。忘れてはいけない。
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