先日から、「国会議員の補欠選挙」に関する記事を書かせて貰っております。
先週末に実施された、国会議員の補欠選挙。
結果は、野党勢力の全勝。与党勢力からは、一人も当選者が出ず。
上記記事では、与党の敗因について触れています。
簡単に言えば、「自公政権に不祥事が絶えない」「不祥事が出ても誤魔化すだけで責任取らない」「自浄作用がない」という不信。
これに加え、「新型コロナウイルス対策の失敗など、駄目な仕事が長らく続いている」「やる気あるのか?」という怒り。
これらが、敗因の根本にあるものかと。
まぁ、納得できる話です。
今迄は何とかやってきたのでしょうが、もうボロが出まくって限界。
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そんな限界説を裏付ける話が、もうひとつあります。それは、「投票率が低いのに、与党候補が負けた」という点。
それが最も顕著に現れたのは、広島の結果でしょう。
www.chugoku-np.co.jp(2021/4/25)
河井案里元参院議員の当選無効に伴う25日投開票の参院広島選挙区の再選挙で、広島県選管がまとめた参院広島選挙区の再選挙の投票率は33・61%だった。
2019年7月の参院選広島選挙区の44・67%を11・06ポイント下回った。
同選挙区では1993年の補選の24・85%に次ぐ低い投票率となった。
(https://www.chugoku-np.co.jp/column/article/article.php?comment_id=748289&comment_sub_id=0&category_id=1301より。改行等は筆者によるもの)
一般的に、「投票率が低ければ、組織票を持つ候補が有利」とされています。
組織票とは、「立候補者と特別な関係にある人々からの投票」のこと。「カネやコネに代表されるシガラミ」を最大原因として、投票先を決めることです。
組織票を固めるには、候補者サイドが有権者にカネを配ったり、有権者とのコネを作ったりしなければならない。
しかし、候補者サイドも無限に資金や労力を持つわけではない。選挙区全員との濃密なコネを作るのは不可能に近い。その為、「組織票は、全有権者数から見れば、かなり少ない」というのが普通の光景です。有権者の大半は、特定候補者との関係が薄い。
上記の流れで、組織票頼みの候補者は、「組織票を投じてくれる人以外は、投票に来て欲しくない」と考えるのです。
自分を応援してくれる有権者以外は、不要だと考えがち。
そういえば、自民党の総理経験者で、「投票日には、無党派層は寝ていればいい」と発言し、大炎上した人がいました。つまり、「自民党を応援しない者は、投票に来るな」と言いたかったのでしょう。これが”組織票重視の政治屋”の本性です。
なお、上記発言をしたのは、五輪組織委員会の長だった「森喜朗」氏です。この発言があった後、自民は議席を大きく減らしました。
www.sankei.com(2016/11/8)
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広島選挙区は、「自民党の組織票が強い」という評判でした。
そして、「投票率が低ければ、組織票を固めた候補が勝つ」とされている。
今回の広島選挙区の投票率は、歴代ワースト2位の低いもの。
ここまで揃ったのに、それでも自民党が負けた。
「組織票を頼みにしただけでは、落っこちる」という状況なのは、もう明らかです。
そもそも、広島の場合は「自民党という組織そのものに向けられた疑念」が強烈でした。
何せ、「組織票固めの為に、候補者が違法な金を配っていた」という理由で有罪になり、議員資格取り消し。その為の選挙やり直し(再選挙)となったワケですから。
シガラミの無い有権者は、自民党という組織に対して反発する。これが普通です。
mainichi.jp(2021/4/26)
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今年の秋までには、衆議院議員選挙が実施されます。
新型コロナ対策を始め、様々な問題点が指摘されている自民党・公明党政権。
この両方とも、組織票が強いことで知られています。
しかし、先程も述べた通り、「組織票だけでは、落っこちる」という状況に変わったのは間違いない。
従来の様な、”特別なコネやシガラミ”だけでは、もう持たないのです。
説得力を持った・道理にかなった言動無しでは、政治家はクビを切られる。
日本は、本来あるべき姿に、少しずつ近付いているのかも知れません。
--------------(記事了)--------------