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【麻雀賭博の話】「こうすれば微罪で済む」という、悪い見本になった感・大

「黒川弘務」氏。

この人の名前、覚えている方はどの程度いらっしゃるでしょうか?

 

この人。東京高検の検事長にまでなった人ですが、昨年「賭け麻雀」をやっていたことがバレ、逃げる様に消えた人です。

スッパ抜いたのは、やはりあの「週刊文春」。

bunshun.jp(2020/5/20)

 

で、この黒川氏への扱いが酷かった。

賭け麻雀は、立派な賭博罪にもかかわらず、逮捕も起訴も何にもなしで済ませようとした検察。

司法の一角を担う組織としては、身内の不祥事にこそ厳しく当たらねばならない。その筈ですが、ナアナアで済ませようとするとは…。

 

勿論、国民も納得せず。検察審査会も「起訴しろ」と言い放つ。その結果、黒川氏は「略式起訴」となりました。

略式起訴は、通常の起訴とは違い、法廷での尋問等は行われません。書面手続きで済みます。軽微な罪でよく使われる手続きであり、珍しいものではありません。

黒川氏の場合は、罰金20万円の略式命令が出ているので、それを納めれば終わりとなります。

www.asahi.com(2021/3/30)

 

黒川弘務・元東京高検検事長(64)と朝日新聞社員、産経新聞記者2人が賭けマージャンをしていた事件で、東京簡裁は、単純賭博罪で略式起訴された黒川元検事長に罰金20万円の略式命令を出した。

命令は25日付。

罰金が納付されれば、公開の正式裁判は開かれずに刑事手続きは終わる。

 

東京地検によると、黒川元検事長はコロナ禍で緊急事態宣言が出ていた昨年4~5月に4回、記者ら3人と賭けマージャンをしたとされる。

1千点を100円に換算し、現金のやり取りは1回で数千円~2万円程度だったという。

 

市民団体の告発を受けた地検は当初、4人全員を不起訴(起訴猶予)処分にした。

だが、東京第六検察審査会は昨年12月、黒川元検事長について「違法行為を自制し抑止すべき立場にあった」として「起訴相当」と議決。

再捜査した地検が今月18日、黒川元検事長を略式起訴した。

 

 https://www.asahi.com/articles/ASP3Z4GNJP3ZUTIL01T.htmlより。改行は筆者によるもの)

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この問題、当ブログでも熱心に追いかけてきました。

関連記事も、いくつかアップさせて頂いております。

tenamaka26.hatenablog.com

tenamaka26.hatenablog.com

tenamaka26.hatenablog.com

 

検察の対応に顔をしかめたくなる一方、笑わせて頂いたのは「レート(賭けの倍率)が低ければ、賭博罪に該当しても、逮捕&起訴されない」と解釈した有志が、検察庁の前で実行した行事の話。

「黒川氏が賭け麻雀やった時レートと、全く同じレートで、賭け麻雀をやる」とツイッターで宣言し、本当にやったグループが存在。

その名も、「黒川杯」賭け麻雀大会。

実施場所は、東京・霞ヶ関の検察庁前。
tenamaka26.hatenablog.com

 

その時の模様は、ネットで動画配信されており、今でも閲覧可能です。

警官が必死で止める姿が、痛々しい。

不起訴の者(黒川氏)と同等の行為をやっても、迂闊に逮捕できませんからね。賭博成立迄に、実力行使を伴わないグレーゾーン近辺で何とかしないと、上から怒られます。

仮に逮捕となった場合、「なぜ黒川氏と扱いが違うのか?」と言われ、苦しい弁解を強いられる。警察以外の役所を巻き込んで、大騒ぎになりかねない。

www.youtube.com(2020/6/2)

 

結局、主催者と警察との押し問答の末、「黒川杯」は途中でお流れになりました。

その場には、弁護士の方も来ていたそうですし、主催者も「逮捕上等!」という心構え。

もし最後までやりきっていたら、どうなったか?

不謹慎と怒られるでしょうが、結末を見てみたかったですねぇ。

 

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とりあえず、「賭け麻雀は違法」という認識は、黒川案件の前後で変わらないことになりました。

そうなった背景には、「略式起訴にして、早めに鎮火させたかった」という、検察の思惑が透けて見えます。

 

もし、今回も「検察審査会の指摘に反し、起訴しない」となった後、審査会に諮られ「起訴しろ」となったら、強制的に裁判へ移行します。

そうなると、証拠提出や証人尋問などをやらねばならない。検察の恥を長く晒すことになりますし、更に不都合な話が出て来るかも知れない。検察サイドからすれば、頭痛の種です。

 

これが略式起訴となれば、「検察幹部が犯罪者」という事実が残る反面、正式な裁判を開かずに済みます。

検察は、傷が最も小さい方法を採った…といえますね。

mainichi.jp(2021/3/18)

 

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特に黒川氏の場合、前の安倍政権との繋がりが強かった。

様々な手を使い、この人を検察幹部に据えたのは、安倍政権です。現総理は、安倍政権下で官房長官を務めた菅氏。両者共に、黒川氏との関係性は深い。

黒川氏の賭博問題が長引けば、確実に政権批判の材料になります。「犯罪者を幹部にするのが、適材適所なのか?」と批判されるのは目に見えている。

bunshun.jp(2020/2/13)

 

とりあえず、黒川氏の醜聞については、「もう済んだこと」と言える状況になっている。

しかし、他人を裁く役目を持った司法の重鎮が、犯罪者だった事実は変わらない。

「常習賭博とか、もっと重大な犯罪やってるんじゃないの?」という疑惑も消えない。

国民の側が、「この状況であれば、捕まっても大したことなはい」と考え、あちこちで麻雀賭博が行われても、その責任は司法にある。

 

検察&現政権&与党にとっては、大きなマイナス要素です。

 

今回の結末は、今年実施予定の衆議院議員選挙で、ひとつの争点になるでしょう。

「上級国民論争」の再燃もあり得る。

ジワジワと効いてくる、厄介な毒です。

 

 

--------------(記事了)--------------