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【マンガの話】出自からして闇が深い。それ故に物語の味わいも深い

先日、有名漫画『サイボーグ009』について、記事を書かせて頂きました。

tenamaka26.hatenablog.com

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『サイボーグ009』は、超有名漫画家「石ノ森章太郎」氏の代表作。

分類的には「ヒーローもの」に属する作品ですが…単純な勧善懲悪モノとは違う、含蓄のある作品です。大人を魅了する要素が詰まっています。

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その魅力の中に、「主人公達の背景に、闇がある」というものが存在します。

清廉潔白ではなく、暗い過去や悩みを抱える主人公達。「単なる勧善懲悪モノ」には見られない、大人向けの設定です。

当記事では、この闇について、掘り下げていきます。

 

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『サイボーグ009』の主人公達は、タイトルの通り「サイボーグ」です。

 サイボーグ(サイバネティック・オーガニズム)とは、一般的に「人体へ外科手術を施し、人工器官を埋め込むなどして強化された者」と理解・定義されています。

かつてはSFの中だけの話でしたが、もう現実世界ではそこかしこに存在するもの。心臓ペースメーカー等が有名ですが、「自分の意思で操作可能な義手」までも存在しています。

視力矯正のコンタクトレンズも、ある意味サイボーグに近いもの。サイボーグ技術は、人類の幸せと繁栄の為に、必要不可欠なものです。

 

しかし、光があれば闇もある。

『サイボーグ009』で描かれるのは、「軍事用サイボーグ」の話です。

サイボーグ軍団を作ったのは、「ブラック・ゴースト(黒い幽霊団)」という名の架空秘密組織。世界中の軍事産業が秘密裏に作った、闇の業界団体みたいなものです。

 

「商売の種が、戦争や人殺し」という連中の組合。しかも、表に出せない闇の組織。

そんな組織が、丁寧な対応をするはずもないですし、人権など考えることもない。

『サイボーグ009』の主人公達は、その大半が自分の意思に反する方法で拉致されたり、改造されたりしています。

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石ノ森章太郎氏の原作版(1960年代)に描かれた、主役メンバーの背景は以下の通り。

 

 

◆001(イワン・ウイスキー)
能力:サイコキネシスやテレパシー等

父親がロシアの脳外科医。生後間もない時に、父親によって脳改造された。その事実を知った母親は激怒するも、研究成果である息子を奪われまいとした父は、母親を撲殺。その現場を組織の勧誘員に目撃され、001と共に組織へスカウトされる。

 

◆002(ジェット・リンク)
能力:飛行。加速装置

ニューヨークのギャング。敵対組織と喧嘩になり、相手を刺して逃走。逃げる最中、組織に拾われる。

 

◆003(フランソワーズ・アルヌール)
能力:強化された視聴覚等による索敵

フランスに住む普通の学生だった。が、「街中を歩いているところを、たまたま組織の勧誘員に見られた」という理由だけで拉致されてしまう。

 

◆004(アルベルト・ハインリヒ)
能力:体内に複数の重火器を内蔵

旧・東ドイツの住人。恋人と共に西側へ脱出しようとするも、失敗して銃撃を受ける。恋人は死亡。自分も瀕死の重傷を負うが、死ぬ間際に組織の勧誘員に拾われ、改造される。

 

◆005(ジェロニモ・ジュニア)
能力:常人の数百万倍の怪力と、耐久力の高さ

ネイティブアメリカン(インディアン)であるが故、白人社会から差別されて職を失う。自らのルーツに誇りを持っており、差別の蔓延るアメリカに絶望したところを組織に拾われる。

 

◆006(張々湖)
能力:対要塞戦等を想定した、熱戦による物質溶解

中国・広東省の一般市民であったが、中国共産党の重税に苦しみ、首吊り自殺を試みる。が、決行の瞬間、組織の勧誘員に自殺を止められ、そのまま拉致。

 

◆007(グレート・ブリテン)
能力:消費財以外への変身能力

イギリス人。かつては名の通った役者であったが、酒の飲み過ぎで荒れた生活を送り、無職の無一文になる。酒代すら出せない貧困の最中で、組織の勧誘員に拾われる。

 

◆008(ピュンマ)
能力:深海での長時間活動&高速移動

奴隷商人が、アフリカから拉致してきた現地人の一人。隙を見て逃げ出したが、そこを組織の勧誘員に見つかり、そのまま組織に拉致される。

 

◆009(島村ジョー)
能力:002~008の能力を総合した最終完成形。改良型の加速装置搭載

国籍不明の父と、日本人の母との間に生まれたが、早々に捨てられた孤児。その境遇から荒れた生活を送り、鑑別所に収容された。収容先から脱走を試みて失敗したところを組織に発見され、拉致される。

 

 

各メンバーは、組織(ブラック・ゴースト)に拉致された方法も酷いですが、拉致前に置かれた状況にも闇が多い。

犯罪者、被差別者、親のエゴで改造された者。現代でも問題視され、解決に至っていない闇です。

その闇を、敢えて主人公達に背負わす。このダークな設定が、物語に深みを与えています。

 

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『サイボーグ009』の初出は、1960年代。

半世紀前に始まった作品ですが、未だに新作が出ていて、人気もある。

 

その人気を支えているのは、「主人公達の苦悩から滲み出る、悲しみや理不尽さ」でしょう。

現実世界でも存在する、リアルな要素。それが物語に深みを与え、読者の共感を呼ぶのです。

 

「俺TUEEEEEEE!」だけで終わる様なチート話では、ここまで長続きしない筈…。

 

 

-----------------(記事了)-----------------

 

 

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