先日報じられた、「オリンピッグ」騒動。
「タレントの渡辺直美氏に豚の仮装をさせ、オリンピック開会式に出演させよう」という話が、開会式の企画責任者から出ていたことが報じられました。
この話は、たちまち炎上。発言の主である責任者が辞任する状況に。
辞任したのは、大手広告代理店「電通」出身のCMクリエイター「佐々木宏」氏です。
bunshun.jp(2021/3/17)
五輪組織委員会の前の長「森喜朗」氏の炎上騒動から間もないのに、また同系統の話で再炎上。
佐々木氏は「もう辞めて無関係の人」的な扱いになってしまったので、他の関係者が後処理に追われています。
www.daily.co.jp(2021/3/18)
東京五輪・パラリンピックの開閉会式の責任者であるクリエーティブディレクターの佐々木宏総合統括が五輪開会式で女性タレントの渡辺直美さんの容姿を侮辱するような演出を提案していた問題を受けて、大会組織委員会の橋本聖子会長(56)と武藤敏郎事務総長(77)が18日、都内で会見した。
橋本会長は冒頭のあいさつで
「佐々木宏について、女性蔑視ととられる発言があったと報道がありました。私としても大変ショック。こんなことはあってはならない。不適切であり、大変遺憾。容姿を笑いものにするような発言。大変不適切であり、あってはならない」
と、陳謝した。
(https://www.daily.co.jp/general/2021/03/18/0014160925.shtmlより。改行等は筆者によるもの)
ただでさえ、新型コロナウイルスで大変な五輪。
そこに加えて、何ともお粗末な炎上騒動が続いています。
そういえば、「五輪エンブレム盗作騒動」ってのもありましたね。
他にも、大小様々な炎上を呼ぶ東京五輪関係者の面々。やる前からこれでは、本大会はもっと不安。
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今回の「オリンピッグ騒動」で、筆者が「これはマズイ」と考えた点があります。
勿論、「世界規模の祭典の場で、ブタの仮装をさせる」というセンスを持った者が、組織の重鎮にいたこともマズイ。
しかし、それ以上にマズイ点があります。それは、「内輪の会話が外に漏れ、炎上した」という点。
今回の騒動で燃えた話は、公の場でなされたものではありません。企画会議段階の話であり、「100個のアイデアが出たら、90個はボツになる」という場。
何がヒットに繋がるか分からない為、「失敗を恐れずにガンガン発言しろ」とする場での発言です。
で、その場で出た失敗アイデアを拾われ、暴露されて炎上となった。奇妙な話です。
まぁ、関係者の誰かが、情報を週刊誌に渡したのでしょう。
そもそも、佐々木氏のオリンピッグ発言は、2020年3月5日のもの。1年前の話が、今になって出て来る辺り、組織内の混乱ぶりが窺える話ですね。
組織内の人間関係が、極度にギスギスしている。そんな光景しか目に浮かばない。
そういう意味では、佐々木氏の自業自得とも言えます。上手にメンバーをまとめていれば、内部告発的な動きが出なかったかも知れないので。
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平和の祭典である筈の五輪が、ここまで混乱する原因。それは何か?
結局のところは、「出場選手が大事、お客さんも選手と同じくらい大事」という精神に欠けているからだと考えます。
五輪を、「単なる金儲け」「名を売る機会」と考えている関係者が多過ぎる為、ズレた炎上が起きまくる。そうであるとしか思えない。
本当に、今大会の出場予定選手の皆様には、同情を禁じ得ない。
一生懸命に練習して、良い記録を出しただけなのに、変な所から火の手が上がって、五輪そのものにケチがつく。
ただでさえ、新型コロナウイルス騒動で大ダメージを喰らっている大会です。そこに意味不明な炎上が加わる。やりきれないでしょう。
東京五輪は、「新型コロナウイルス騒動に振り回された大会」として名を残す。これは確実。
それに加えて、「五輪を平和の祭典と思わない連中が、ワンサカ湧いた大会」として後世に伝えられる確率も、非常に高い。
数々の炎上を、どう反省して次に活かすか。
そのやり方次第で、五輪そのものの扱いが変わるかも知れない。
そんな岐路に立っている気がしてなりません。
--------------(記事了)--------------