皆様、『クラッシャージョウ』という作品を御存知でしょうか?
この作品は、1970~1980年代を中心に発表されたフィクション作品。
元々は、有名作家「高千穂遙(たかちほ・はるか)」氏が執筆したSF小説でした。
その内容が面白く、人気はうなぎ上り。劇場版アニメや、オリジナル映像ソフト等々、多方面に展開している作品です。
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この『クラッシャージョウ』の劇場版が、先週末・3月12日から48時間限定で、YouTubeのサンライズ公式チャンネルにて配信されました。
www.itmedia.co.jp(2021/3/12)
筆者は、『クラッシャージョウ』の存在は知っていたものの、劇場版をきちんと見た経験は無し。今回の鑑賞が初めて…となりました。
鑑賞後の感想は、「40年近く前の作品だが、今見ても十分面白い」。
作画が少々レトロである…という感は否めませんが、それを加味しても十分楽しめます。
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『クラッシャージョウ』の内容をザックリ述べれば、「日本製スペースオペラの、傑作のひとつ」といったところでしょうか。
程よくシリアスで、程よくコメディ。それでいて、ストーリー展開の骨組みはしっかりしていて、伏線もアチコチに撒かれている。見応えがあります。
例えて言うならば、1998年のアニメ『カウボーイビバップ』の原型みたいなもの?
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『クラッシャージョウ』の設定年代は、西暦2160年。
人類が恒星間航行(いわゆる長距離ワープ航法)を普及させ、宇宙のあちこちに植民惑星が存在。惑星改造(いわゆるテラフォーミング)技術を使い、開拓が進んでいる時代のお話です。
主人公・ジョウは、「クラッシャー」という職業の若きエースです。
クラッシャーとは、惑星改造から要人警護まで、ありとあらゆる仕事を請け負うその道のプロ集団。悪く言えば「便利屋」ですが、ちゃんとした協会が存在しており、荒くれ集団にならない様に統制されています。
そんなジョウの下に、奇妙な依頼が舞い込みます。その内容は、「病人を搬送して欲しい」というもの。
何でも、「大財閥の御令嬢が難病にかかり、治療できる医師が宇宙にひとりしかいない」という状況であり、なおかつ「病気が公になると、グループの信頼に傷がつくので、コッソリ運んで欲しい」という裏事情も存在するとのこと。
ジョウは訝しく思いますが、相手が持っていた身分証が本物であった為、信用して依頼を引き受けることにします。
で、いざ出航となり、長距離ワープにはいったところ、あり得ない事故が発生。
ここから、ジョウ達の受難が始まるのですが…
上記内容が、劇場版『クラッシャージョウ』の冒頭部分になります。
病人の正体は? なぜ事故が発生したのか? 依頼者の狙いは何か?
様々な謎をちりばめながら、物語は進んでいきます。
見応え十分の名作。
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なお、余談ですが…。
『クラッシャージョウ』の原作者である「高千穂遙」氏は、『ダーティペア』という別のSF作品も執筆されています。
『ダーティペア』も、『クラッシャージョウ』と同じスペースオペラ。「宇宙時代の便利屋が活躍する」という構成も、よく似ています。
ただ、『クラッシャージョウ』に比べて、『ダーティペア』の方がパロディ色濃い目。若干のお色気シーンもあり。テイストが少々違いますね。
この『ダーティペア』のパロディと思しき描写が、『クラッシャージョウ』の中に出て来ます。原作者繋がりで、特別に許可が出たのか?
また、劇場版の監督である「安彦良和(やすひこ・よしかず)」氏は、『機動戦士ガンダム』に深く関わっていらっしゃる方。
こちらの繋がりから、『クラッシャージョウ』の中に『機動戦士ガンダム』の名物キャラがカメオ出演しています。
「どのタイミングで、ダーティペアとガンダムキャラが出て来るのか?」
観察しながら作品を楽しむのも、なかなかオツなもの。
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