言わずと知れた大ヒット漫画作品『鬼滅の刃』。
劇場版は、興行収入の新記録を打ち立て、今なお記録更新中。下手をすると、400億円の大台に乗るかも?…というレベルです。向かう所、敵なし。
そんな『鬼滅の刃』ですが、2021年にテレビアニメが放送されるとの発表がありました。
劇場版の続きとなる、「遊郭編」が描かれるとのこと。
kimetsu.com(2021/2/21閲覧)
「遊郭編」は、コミックスの9巻近辺からスタートする話。
鬼殺隊の最高位剣士のひとり、音柱の宇髄天元(うずい・てんげん)が活躍するパートです。
遊郭編では、主人公・竈門炭治郎を始め、主要キャラの女装姿が登場します。
筆者オススメのキャラは、鬼気迫る様子で三味線を弾く善子(我妻善逸)ちゃんです。
ブサイクですが、迫力は一番。
----------------------------------
で、この「遊郭編」ですが…
一部報道によると、何か炎上騒ぎになっているそうで。
www.daily.co.jp(2021/2/20)
大ヒット漫画「鬼滅の刃」の新作テレビアニメ「遊郭編」の年内放送が発表されたことに対し、ネット上で「遊郭を子供にどう説明すればいいのか」「遊郭は子供に悪影響」などの意見が起こり、是非を巡る論争投稿が飛び交う騒動となっている。
鬼滅の次期作は、映画版「無限列車編」に続くストーリー。
鬼殺隊剣士、音柱の宇髄天元が主人公の竈門炭治郎らを率いて、不穏な動きがある吉原遊郭に潜入。遊郭に潜む鬼、上弦の陸・堕姫らと戦う。
遊郭が戦闘舞台となり、堕姫が鬼になった過去にも遊郭が関係している。
華やかな物語舞台として登場するが、ネット上では、遊郭が描かれることについての戸惑いや、「女性差別」との意見もみられ「炎上」と騒ぎになっている。
(https://www.daily.co.jp/gossip/2021/02/20/0014094129.shtmlより。改行等は筆者によるもの)
この炎上騒動。筆者は目の当たりにしていません。
ツイッターで検索してみましたが、炎上コメントよりも「何で炎上なの?」という疑問のコメントが多かった。
第一、ソースがスポーツ紙。情報の信頼度は低め。「どの程度の炎上コメントがあったか?」についても全く触れられていない。分析できる数字・データが出ていません。
眉唾の極み。
----------------------------------
仮に、上記炎上騒動が起こっていたとしましょう。
だとしても、「けしからん」と言う方々に対して、疑問符が付きまくりです。
「遊郭編」の舞台は、その名の通り吉原の遊郭。江戸幕府が作った、昔の歓楽街です。
『鬼滅の刃』の時代設定は、大正時代。その頃にも、吉原遊郭は存在していました。これは歴史的事実です。
歴史を下敷きにしているだけなのに、「女性差別」とか言われましても…。
また、『鬼滅の刃』は元々深夜アニメ。お子様が見る時間帯のアニメではありません。
遊郭編はゴールデンタイムにやるのかも知れませんが、本来の姿は「夜のアニメ」なのです。アンパンマンみたいな作品ではない。人や鬼が斬られ、殺されまくる作品なのです。
そういう作品をして、「子供に悪影響」と今更言われましても…ねぇ。
もっと言えば、「遊郭編」は2017年頃に連載されていたパートです。もう3年ほど前に描かれて、完結しているパートなのです。アニメオリジナルではない。
アニメ制作にクレームつけても、原作を捻じ曲げて描くことは…恐らく無理。
と言いますか、クレームに負けて話を捻じ曲げるのは、作者である「吾峠呼世晴」先生に失礼です。やっちゃ駄目。
----------------------------------
そもそも、『鬼滅の刃』の魅力は、「単なる勧善懲悪モノではなく、多くのキャラに陰がある」という点です。
敵味方問わず、悲しい過去を持つキャラが多い。
ラスボスの鬼舞辻無惨(きぶつじ・むざん)でさえ、鬼になりたくてなったワケじゃない…という過去があります。
悲しい過去というものは、多くの場合「小さな子供さんに語らない方がいい話」であるもの。子供さんに納得して貰うのは難しい。
そういう構成になっている物語に対し、クレームをつけるというのは、ちょっと理解不能です。
本当に騒動になっていたかどうか。そこからして疑問。
騒動になっていたとしても、なぜ騒ぐのかが理解不能。
-----------------(記事了)-----------------