本日は、とある書籍をご紹介します。
タイトルは『コロナとバカ』です。
『コロナとバカ』は、今月発売されたばかりの新刊。
著者は、お笑い界の御大「ビートたけし(北野武)」氏です。
氏は、世の中の様々なものに対し、毒づくことで知られています。
しかし、ただ単に上から目線でコキ下ろしたり、相手を貶めて自分が優位に立ったり…という姿勢ではありません。
世間が言いたくても言えないことや、「非常識」「不謹慎」という批判で潰されてしまうものを、上手に拾って伝えてくれます。
それ故に、ハッとする・興味深い意見が多い。目から鱗が落ちます。
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『コロナとバカ』で語られるテーマは、タイトルの通り。
新型コロナウイルス騒動の最中、馬鹿な行動をした者を列挙。その連中を、バッサリと批判しています。この批判が、的を射ており・分かり易い。
ちなみに、『コロナとバカ』でビートたけし氏のターゲットにされたのは、以下の様な人々です。
●国民に外出自粛をお願いしておいて、自分の妻には言えない前総理大臣
●スイーツやコミック好きをアピールして「かわいいオジサン」ぶる現総理大臣
●政権批判ブームが終わったとたん、すっかり黙りこんでしまった芸能人
●総理大臣が辞めるとなった途端、ご祝儀で支持率をアップさせる日本人
●世襲なのに「自分の手柄」と勘違いしている政治家
●コロナでも営業しているパチンコ店を実名公表して宣伝してしまった府知事
●パフォーマンスばかりで実際は何にもやってない都知事
●交通事故で人を死なせておいて、「車の誤作動だった」と言い張る老人
●手間と時間をかけて「GoToイート錬金術」で小銭を稼ぐ貧乏人
●SNSで人を叩くくせに、面と向かっては何も言えないネット民
●大谷翔平や藤井聡太を見て、「自分の子も」と考える親
●小学生の「あだ名」を禁止して、イジメを止めたと思ってる教育委員会
(https://www.shogakukan.co.jp/books/09825390より。改行等は筆者)
筆者が注目するのは、「総理大臣が辞めるとなった途端、ご祝儀で支持率をアップさせる日本人」という項目ですね。
この総理というのは、言わずと知れた「安倍晋三・前総理大臣」のことです。
昨年、未解決の問題&疑惑が山積みのまま、体調不良を理由に辞職しました。が、辞めるとなったらなぜか支持率が上がった。正直、意味不明です。
www.bloomberg.co.jp(2020/9/7)
辞任表明した安倍晋三内閣の支持率が報道各社の世論調査で軒並み上昇している。
自民党の政党支持も好調なことから、党内では早期の衆院解散論も浮上している。
総裁選(8日告示、14日投開票)で優位な戦いを進めている菅義偉官房長官は新型コロナウイルスの感染状況などを見極めて判断すべきだとの考えを示している。
安倍内閣の支持率は8月29、30両日に共同通信が行った全国緊急電話世論調査で56.9%と1週間前より20.9ポイントも増加。読売新聞が9月4~6日に実施した調査でも52%と前回の8月7~9日調査の37%から15ポイント上昇した。
(https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-09-07/QG9FGXT1UM0X01より。改行等は筆者)
支持率というものは、普通に考えて「これまでの実績と、これからの仕事に対する期待を総合して示されるもの」だと、筆者は考えます。
しかし、上記の場合、「これまでの実績(特に新型コロナ対策)が酷い為に、辞職に追い込まれた」という構図です。実績に対する評価は低い。加えて、もう辞めるのですから、これからの仕事に対する期待が持てる筈もない。
どちらも無いのに、支持率が上がる。報道機関の捏造が無いとすれば、ちょっとおかしいですね。
仕事の良し悪しを考えず、気分で支持・不支持を決めている人が多い。そうとしか思えません。
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ビートたけし氏は、『コロナとバカ』の中で、「日本人は、お人好しとマヌケが多い」とバッサリ。
こういう言葉を発しようものなら、大炎上を招きかねません。普通は、そこまでズバリと言わない。
しかし、『コロナとバカ』をシッカリ読めば、氏の毒舌が「単なる悪口」ではなく、「含蓄のある諫言」であると分かります。
ちゃんとした筋が通っているのです。
綺麗事しか言わない者や、罵詈雑言しか言わない者とは大きく違う。勉強になる毒書『コロナとバカ』。興味のある方は、是非読んでみて下さいませ。
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