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手作り&裏読み&日替わりブログ

【ロボットの話】化けるまで待つ忍耐

先日、有名なロボット製造会社「ボストン・ダイナミクス」から、新たな動画が公開されました。

動画の内容は、「SPOTに、手が生えた」というもの。

この動画の長さは、2分程度です。オチがなかなか秀逸ですので、ぜひ最後までご覧頂きたいところ。

www.youtube.com(2021/2/2)

 

SPOT(スポット)とは、上記動画に出ている、黄色い犬型ロボットです。

 

これまでにも、「SPOTにアームを付け、ドアの開閉をやらせる」という動画は投稿されていました。

が、今回は「物を掴む」「電灯のスイッチをONにする」「スコップで穴を掘り、植物を植える」等々、多種多様な仕事をさせています。

 

ついこの間まで、「音楽に合わせて踊る」とか「牧羊犬の代わりに羊を追う」くらいの動作しかやらせて貰えなかったSPOTですが…。

これで、活躍の場が強烈に増えそうですね。

 

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筆者は、SPOTの動画を見る度に、強く思うことが二つあります。

ひとつは、「技術の急速な発達に驚く」というもの。もうひとつは、「結果が出るまでやる…という信念の強さ」を感じること。

 

先ずは、「技術の進歩スピード」について触れていきましょう。

理解する為の分かり易い例として、SPOTの前身である四足歩行ロボ「BigDog」の動画を以下に掲載します。

動画の長さは、約3分。

www.youtube.com(2010/4/23)

 

上記動画では、バランス保持と強度テストを兼ねて、ロボットが蹴りを入れられていますが…。

この様子を見た閲覧者から「ロボットが可哀想」という感想が出たとのこと。

そんな声が出るくらい、生物らしい動きをしています。

 

これが、11年後に”腕の付いたSPOT”へ進化するのです。

「蹴りを入れられても倒れない」から、僅か11年で「手を使って仕事をする」に進化。

このスピードは驚異です。

 

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次に、「結果が出るまでやる…という信念の強さ」について。

これに関しても、分かり易い動画があります。

www.youtube.com(2009/2/17)

 

上記動画は、1980~1990年代に撮影された、歩行ロボットの開発風景に関するもの。

SPOTの姿など、影も形もない時期の映像です。

 

この映像だけを見れば、「これが何の役に立つのだ?」と馬鹿にする人が多いでしょうね。

が、ここで止まっていたのでは、SPOTの存在は無かったでしょうし、その先はもっと存在しない。

開発担当者の方は、「上手に歩けないロボットは、仕事などできる筈もない」「上手に歩けたら、次の段階に移れる」と考え、諦めずに開発を続け、そして今日に至る。筆者はそう考えます。

 

直ぐに目に見える成果が出ないからといって、諦めてはいけない。

直ぐにカネにならないからといって、経営者が開発部門を切るのは勿体ない。

「挑戦から逃げなかった者は、新たな力を得る」という言葉が、脳裏に浮かびます。

 

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そう考えると、日本の「ASHIMO」は勿体なかった!

一時期は、二足歩行ロボットの最先端として注目されていた、日本製のロボットだったのに…。

www.honda.co.jp(2021/2/7閲覧)

 

ASHIMOの開発で培った技術は、他の製品に転用されており、新製品開発の土台にはなっています。

しかし、ASHIMO自体の開発はストップ。これはちょっと勿体ない。

www3.nhk.or.jp(2018/6/28)

 

研究開発にかける財布の問題とか、会社維持の為のマンパワーの問題とか、色々あって大変なのでしょうが…やっぱり勿体ない。

折角、世界のトップクラスを走っていたのに。

 

最近の日本には、ハッとする明るい話が見当たりません。

是非とも、「さすがは日本」と言わしめる象徴的な何かを、新たに作り上げて頂きたい。そう願います。

 

後の世に大化けするものは、往々にして「粗末で役に立たないもの」と見える時期が長い。

今すぐ役に立たないからといって、アッサリ切るのは止めた方がいい。組織の上層部は、「選択と集中」という言葉で流さずに、長い目で見てやって欲しいところです。

 

 

--------------(記事了)--------------