(※注意※)
当記事には、ほんのちょっとだけ「ホラー要素」が含まれます。苦手な方は、注意願います。
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本日は、とある書籍のご紹介から始めましょう。
書籍のタイトルは、
『明日から使える死亡フラグ図鑑』
です。
『明日から使える死亡フラグ図鑑』(以下『死亡フラグ図鑑』と表記)は、2020年発売の書籍。
タイトルにある通り、エンタメ作品でよくある「死亡フラグ」についてまとめた本です。
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ところで、「死亡フラグ」とは何か?
この言葉。
漫画や映画に関連する話題には、かなりの高確率で出て来る単語なのですが…
ひょっとして、ご存じない方もいらっしゃるかもしれない。念のため説明させて頂きます。
死亡フラグとは、一種の「お約束」です。
様々なエンタメ作品で、登場キャラの死亡シーンが描かれます。そのシーンに共通する要素が多々あり、その要素を「死亡フラグ」といいます。「死亡フラグが立つ」という書き方もアリ。
死亡フラグが立てば、「あ、このキャラ、この後死ぬな」と展開が予想できます。要は、
「死ぬキャラの、死亡直前あるある」
ですね。
その具体的な例を、『死亡フラグ図鑑』の中からいくつか挙げてみましょう。
・叫びながらマシンガンを乱射する。
・冥途の土産に、いろいろ教えてくれる。
・個室トイレに立てこもる。
・緊迫する戦いの最中、そのキャラの過去回想シーンが流れる。
・「俺、この戦いが終わったら、結婚するんだ」と言う。
・仕方なく、目の前にある古い洋館に避難する。
・「何だ。ただの猫じゃないか。驚かせやがって」と言い、ホッとする。
・敵の大幹部が、「作戦の失敗報告」をする。
・バタフライナイフを、カチャカチャ音を立てていじる。
如何でしょう。
上記の状況は、様々な漫画や映画に共通するシーンではないでしょうか?
こういう言動をしたキャラからは、急激に「死の臭い」が沸き立ちます。
筆者のお気に入りは、「俺、この戦いが終わったら、結婚するんだ」と言うキャラの行方ですね。
この手のキャラは、どの作品でも高確率で死亡します。
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こういう「死亡フラグ」は、幅広いジャンルの作品で使われるものです。
ミステリー、アクション、ファンタジー、戦争モノ…数多あり。
特に、「ホラー作品」では、死亡フラグが立ちまくりで楽しい。
元々、ホラーは「登場人物が、怪物や殺人鬼に殺される」という作品が大半。その為、死亡フラグが次々に立ちます。
その一例として、超有名ホラーシリーズ『13日の金曜日』に触れてみましょう。
『13日の金曜日』シリーズは、殺人鬼ジェイソンが暴れる作品です。映画だけでも10作品を超え、ホラーゲームにもなり、幅広いジャンルで展開しているシリーズです。
ホラーが苦手な方でも、「作品のタイトル」や「ジェイソンの話」は聞いたことがあるのでは?
『13日の金曜日』シリーズの第一作は、1980年に公開されました。今から41年前。
40年以上続くシリーズ作品内で、様々な死亡フラグが立ち、その後はキッチリとフラグを回収(つまり、キャラが死亡)する。その仕事人が、ジェイソンさんというワケです。
『13日の金曜日』シリーズで、ありがちな死亡フラグといえば、以下。
・被害者グループがまとまらず、別行動をとりたがる。
・暗がりで、イチャイチャする男女。
・背後に、何かの気配を感じる。
特に、イチャイチャすると、超高確率で殺られます。
その為、「ジェイソンさんは、不純異性交遊を取り締まる風紀委員」というあだ名が付いたことも。
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一方、「死亡フラグ」には「展開を予測する楽しみ」がありますが、あまりこれが固定化されてしまうと、「先が見えて面白くない」という副作用が強くなります。
お約束も、あまりに多用し過ぎると、マンネリに。
そこで、往々にして「死亡フラグを破る」という展開もあり。
ただ、破り過ぎてもダメ。あまりにも予想不可能な展開ばかりになると、観客にストレスを与えてしまいます。
死亡フラグは、使用・不使用のバランスが大事。
「死亡フラグ破り」を使った作品も、数多ありますが…。
『13日の金曜日』シリーズでいえば、2009年にリメイクされた「マイケル・ベイ版」が好例でしょう。
このリメイク版。
何と、ジェイソンさんが走って襲い掛かります。
ジェイソンさんは、「ゆっくり歩いて被害者に迫り、無言で殺しにかかる」という行動が多かった。これが、一種のお約束になっていた。
しかし、リメイク版は違います。駆け足で近付いてくるシーンがあります。たったそれだけでも、意外性と恐怖が倍増。さすがはジェイソンさん。
死亡フラグを楽しみつつ、新展開を求めたいという方。
是非リメイク版をご覧になってくださいませ。
きっとビックリして頂けるでしょう。
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