昨年末から続いた、次期アメリカ大統領に関する大騒動。
トランプ大統領再選か、バイデン候補就任か。
この戦いに、決着がつきました。
トランプ氏は大統領の座から降り、代わってバイデン新大統領が就任。
厳重な警備体制が敷かれていたおかげで、首都ワシントンでは目立った暴動もなし。無事に就任式が終わりました。
www.sankeibiz.jp(2021/1/21)
厳重な警備体制だったのには、理由があります。
今のアメリカは、国内が酷く分断された状態。「話し合いで解決」という余地が全く無い場合も多い。かなり危険です。
つい最近では、トランプ支持者が暴徒化し、アメリカ連邦議会(日本の国会と同じ)に強行突入。死者が出る騒ぎにまで発展。前代未聞です。
www.bbc.com(2021/1/7)
トランプ氏は、バイデン大統領の就任式に参加せず。
出席は法律で決まっているものではありませんが、慣例として続いていました。
前大統領が就任式に出ないのは、実に152年ぶり。
トランプ氏は、色々と破天荒な大統領でしたが、最後までその姿勢を崩さなかった。色々な意味で、驚嘆します。
www.nikkei.com(2021/1/19)
------------------------------------------
バイデン大統領が先ず目指すのは、「分断と孤立化の解消」です。
今のアメリカは、根深い分断が起きている状態。
逆に言えば、根深い分断が起きたからこそ、トランプ氏の様な「支持者を徹底して擁護する」という姿勢の大統領が生まれたワケでして。
トランプ氏が分断を起こしたのではなく、元々あった分断がトランプ大統領を生んだのです。そして、分断は大きく・深くなった。
また、トランプ氏は「アメリカ第一主義」を掲げ、「アメリカの利にならない国際関係」と判断したものは、次々に切っていった。
長い目で見れば、後々利になる関係であっても、バッサリ切ることが多かった。これは、アメリカを孤立化させます。
バイデン大統領が、この「分断と孤立」をどうするか?
大きな注目ポイントです。
バイデン米大統領は20日の就任演説で、6日に起きたトランプ前大統領の支持勢力による連邦議会議事堂の占拠事件に象徴される深刻な政治・社会的な分断状況を踏まえ、米国を再び結束させることに全力で取り組むと表明した。
バイデン氏は、第16代リンカーン大統領が1863年、南部諸州での黒人奴隷解放を命じる「奴隷解放宣言」への署名に「魂を打ち込んだ」と述懐したのと同様に、「米国を一つにし、国民と国家を結束させることに精魂を傾ける」と強調した。
(https://www.sankeibiz.jp/macro/news/210121/mcb2101211214027-n1.htmより。改行は筆者によるもの)
www.jiji.com(2021/1/21)
www.news24.jp(2021/1/21)
------------------------------------------
他方、「バイデン大統領に対する・大きな不安材料」も存在しています。
それは、中国共産党との関係性。
gendai.ismedia.jp(2020/12/25)
バイデン氏と中国共産党の関係は、大統領選が始まる前から懸念されていたものです。
前大統領のトランプ氏に「ロシアゲート疑惑」という話があったのと同じく、バイデン氏にも「中国共産党の影」が見え隠れしています。
今のところ、バイデン氏を本格追及する動きはありませんが、今後は分かりません。
恐らくは、トランプ支持者が血眼になって疑惑追及を続けるので、新たな材料が出て来るでしょう。
その時が来れば、またひと悶着あるかも。
------------------------------------------
ただ、仮に「バイデン氏」と「中国共産党」が裏で密約を結んでいたとしても、今のアメリカ世論は対中強硬路線が主。
バイデン氏も、選挙公約で「中国には厳しい対応をする」と言っていますし、アメリカ議会も同様です。
米国と中共の関係は、すぐさま好転しない筈。
www.bbc.com(2020/7/28)
民主党候補のジョー・バイデン前副大統領の方が協調ルート復活に前向きだろうが、そのバイデン氏でさえ今は対中強硬姿勢を強調して選挙運動を展開している。
中国への強硬姿勢は、大統領が誰かを問わず、超党派でまとまっているごく異例の合意を反映した、大衆受けするテーマだからだ。
(https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-53550305)
www.sankeibiz.jp(2021/1/20)
バイデン米新政権は経済面での対中政策で半導体禁輸などトランプ大統領が打ち出した強硬路線を継続するとみられる。
トランプ氏は中国産品への関税に加え、中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)に対する禁輸措置も実施。
一方の中国も対米関税で応戦し、昨年12月には国家安全に関わる戦略物資や技術の輸出を規制する輸出管理法を施行した。
日本政府関係者は「米国は中国に対して弱腰で当たることは考えにくい」と指摘。
バイデン新政権でも続くとみられる対中強硬路線で、「『中国と取引をするな』という流れが華為以外にも広がる」ことを警戒する。
(https://www.sankeibiz.jp/macro/news/210120/mcb2101201803030-n1.htm)
加えて、バイデン大統領の就任式に、「台湾の駐米代表者を、公式の立場で招いた」という行為が目を引きます。
台湾は、中国共産党と犬猿の中。その台湾を、公式ゲストとして招いた。これは大きい。トランプ氏でもやらなかったことです。
案の定、中国共産党は猛反発しています。
news.tv-asahi.co.jp(2021/1/22)
------------------------------------------
バイデン氏の評判で、最もよく耳にするものは、「地味な調整役」という言葉。
長年政治家をやってきて、裏方の調整作業に長けた方という評判が多い。
トランプ氏の様な派手さはありません。
ただ、「調整役」と書けば地味に見えますが、「多くの国を結び付け、大勢力を築く能力を持つ」と書けば、印象が大きく変わってきます。
要は、多国間での連合を組み、大きな問題に立ち向かう能力を持っている政治家。それがバイデン氏の評判。
評判通りだとすれば…中国共産党は、トランプ氏よりも厄介な相手とやり合わなければならない。
トランプ氏は、良くも悪くも我が道を行く人であった為、一本釣りが可能な面はありました。しかし、バイデン氏は連合を組む人。一本釣りは効き難い。
------------------------------------------
新型コロナウイルス騒動の元凶が、中国共産党の情報隠蔽であったという話は、世界の共通認識です。
そこに加えて、香港やウイグル等の人権問題・技術の盗用・人民解放軍による挑発行動…。不穏なネタは、数限りない。
バイデン陣営が、その辺りを見逃す可能性は…低いでしょう。アメリカの世論が許さないでしょうから。
2021年の世界は、恐らく中国共産党にとって厳しい状況になる。
そうなれば、隣国である日本にも、軍事と経済両面で圧力をかけてくる可能性・大。
日本も身構えねばなりません。
とりあえずは、今年の衆院選が重要ですね。
変な政治家に票を投じない為、今のうちからシッカリ情報収集する。これが大事。
--------------(記事了)--------------