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【映画の話】実際にあった、CIAの極秘救出作戦

本日は、とある映画作品のご紹介をば。

作品のタイトルは『アルゴ』です。2012年公開の、アメリカ映画。

アルゴ (吹替版)(提供:Amazon)

 

この映画は、以下の項目に当てはまる方には、うってつけの作品です。

◆「アメリカとイランが不仲な理由」について、学ぶ切っ掛けが欲しい方。
◆サスペンス展開が好きな方。
◆スパイ映画が好きな方。
◆史実を基にした作品が好きな方。

 

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『アルゴ』は、実際に起こった話を下敷きにして作られています。

その元ネタになった史実は、1979年に起きた「イラン革命」と、その流れで発生した「アメリカ大使館占拠・人質事件」です。

それぞれについて、簡単に説明します。

 

先ず、イラン革命について。

 

第二次世界大戦の終結後。イランは欧米との繋がりを重視する国家として、戦後を歩み始めました。

当時のイランは、君主を頂く王朝国家。国王が政治のトップにいて、親欧米路線の政策を実施。国家の近代化が進んでいました。

この方針は「イスラム国家を目指す者」と対立します。

 

王の力が強かった頃は、イスラム勢力の抑え付けが上手くいっていました。

しかし、1970年代に発生した原油価格の暴騰(オイルショック)が原因で、王の政策が破綻します。

その隙を狙って、イスラム勢力がクーデターを仕掛け、成功。革命は成り、イスラム教シーア派の指導者を頂点とする、新しいイランが誕生します。

 

現在のイランを統治しているのは、このクーデターによって樹立した政権なのです。

 

次に、アメリカ大使館占拠・人質事件について。

 

先に述べた革命の最中である、1979年11月4日。

イランの首都テヘランでは、革命派の過激行動がエスカレートしていました。その流れで、テヘランにあったアメリカ大使館に暴徒が突入。大使館内にいた外交官や米国市民・50名超が、革命派の人質になりました。
(ちなみに、この事件が解決するのは、1981年のこと。それ以来、アメリカとイランの国交は断絶したまま)

www.nikkei.com(2020/1/6)

www.bbc.com(2015/12/25)

 

しかし、たまたま暴徒が来なかった場所で仕事をしていた大使館関係者・6名が、人質にならずに脱出。テヘランにいた、西欧諸国関係者の助けを得て、安全な場所に身を隠します。

この報を受けたアメリカ側は、CIA(アメリカの中央情報局)を中心にした人質救出作戦を実施します。この作戦を映画化したのが、当記事で紹介している『アルゴ』なのです。

 

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CIAが考えた、人質救出作戦。その内容は…

(1)人質救出部隊は、「映画の現地ロケ」という名目で、正面からイランに入国する。勿論、映画の撮影は「カモフラージュの為の嘘」である。

(2)映画スタッフがアメリカ人だと駄目なので、カナダ人という設定にしておく。その設定に合わせて、身分証明書などを用意しておく。

(3)スタッフに化けた救出部隊が、イランで「人質にならずに済んだ6人」と合流。

(4)入国時と同様に、堂々とイランから引き上げる。その際、スタッフの中に「人質にならずに済んだ6人」を紛れ込ませる。

こういうものです。

 

「密かにパラシュートで侵入」とか、「国境に秘密トンネルを掘って侵入」といった行動ではない。

堂々と正面からイランに入り、帰る時も堂々と出ていく。

何とも大胆不敵。

 

これが、当記事で紹介している『アルゴ』の元ネタです。

元ネタが「ガチのスパイ活動」である為、映画から伝わる緊張感は強烈。サスペンス好きな方には、特に好んで頂ける映画作品です。

興味のある方は、この機会に是非ご覧ください。

 

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なお、最後に補足を。

 

『アルゴ』は、事実を基にした映画です。

が、そこはやはり娯楽映画。本当にあったことをそのまま淡々と描くのではなく、フィクション&エンタメ要素を加えた仕上がりになっています。

それ故、歴史の教材としては適当ではありません。

 

当記事冒頭に「アメリカとイランの関係を学ぶ”切っ掛け”が欲しい方には最適」と書きました。その背景には、上記の様な意味合いがあります。

映画『アルゴ』を鵜呑みにするのは…マズイ。しかし、中東情勢に興味を持つ切っ掛けとしては、なかなか興味深い作品です。

 

 

 

イランを毛嫌いしていたトランプ大統領が、間もなく退任します。

バイデン大統領に変われば、中東情勢にも変化が訪れるでしょう。

その変化を理解する切っ掛けとして、映画『アルゴ』をご覧頂く。是非オススメしたい、映画の鑑賞方法です。

 

 

-----------------(記事了)-----------------

 

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