先日、人気漫画『進撃の巨人』について、記事を書かせて頂きました。
この記事を書く際、筆者の頭の中に、とある映画のタイトルが浮かんできたのです。
本日は、その作品をご紹介致します。
タイトルは、『タイタンの戦い』です。
(上画像:2010年版『タイタンの戦い』)
なぜ『進撃の巨人』から『タイタンの戦い』の名が浮かんできたのか?
それは、『進撃の巨人』の英語タイトルが『Attack on Titan』である為です。
Titan(タイタン)という単語を見て、映画のタイトルを思い出したワケです。
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そもそも、この「Titan」という言葉は、ギリシア神話に由来するものです。
ギリシア神話に登場する古い神々や巨人族のことを「Titan」といいます。
もう少し詳しく述べると…
有名なギリシア神話の登場人物に、「ゼウス」という神がいます。オリュンポス十二神の頂点に立つ存在であり、雷を司る絶対神。この神様の名前を聞いた経験のある方は、かなり多いのではないでしょうか?
で、このゼウス様。実は後発の神様なのです。言ってみれば、最後に天下を取った徳川家康みたいな立ち位置の神様です。
ゼウスが神々の頂点に立つ前に、「古参の神」と「新参の神」との間で戦争がありました。その「古参の神」を始めとする種族のことを「Titan」というのです。
ゼウスは、タイタンとの戦争に勝ち、オリュンポス十二神の頂点に立って世界を治めることになったのです。
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「Titan」の発音は、ギリシア語的な発音と、英語的な発音で若干異なります。
ギリシア系では「ティーターン」「ティターン」「ティタン」等と発音し、英語系では「タイタン」と発音します。
映画作品『タイタンの戦い』は、2010年公開のアメリカ映画です。その為、英語的な発音になっています。
で、上記の内容からお察し頂けると思いますが、『タイタンの戦い』は「ギリシア神話」を下敷きにした作品です。
ギリシア神話には様々なエピソードが存在しますが、『タイタンの戦い』で取り上げるのは、勇者ペルセウスの物語。
ペルセウスの話を、ご存じの方は多いのではないでしょうか?
神の怒りを鎮める為、生贄にされる「アンドロメダ姫」。その姫を助ける為、半神半人の勇者ペルセウスが活躍する…という話です。
ギリシア神話以外でもお馴染みの「天馬ペガサス」や、相手を石に変える怪物「メドゥーサ」が登場するのも、このペルセウス物語。
ギリシア神話を御存知なくても、ファンタジー作品の中で「ペガサス」や「メドゥーサ」を見た経験を持つ方は多いでしょう。
ペルセウス物語は、「濃いキャラが多いエピソード」である為、知名度は抜群。
そのエピソードを映像化したのが、『タイタンの戦い』です。
2010年公開作品の為、CGが使われまくり。かなり迫力のある作品に仕上がっています。見応え抜群。
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なお…。
2010年公開の『タイタンの戦い』は、実は過去作品のリメイクです。
『タイタンの戦い』が初めて映像化されたのは、1981年。今から40年前ですね。
(上画像:1981年版『タイタンの戦い』)
1981年版の内容も、ペルセウス物語を下敷きにしたものです。が、2010年版とは違う点も多々あり。
ストーリー展開にも差異はありますが、最も違うのは「CG無し」という点ですね。昔ながらの「ミニチュアのコマ撮り」を使って、怪物との戦いを描いています。
「コマ撮り」とは、
「人形を少し動かして、画像を撮影する」という作業を繰り返し、
パラパラ漫画の要領で連続して流すことで、
人形が動いているように見える
という、昔ながらの動画撮影方法。
コマ撮りには、CGと違う独自の味があります。その為、現在でも「新作のコマ撮り映像」が製作されています。
例えば、以下の『鬼滅の刃』のコマ撮り。滑らかな映像ですが、どこかCGと違う趣があります。
www.youtube.com(2020/12/6)
www.youtube.com(2020/12/6)
1981年版『タイタンの戦い』では、このコマ撮り手法を使って、ペガサスやメドゥーサを撮影しています。
レトロな感じがして、なかなか味わい深い。CGに食傷気味の方には、1981年版がオススメです。
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