昨年から、とあるゲームサイトに関するニュースが、ちょくちょくネットに出ています。
そのサイトとは、クレーンゲームの「トレバ」というサイト。
www.toreba.net(2021/1/5閲覧)
クレーンゲームとは、ゲームセンター等によく置いてある、「ぬいぐるみとか、お菓子などを吊り上げる、景品獲得ゲーム」のことです。
プレイ経験のある方は多いでしょうし、未プレイでも見たことはある筈。
www.youtube.com(2021/4/20)
(注意:上動画は、トレバの機械ではありません)
トレバは、クレーンゲームをプレイ可能なサイト(アプリ)です。
特徴的なのは、
(1)店舗に行かず、スマホ(オンライン)で、どこからでもクレーンを操作できる。
(2)クレーンの様子は、ライブカメラで中継される。
(3)獲得した景品は、後日郵送されてくる。
という点。
新型コロナ禍で、なかなか外出が難しい昨今。
トレバの様なオンラインサービスは、かなり人気を集めています。
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しかし、このトレバを真っ向から批判するメディアが登場。
そのメディアとは、ネット界ではかなり名の通った「ITmedia」(アイティーメディア)さんというニュースサイトです。
ITmedia記事によれば、「トレバでは、インチキが常態化している」とのこと。
nlab.itmedia.co.jp(2021/1/3)
「景品が獲得されないよう、日常的に裏操作していました」
「1000回以上プレイされても1回も景品が獲れない台はいまだにあります」
「アームパワーを勝手に上げた台を従業員自身がプレイして景品を不正獲得していました」――。
サイバーステップが運営するオンラインクレーンゲーム「トレバ」について、現役従業員など複数の関係者がねとらぼ編集部に内情を告発。
「詐欺だと言われても仕方がない」「原因はパワハラ」など、運営の実態を語りました。
(https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2101/03/news001.htmlより。改行は筆者によるもの。以下同)
上記記事では、「プレイヤーからの不正指摘」「元従業員の方の内部告発」という形で、トレバを糾弾しています。
「194回やっても、全く景品が取れない」
「おかしいと運営に伝えたら、黙ってプレイ用のポイントを返還してきた」
「プレイ中に従業員が乱入し、アームを手でいじっていた」
こういう類の声が、少なからず寄せられているとのこと。
www.youtube.com(2021/1/2)
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一方、トレバを運営する会社「サイバーステップ」さんは、どう考えているのか?
corp.cyberstep.com(2021/1/5閲覧)
サイバーステップさんは、自社サイト上にて、複数のPDF文書を掲載。ITmediaさんの記事に、真っ向から反論しています。
2020年11月24日付 アイティメディア株式会社及びメディア各社の記事に関する当社の見解 (https://pdf.irpocket.com/C3810/mxGt/N5Cy/a00Q.pdf)
2020年12月25日付 「ねとらぼ」に掲載されたトレバに関する記事について(https://pdf.irpocket.com/C3810/oc0k/rall/blCc.pdf)
PDF文章の要旨は、「記事の内容は事実に反する」「今後、法的措置に出る」というもの。
法的措置ということは、恐らく民事裁判へ動くのでしょう。裁判の場で、白黒つきそうな展開になってきました。
ここまで主張が対立するということは、「どちらかが大嘘ついている」「誰かが酷い勘違いをしている」ということ。
その辺りも、裁判になれば明らかになるでしょう。
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上記の話を踏まえた上で、現段階における筆者の考えを述べると…
トレバ側が、ちょっと苦しい。
例えば、トレバ運営HPに掲載された、2020年12月25日付のPDF文書。
この内容を読むと、以下の様な文言があります。
1. 本件取材対象者は、過去3年強にわたりトレバを利用し、他のユーザーと比べて圧倒的に多くの景品を獲得しており、およそ当社の介入行為によって獲れるはずの景品が獲れなくなったなどといえる状況にはありませんでした。
2. また、本件取材対象者は、獲得した多数の景品をオークションサイト等において繰り返し日常的に転売していると認められます。転売を目的として景品を獲得すること及び獲得した景品を転売することは、トレバの利用規約において禁止されている行為であり、本件取材対象者は利用規約に明白に違反しています。
3. 本件取材対象者は、当社に対し、過去3年強の間、トレバに関して膨大な数のメールを送信しており、これらメールにおいて脅迫的言動を繰り返していました。
(https://pdf.irpocket.com/C3810/oc0k/rall/blCc.pdf)
脅迫の有無に関しては、第三者の知る所ではありませんし、もし事実であれば「証拠のメール」が残っている筈です。裁判になれば分かるでしょう。酷い脅迫であれば、刑事裁判に発展する可能性もアリ。警察や検察が動く話です。嘘や誤魔化しは通用しないと思った方がいい。
問題なのは、「抗議してきた者が転売ヤーだから、トレバが被害者だ」と取れる文章を出してきていること。
規約で「転売ヤー行為禁止」とされているそうですが、それは「ゲームに不正があったかどうか」とは全く別の話です。
また、「沢山の景品を取っているプレイヤーだから、トレバに不正はない」というのも、ちょっと通りにくい。
1000回のプレイで不正が無くとも、1001回目で不正があれば駄目ですからね。そこは別問題です。否定したければ、被害者側が出してきた証言・証拠映像の矛盾点を指摘しなければならない。
この様な理由から、どうも「論点ずらしを狙っているのではないか?」という風に見えてしまう。
ちょっと好ましくないですね。
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現段階では、どちらの主張も鵜呑みにできません。今後の推移次第。
鵜呑みにできない為、一方的な決めつけはNGです。
直接的な関係の無い者が、根拠もなく「こっちが嘘つきだ」と決めてかかるのはマズイ。下手をすると、名誉棄損や業務妨害と見られます。
逆に言えば…
根拠を基に冷静な意見を述べるのは、それ即ち「分析」や「批評」。やってOKなことです。
自分の意見を述べる時は、冷静に。これは、何時でも何処でも同じ。
--------------(記事了)--------------
(2020/4/20追記)YouTubeのリンクが切れていたので、別の動画に差し替えました。