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手作り&裏読み&日替わりブログ

【マンガの話】遅ればせながら、『鬼滅の刃』全巻読破

先日、大人気漫画『鬼滅の刃』について、記事を書かせて頂きました。

tenamaka26.hatenablog.com

 

2020年のエンタメ界を語る際、スルー出来ない大作『鬼滅の刃』。

コミック・アニメ・劇場映画・関連グッズ…等々、様々な面で話題に上る作品であり、未だにその勢いは衰えていません。

映画に至っては、「日本国内収入・歴代1位の『千と千尋の神隠し』を超えるまで、あと少し」というレベル。人気の底が知れませんね。

劇場版 鬼滅の刃 無限列車編 ノベライズ (ジャンプジェイブックスDIGITAL)(提供:Amazon)

 

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この話題作『鬼滅の刃』。

原作は完結したばかりであり、コミックス最終巻・第23巻が、12月頭に発売されました。

こちらの売り上げも凄まじく、「弱っていた出版・書籍業界が、鬼滅効果で多忙になって、嬉しい悲鳴を上げる」というニュースまで流れる状態に。

 

ここまで来ると、どんな作品かと興味を持つ人も多いでしょう。

筆者もそのひとりです。

今まで、断片的な知識しかありませんでしたが、この機会にコミックスを読破しようと思い立ち、週末の空いた時間に・全23巻を一気読みしました。

鬼滅の刃 23 (ジャンプコミックスDIGITAL)(提供:Amazon)

 

読了後の感想は、「無駄がない作品」

これ、一見地味な評価ですが、実現するのはひたすら難しい。

そういう意味で、『鬼滅の刃』は傑作の部類に入ると考えます。

 

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今に始まったことではありませんが…。

 

商業誌に掲載される作品で、ある程度のヒットを飛ばしたものについては、「何だかんだと後付け要素を増やし、とにかく延命させる」という事態になりがちです。

これは、商業誌である以上、仕方のないこと。

人気のある作品が終わると、雑誌の売り上げが落ちる。
商業誌は、儲けが命。
その為、何が何でも延命させようとする。

雑誌を発行する出版社は「営利企業」ですから、こういう光景は日常的なモノです。

 

一方、漫画を描く人は”作家”であり、芸術家としての素養が求められます。

芸術家には、「作品の完成度を高めたい」という欲求があって当然。

優秀な作家さんになればなるほど、「結末をどうするか」についてシッカリ考えます。物語の良し悪しは、結末で大きく変わる。そこで悩まない作家さんはいないでしょう。

結末を考える上では、”いつ終わらせるか”というタイミングも重要。「描きたいことを描ききった時点」で、スパッと終わらせたい。こう考える人は、素晴らしい作家さんです。

 

しかし、ここが営利企業である出版社の事情と反発するのです。

結末の素晴らしさは、「芸術的な完成度」の話。

掲載期間の長さは、「営利目的」の話。

どちらかを取れば、もう一方は引っ込む。「芸術的な完成度」と「営利目的」は、水と油の関係性になり易いのです。

 

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元々、作家さんの中に「一生をかけて描き続けたい」という壮大なテーマがあり、それに即して延々描き続ける。こういうのは「芸術的な完成度」と「営利目的」が一致した好例です。

しかし、そういう話は多くない。

 

作家さんが「何とか終わらせないでくれ」と出版社に頼み込まれ、不本意ながら描き続けている…という感じが強い作品は、中だるみ・無駄・矛盾が増えてきます。

 

イチ読者レベルでも、作家さんの想いを感じ取る場合はあります。

そうなると、(作家さんには申し訳ないのですが)作品に「昔は面白かったが、今は面白くない」という烙印を押されてしまう。

 

面白くない作品は、儲けを出さなくなる。

その結果、打ち切り。

打ち切りになると、延々と続ける為に作った設定を回収しなければならなくなり、話をまとめ上げるのが大変。

そこでまた「面白くない」との意見が増えれば、厳しいスパイラルに突入。

 

最終的には、「退き際を誤った作品」という不名誉な評価を与えられかねない。

作家にとっても、読者にとっても不幸なことです。

 

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『鬼滅の刃』の場合、上記に書いた「延命」の跡が見られない。

ここまで盛り上がった作品です。出版不況の昨今、営利企業としては「もっと引き延ばして欲しい」と考えたでしょう。

が、延命はなかった。

作者である吾峠呼世晴氏の考えと、出版社の意思がちょうどよい具合に融合し、全23巻でスパッと終わった。

その思い切りの良さが、見事にヒット。吾峠呼氏の才能&出版社の英断のコンビプレイで、『鬼滅の刃』は2020年を席捲する人気を博しました。

 

欲張り過ぎないが故の成功。

無欲の勝利。

『鬼滅の刃』には、この手の言葉が似合います。

なかなかできることではない。

 

 

-----------------(記事了)-----------------

 

 

鬼滅の刃 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

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鬼滅の刃 23 (ジャンプコミックスDIGITAL)

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鬼滅の刃 外伝 (ジャンプコミックスDIGITAL)

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