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【詐欺の話】しぶとく生き残る「ブラックマネー詐欺」

「ブラックマネー詐欺」という詐欺手法があります。

ご存じでしょうか?

 

”ブラックマネー”と聞けば、何だか「表に出せない闇の金」みたいな印象を受け、マフィアの世界で起こる話の様に思いがちですが…そうではありません。

「ブラックマネー詐欺」とは、
「単なる黒い画用紙を、本物の札束だと偽って、その偽札束をネタに金を騙し取る」
という詐欺です。

マフィアに関係が無い一般市民でも、巻き込まれる可能性があります。他人事ではありません。

 

詐欺師は、黒い画用紙の束を前に、
「紙幣が黒く変色している。このままでは使えない」
「しかし、特別な薬品をかければ、元に戻る」
「薬品代を出して貰えたら、札束の半分を渡す」

などと持ちかけ、薬品代金の名目で金を騙し取るのです。

 

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この手口、かなり前から存在しているものです。

筆者の知る限り、10~20年以上前から使われている手口。

今でも、偶に全国ニュースで扱われることもあり。絶滅していないですねぇ。

www.youtube.com(2020/11/25)

www.news24.jp(2020/11/26)

 

「黒い紙を洗うとお金になる」などとうそのメールを送り現金をだまし取ったとして埼玉県在住、カメルーン国籍の派遣社員、ニバ・マンフレッド・チェ容疑者(34)が25日、詐欺の疑いで再逮捕されました。

 

警察によると、ニバ容疑者は今年8月以降、他の者と共謀し、東京都の女性(62)に「黒い紙を化学薬品で洗うと正式なお金になる」などとうそのメールを送り、薬品購入代金の名目で、3回にわたり現金計850万円をだまし取った疑いがもたれています。

 

ニバ容疑者は、別の男性から金をだまし取ろうとしたなどとしてすでに逮捕されていました。

調べに対し、ニバ容疑者は「何も分かりません」と容疑を否認しているということです。

https://www.news24.jp/nnn/news9487q1pmrwgcq4kg4y.htmlより。改行は筆者によるもの)

 

「ブラックマネー詐欺」の発祥地域は、何処であるか不明。

が、事件を追っていくと、どうもアフリカ方面から伝播してきたものらしい。

先に引用したNNN系ニュースでは、犯人の国籍はカメルーン。アフリカ西海岸の国ですね。

他にも、同じアフリカ西海岸の国・ナイジェリアの名前が出ることもしばしば。

ただ、アフリカ系の犯人ばかりではなく、中南米系の犯人もいます。国籍のみで完全に白黒つくワケではない。

www.dailyshincho.jp(2020/8/27)

 

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「ブラックマネー詐欺」の詳しい手法は、拍子抜けするほど簡単なものです。

小学生~中学生程度の知識があれば、よく分かる単純なもの。簡単な手品みたいなものです。

具体的手法は、以下の通り。

 

(1)詐欺師は、先ずターゲットの信頼を得る活動に労力を注ぐ。場合によっては、年単位の時間をかけることもアリ。

(2)ある程度の信頼関係が出来上がったところで、詐欺師は本格的な活動を開始。ターゲットに対し、大量の黒い紙束を見せる。

(3)この黒紙束は、ただの画用紙。しかし、詐欺師は「特殊な方法で黒く染めた紙幣の束だ」と説明する。

(4)疑うターゲットの前で、詐欺師は「本物の紙幣を、黒く染める手順」を実演する。その後、「染まった紙幣を、元に戻す手順」も実演する。

(5)この流れを見て、黒紙束を「本物の紙幣を染めたもの」と勘違いしたターゲットは、詐欺師の言いなりになる。

(6)詐欺師は、「黒い紙幣を元に戻したが、この作業に使う道具が高価だ」「今は手持ちがなく、札束を元に戻す量を買う現金が無い」「もしお金を貸してくれたら、貸した金を数倍にして返す」等と言い、ターゲットから金を奪う。

(7)ターゲットと詐欺師の間には、信頼関係がある。自らの目で「紙幣が元に戻る様子」も見た。その為、コロッと騙されて、金を払ってしまう人がいる。

(8)金を払わせた後、詐欺師は逃げる。後に残されたものは、ただの黒い画用紙の束だけ。

 

「ブラックマネー詐欺」の肝は、「本物の紙幣を染め、ターゲットの目の前で元に戻す…という実演を披露しているところ」です。

実生活において、好んで紙幣を染める人はいないでしょう。染めた紙幣を元に戻そうと考える人もいないでしょう。

その為、目の前で作業を見せられても、知識も検証方法も無い。故に騙されるのです。

 

しかし、この実演は、簡単な理科の知識があれば誰でも再現可能なもの。

必要な材料は、「ヨウ素(ヨード)」「ビタミンC(アスコルビン酸)」の二つ。

この二つを混ぜると、色が変化するのです。

どちらも、街中の薬局で手に入る品物。高価でも何でもない。

www.youtube.com(2017/5/24)

 

詐欺師は、事前に染めた紙幣を用意しておき、ターゲットの目の前で紙幣をビタミンC溶液に漬けて色を抜くだけ。

 

ちょっと気の利いた詐欺師になると、ターゲットに「黒い紙の束から、ランダムに何枚か選んでくれ」と言います。

その言葉通りに、ターゲットが紙を選んで詐欺師に渡す際、コッソリと「用意した染め紙幣」にすり替えて実演するのです。手品と同じ。

カラクリを知らない人は、コロッと騙される。

 

それにしても油断ならないのは、「犯人は、長い時間をかけて信頼関係を築いた後に、詐欺をしかけてくる」という点。

これは、ブラックマネー詐欺だけでなく、様々な詐欺で見られる話です。怖い話。

 

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なお、ブラックマネー詐欺でよく使われる文句として、以下の様なものがあります。

「母国が政情不安であり、逃げたかった」
「しかし、現金を持ち出すには監視が厳しい」
「そこで、ドル紙幣を黒く染め、密かに日本へ持ち込んだ」
「だから、目の前に黒い札束があるのだ」

なるほど。現地の情勢をよく知らない人には、もっともらしく聞こえる言い訳ですね。

 

しかし、大量の紙幣を日本国内に持ち込む為には、税関への申告が必要。

申告なしの場合、違法となります。

www.customs.go.jp(2020/11/27閲覧)

100万円相当額(北朝鮮を仕向地とする輸出にあっては10万円)を超える現金等を携帯して輸出又輸入する場合には、事前に税関への申告が必要です。

 

100万円相当額(北朝鮮を仕向地とする輸出にあっては10万円)を超える現金等を携帯して輸出又輸入する場合には、事前に税関への申告が必要です。

 

1.申告が必要とされるのは、次のような場合です。

(1) 次のものの合計額が100万円(北朝鮮を仕向地とする輸出にあっては10万円)相当額を超える場合  ・現金 (本邦通貨、外国通貨)・小切手 (トラベラーズ・チェックを含む)・約束手形・有価証券 (株券、国債等)

https://www.customs.go.jp/tetsuzuki/c-answer/keitaibetsuso/7305_jr.htm

 

税関のアナウンスによれば、日本円であろうと外国紙幣であろうと、一定額を超える現金を持ち込む際には、税関に申し出なければなりません。

無視すれば「関税法違反」とされ、懲役を喰らう可能性もある。

第百十条

 

次の各号のいずれかに該当する者は、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。


一 偽りその他不正の行為により関税を免れ、又は関税の払戻しを受けた者


二 関税を納付すべき貨物について偽りその他不正の行為により関税を納付しないで輸入した者

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=329AC0000000061

 

相手が誰であろうとも、どんな理由があっても、「黒い札束」は…怪しさ満載。

近付くな危険。

 

 

--------------(記事了)--------------

 

 

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