~今週のお題「最近見た映画」より~
先日、ツイッターのトレンドに、「テレビで、ディープインパクトやってる!」という話題が浮上していました。
それを見た筆者は、「ん? 競馬の話?」と思ったのですが…どうやら違った模様。
話の内容は、映画の『ディープ・インパクト』が、地上波で流れてたというものでした。
筆者は、放送は見逃しました。が、題名を聞いて「所蔵コレクションの中に、映像ソフトがあったハズ」と思い出し、棚の奥からソフトを引っ張り出して鑑賞しました。
『ディープ・インパクト』は、1998年のアメリカ映画です。
「地球に巨大隕石が衝突する」という予測が報じられ、地球滅亡を避ける為に人類が奔走する…という内容。典型的なパニック映画です。
制作陣に「スティーブン・スピルバーグ」氏を招き、若き日の「イライジャ・ウッド」氏を配役した映画としても知られています。
1998年の映画ですから、ちょっと古いですね。
しかし、CGが本格導入された後の作品ですから、今観ても迫力は十分。
------------------------------------------
で、『ディープ・インパクト』の話が出たら、高確率でセットになる別映画が存在します。
その映画のタイトルは、『アルマゲドン』です。
『アルマゲドン』も、『ディープ・インパクト』と同じく、1998年のアメリカ映画です。この作品も、筆者のコレクション中に存在。『ディープ・インパクト』を観た勢いで、連続鑑賞しました。
『アルマゲドン』は、監督に「マイケル・ベイ」氏を配置。『トランスフォーマー』等で有名な監督さんですね。
主役は、アクション俳優の大御所「ブルース・ウィリス」氏。他にも「ベン・アフレック」氏を始めとする有名俳優さんが出ていらっしゃいますが、筆者のお気に入りは「スティーブ・ブシェーミ」氏です。狂気に満ちたキャラを演じることにかけては、かなりガチな方。
『アルマゲドン』の基本設定は、『ディープ・インパクト』とソックリ。
「地球に巨大隕石が衝突する」という予測が報じられ、地球滅亡を避ける為に人類が奔走する…という内容のパニック映画です。
------------------------------------------
同時期に、同傾向の大作映画が2本。
どちらも錚々たる面子を制作陣に組み込んでいる為、姑息なパクリ合いではない。
ここまで有名人を揃えて「パクリ」「B級パロディ映画」を撮っても、各人の評価が下がるだけ。デメリットの方が大きい為、やる意味がないのです。
では、なぜ公開時期が被ったのか?
それは、「世紀末だったから」という理由が大きいでしょう。
1999年に、人類は滅ぶ。
こういう切り口で、流行りまくった予言があります。「ノストラダムスの大予言」です。
(著:五島勉/祥伝社)
今でこそ、「あんな話を信じる奴の気が知れない」と言えますが、当時の雰囲気はかなりガチ。2020年現在からは想像もつかないほど、本気で信じている人が多かった模様です。
その雰囲気が、「終末思想のカルト宗教」を流行らせる原動力にもなったのです。
「滅亡の原因は何か?」と問われて、出てくる答えは様々。
ある人は「太陽の異常活動で、有害な放射線が降り注いで滅亡する」と言い、またある人は「第三次世界大戦が勃発し、核ミサイルの撃ち合いになって滅亡する」と言う。
他にも「食糧危機」「宇宙人の侵略」「自転軸の変化(ポールシフト)」等々、数多くの恐ろしい話が並べられました。
その中の有力説に、「巨大隕石の衝突」というものがありました。
これは、恐竜滅亡の原因とされているもの。本物の学者が研究しているテーマですから、荒唐無稽な話には思えなかった。つまり、説得力があるということ。その為、かなり本気で心配する人もいたそうです。
この説得力を、映画のネタに使わないのは勿体ない。そうやって生まれたのが、『ディープ・インパクト』であり『アルマゲドン』だったということです。両者が同時期に制作されたのは、そういう時代背景があったからだ…と言えます。
------------------------------------------
なお、『ディープ・インパクト』と『アルマゲドン』は、双方共にヒット。制作費を大幅に上回る収入を叩き出しました。
ただ、数字だけを見れば、『アルマゲドン』の方が多額の収入を上げています。これは、「同じ”隕石衝突の危機”という事件を扱ってはいるが・物語の描き方や切り口が違った為」に発生した現象でしょう。
『ディープ・インパクト』は、パニック映画の色が濃い作品。多くの人が関わる群像劇であり、主人公クラスの人物が複数存在します。
「人間はちっぽけなものだ」「社会が混乱するとこうなるのだ」等々を描くのには長けた造りですが、主人公が複数いる様なものですから、感情移入の面で難アリ。
一方、『アルマゲドン』もパニック映画ではありますが、それ以上に「ヒーローが地球を守る話」というアクション映画の色が濃い。主人公がある程度固定されており、「人類を救う者VS恐ろしい自然災害」という所に要点を置いている為、分かり易い。
また、主題歌に有名バンド「エアロスミス」の曲を使い、エアロスミスのヴォーカル「スティーヴン・タイラー」の娘さん「リヴ・タイラー」をヒロイン役で出演させたことも話題になりました。
(※下記iTunes音量注意)
「分かり易さ」「ヒーロー性」「感情移入のし易さ」「話題性」。
これらを重視した『アルマゲドン』が、より多くの方に受け入れられた。そういった側面は否定できないと考えます。
まぁ、厳密に言えば”異なるジャンルの両作品”となる為、単純に比較は難しい。「和食と洋食のどっちが上か?」と尋ねる様なモンで、好みや状況で答えは変わります。
そういう意味で、どちらも面白い作品です。
-----------------(記事了)-----------------