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【「大阪都構想」の話】大阪都は、大阪”都”ではない(前編)~裏取り不能のカオス状態

今週末、いわゆる「大阪都構想」に関する住民投票が、大阪市にて行われます。

 

筆者は関西人ですが、大阪市民ではありません。その為、今回の住民投票に直接参加は致しません。

ですが、大阪は日本有数の大都市であり、関西の中心でもある。興味を持たないワケがない。

また、大阪で起こったケースが、他の地域へも波及していく可能性は大きい。「直接関係ないから知らん」ではなく、関西人であるかどうかでもなく、日本人であれば注目すべきだと考えます。

自分が大阪市民のつもりで触れるべき問題。他人事ではありません。

 

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で、いわゆる「大阪都構想」に関する、市民の印象はどんなものか?

それを端的に示した記事が、九州の地方紙「西日本新聞」から出ていました。

www.nishinippon.co.jp(2020/10/26)

「不安をあおりすぎだ」「それはミスリードだ」―。

賛否両派がそろった討論会では、決まってこんな応酬が繰り広げられる。

互いに相手の主張に根拠が乏しいと指摘し、議論はかみ合わず、市民の多くは態度を決めかねている。

 

24日午後、同市浪速区。賛成派の「顔」、府知事で維新の吉村洋文代表代行がマイクを握ると、あっという間に100人超の人だかりができた。

「都構想、そんなに難しい話ではありません。今回否決になったら、昔の府市の関係に戻るだけ。二重行政か都構想か、どっちが大阪の可能性を追求できますか」。同市西区の主婦(38)が大きくうなずく。

 

その傍らで男性が手を挙げた。「パンフレットにはメリットばかり書いてあるが、確約できるんですか」

https://www.nishinippon.co.jp/item/n/657928/より。改行は筆者によるもの)

 

上記記事にもある通り、揉める原因はこれなんです。

「よくわからない」

 

関西地方では、関西ローカルのテレビ局で、この問題に関する討論番組をしょっちゅうやっています。

生放送で、推進派と反対派の議員が、「口喧嘩と間違えるレベル」の言い合いを繰り広げる場面も…少なくない。

 

推進派はメリットしか言わないし、反対派はデメリットしか言わない。

それぞれの正確性もよく分からない。

あちこちから正反対の分析や数字が出まくっていて、何が何だか分からないのが現在の状況でしょう。

要は、「賛成意見も、反対意見も、裏取りができない」というカオス状態に陥っているのです。

 

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こういう時こそ、基本に立ち返って単純に考える方がいい。

つまり

「素朴な疑問ほど、本質を突いている」
「変更が、改善になるとは限らない」
「メリットしか言わない人や、デメリットしか言わない人は、どちらも信用ならない」

このあたりを重視して物事を見聞きし、自分の頭で考えて説明してみる。この作業が大事です。

 

その材料として、推進派が出している資料を見てみましょう。

oneosaka.jp(2020/10/26閲覧)

 

上記ページでは、都構想のメリットが紹介されています。

いや、メリットしか書かれておらず、デメリットが全く書いてない。ちょっと胡散臭いですね。

 

訴えられているメリットは、簡単に言えば以下の3つ。

(1)府と市が喧嘩して揉める「二重行政」を解消する。
(2)役割をハッキリさせ、細かな問題は特別区が、大きな問題は府が担当。
(3)行政の効率化で、無駄を削減。大阪が発展する。

なるほど。魅力的ですね。

無駄な二重行政を廃し、役割を振り分けることで財政から何からスリム&スムーズになる。これが推進派の意見です。

 

が、ちょっと考えてみると、「そこ、説明不足なんじゃないか?」「本当にそうだったの?」と思しき点がチラホラ。

 

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例えば、資料内のトップにある「ワールドトレードセンタービルと、りんくうゲートタワービルの高さ争い」について。

 

ワールドトレードセンタービルは、大阪市が建設。後に府へ譲渡され、現在の名は大阪府咲洲庁舎となっています。

りんくうゲートタワービルは、大阪府が建設。「SiSりんくうタワー」の名でも知られています。

この両者が「ウチのビルが、関西トップの高さになるんや!」と争い、それが「市と府のケンカの象徴」「無駄遣いの象徴」だ…として紹介されています。

が、ちょっと考えれば、疑問点が湧いてくる話です。

 

◆「争い」というからには、追い付かれては抜かれ…という計画変更が、何度かあったハズ。その詳細が不明である。

◆両者の差は。わずか0.1m。10センチである。強烈なコストがかかるとは思えず、「争いの象徴」と銘打つのは疑問。

◆仮に競争になったのであれば、「後で追いかけた方が、負けじと資金をツッ込んだ」という話になり、追いかけた方が無駄という結論になる。
そうなると、りんくうゲートタワービルの方が後追いで完成したので、「大阪府」の方が無駄金を使ったことになる。
じゃあ、疑問視されるのは大阪府であり、市ではないハズ。その話が全くない。

 

◆高さ争いで勝った「りんくうゲートタワービル」の方が、負けた方より建設費が安い。その仕組みを解き明かせば「安いのに高いビルが建つ」というノウハウになるのに、そこには触れない。

◆どっちも破綻しているので、どっちも間違いといえるが、「なぜ破綻したのか」には触れていない。建設がまずかったのか、運営がまずかったのか、問題点を洗い出さないといけないのに、それが見えない。

◆目的が「高いビルを建てる」というのいうものだけで、他が無計画だったならば、府と市の争いどうこうよりも、担当者や責任者の責任追及が先に来るはず。その話が全くない。

 

要は、「原因究明や責任追及が曖昧なままだが、とりあえずアピール材料として使い易いから」という理由で使っているに過ぎない。そう見えます。

問題再発が嫌なら、責任追及の仕組みを整えるのが先。その話が見えません。

 

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この様に、いろいろ曖昧なまま、何とかゴリ押そうという感じがしてならない。

要は「推進派は、胡散臭いセールスマン」と見えてしまうのです。そこが大阪市民にも何となく分かっているので、揉めているのです。

 

そもそも、看板からしておかしい。「大阪都」にはならないのに、「大阪都構想」と言い張る時点でおかしいのです。

なぜならば…

 

 

 

と、長くなりましたね。ここで一旦小休止。

続きは、次回の後編記事にて。本日はここまでとさせてください。

 

 

--------------(記事了)--------------

 

 

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