本日は、とある「日本発のアメリカ映画」をご紹介します。
作品のタイトルは、『オール・ユー・ニード・イズ・キル』です。
『オール・ユー・ニード・イズ・キル』は、2014年公開の映画作品。ジャンルはSFアクションです。
主演は、有名俳優の「トム・クルーズ」氏。
----------------------------------
この映画には、原作の小説があります。
それは、2004年に発表された日本のライトノベル『All You Need Is Kill』です。
「日本発のアメリカ映画」というのは、つまりこういうこと。
(著:桜坂洋/集英社)
ただ、原作と実写映画では、相違点がいくつもあります。基本的な設定は似通っていますが、アナザー作品に近い。
その「似通った基本設定」というのは、いわゆる「ループもの」であるという点。
主人公は記憶だけを残して過去にタイムスリップし、何度も同じ時間を繰り返し体験する…という物語です。
ループものの他有名作品といえば、『時をかける少女』『仮面ライダー龍騎』『涼宮ハルヒの憂鬱』等の名前が出て来ます。どれも秀作。
----------------------------------
実写映画『オール・ユー・ニード・イズ・キル』の内容をザックリ説明すると、以下の様なものになります。
▼物語の舞台は、近未来の地球。
▼地球は、「ギタイ(Mimic)」と呼ばれる地球外勢力から、武力による侵略を受けていた。
▼地球軍は、ギタイを迎撃。パワードスーツ等の兵器を駆使して戦うも、ギタイの持つ高い戦力の前に、かなりの劣勢を強いられていた。
▼主人公のケイジ少佐(演:トム・クルーズ)は、軍の広報官である。彼は優秀な宣伝マンであり、地球軍の士気を鼓舞し・世論の支持を得る術に長けていた。
▼しかし、ケイジ少佐には重大な欠点があった。それは「戦闘能力が極端に低い」というもの。少佐という地位にはいるが、広報畑しか経験していない為、実際の戦闘能力は二等兵以下なのである。
▼そんなケイジ少佐に対し、上官から新しい任務が与えられた。その内容は「前線に出向いて、現地のリアルな状況をレポートしろ」というもの。
▼この命令を、ケイジ少佐は拒否。彼の戦闘能力は二等兵以下である為、戦場に近付くことすら嫌だったのである。
▼ケイジ少佐は、「もし前線に行けというのなら、”広報官の立場”を利用して抵抗する」と発言。実質的に、上官を脅迫したのである。
▼これを聞いた上官は激怒。ケイジ少佐を反乱脱走兵として逮捕し、地位を剥奪。最下層の新兵として前線に送った。
▼最前線に飛ばされたケイジ”元”少佐。彼は「臆病者の脱走兵」という不名誉なレッテルを貼られた為、部隊内で最低の扱いを受ける。
▼ケイジは、武器の扱い方すら教えられないまま、戦闘に駆り出された。この状態では、マトモに戦って生き残れる筈もない。ケイジは、あっけなく戦死する。
▼と、ここで不思議なことが起こる。ケイジは死んだ。しかし、死んだ瞬間にタイムスリップし、出撃前の時点に戻ったのである。
▼驚いたことに、戻ってきたケイジは「死ぬまでの記憶を、そのまま保持した状態」であった。つまり、これからどうなるのか、彼だけが前もって知っているのだ。
▼ケイジは、次の戦いで自分がどうなるかを知っている。それでもなお、戦場から逃げることを許されない。ケイジは、再び戦死するのであった。
▼しかし、「死んだ瞬間に、記憶を持ったままタイムスリップする」という状態はそのまま。ケイジは何度も死んで過去に戻る…という行為を繰り返すのであった。
▼ケイジの戦闘力は、二等兵以下。だが、何度も戦死し・記憶を維持したまま過去に戻り・また戦って死に…というループを繰り返すうちに、「命がけの戦闘訓練」を受けているのと同じ状態になり、どんどん戦闘能力を増していった。
▼ケイジの能力が向上すれば、彼ができることも増える。より多くの敵を、より早く倒すケイジ。これにより、「同じことの繰り返し」だったループが、少しずつズレたものになっていく。
▼やがて、彼は「戦局を左右する存在」にまで上り詰める。同時に、彼がループ状態に陥った意外な理由も明らかになっていくのだが…。
----------------------------------
実写版『オール・ユー・ニード・イズ・キル』は、アメリカ映画です。それ故、アメリカ人好みのテイストが盛りだくさん。
ハラハラする場面も多く、主人公に感情移入できる余地が広く取られており、エンタメ色が強い仕上がりになっています。
一方、原作の『All You Need Is Kill』は、渋い仕上がりになっています。
ダークな雰囲気が強いですが、話の奥行きも深い。
特に『新世紀エヴァンゲリオン』や『魔法少女まどか☆マギカ』等が好きな方には、シンクロ率が高いハズ。
実写版も原作も、どちらもオススメ。未見の方は、この機会に是非どうぞ。
-----------------(記事了)-----------------