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【避難の話】「無駄足」ではなく、「訓練」である

2020年9月・台風10号

予報通りの強烈な勢力を保って、九州~沖縄方面に接近中です。

www3.nhk.or.jp(2020/9/4)

 

上記記事によれば、「最大瞬間風速が70メートルを超えるかも知れない」とのこと。

この数字、「家を破壊して吹っ飛ばす」くらいの恐ろしいものです。

 

参考資料として、2018年に関西で猛威を振るった「台風21号」の映像をば。

この21号の最大瞬間風速は、約50メートル台後半(関西国際空港で58.1メートルを記録)。今回危険視されている台風10号よりも、数値的には「約2割ほど弱い」とされる規模です。

それでも、ここまで凄まじい被害が出ました。今接近している台風10号は、この映像の2割増しの強さ。いかに危険かを感じて頂けるでしょう。

www.youtube.com(2018/9/5)

 

上記映像には、屋根や看板が簡単に吹っ飛ばされ・大型車すら横転し・簡易建築物が根こそぎ壊される…というシーンが。

台風10号が日本に接近した場合、これ以上の被害が出てもおかしくない。

 

台風の進行コース近くにお住いの方でも、まだ対策を打つ時間があります。

また、進行コースから遠く離れていても、台風の影響で大災害が発生する可能性アリ。

他人事とは思わず、できるだけ早めに行動してください。

tenki.jp(2020/9/4)

news.yahoo.co.jp(2020/9/4)

 

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こういう時に悩ましいのは、「避難の判断」に関する話です。

 

人間には、よく考えないままで「自分は大丈夫」と思い込む癖があります。俗にいう「正常性バイアス」というヤツです。

しかし、この思い込みで避難のタイミングを誤り、亡くなる方は多い。

 

避難して助かる人もいれば、避難せずに亡くなる人もいます。また、避難所へ向かう途中で災害に巻き込まれる方もいます。

状況は千差万別であり、「避難の100点満点な正解」を導き出せないのが現実です。それ故、難しい。

 

そういった悩ましい問題に対し、「正解のひとつ」と断言してもいいくらいの、分かり易いニュースがあります。

避難について考えたことの無い方や、避難プランを明確に持っていない方は、是非参考にして頂きたいニュースです。

 

www.kyoto-np.co.jp(2019/9/18)

綾部市旭町で一つの答えに出会った。

 

旭町では市内最大規模の土砂崩れで民家1軒が全壊したが、住民の女性=当時(91)=は2日前に街中に避難し無事だった。

5年前から台風や大雨のたびに20回以上、被害なしの「空振り」にもめげずに家族が避難させ、命を救った。

早めの繰り返し避難の有効性を立証していた。

 

京都大防災研究所の牧紀男教授は「自宅が土砂災害特別警戒区域の場合は特に、空振りが続いても『訓練』と考え、区域外に毎回避難する習慣が命を守る上で不可欠」とする。

 

できない場合でも

(1)インターネットの「土砂災害警戒判定メッシュ情報」や「近くの小川が濁り始めた」といった兆候など自分が避難する判断の目安を平時に決めておく

(2)大雨警報が出た段階で注意し、目安に達したら避難する

(3)逃げ遅れた場合は近所の丈夫な建物や自宅2階に移動する

-と対処法を挙げる。

https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/28662より。改行・強調等は筆者によるもの

 

2018年に起きた、西日本豪雨

広い範囲で浸水・土砂崩れ等の被害が発生し、犠牲者も大勢出ました。

 

そんな中、京都府北部の綾部市で、「避難が習慣化していたおかげで、命が助かった」という事例が報告されています。

 

山間部に住む家族に対し、災害発生の恐れがある度に「避難しなさいな」と市街地に住む親族が声をかけ、避難すること20回以上。

しかし、一向に災害は発生しない。「空振り」が続きました。

 

ここで避難を止めなかったのが、この方々の凄いところです。

避難を習慣化して5年後。その習慣が命を救いました。

「どうせ何も起きないに決まっている」と舐めてかかり、避難の習慣を止めていれば、土砂崩れによって死んでいた可能性が高い。

 

災害を他人事として見ていなかったことが、功を奏した形に。

この話は、避難を考える上で「理想的なモデルケース」といえるでしょう。

 

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上記引用にもありますが、避難したが何も無かった時を指して「空振り」と表現することがあります。

ただ、この言葉はマイナスイメージが強い。「打者がミスした」という意味合いの言葉ですから、「無駄なこと」「恥ずかしいこと」的な印象を受ける方が多いでしょう。

その為、「空振り」ではなく、「素振り」「実地訓練」「型稽古」という受け取り方をした方が良いと考えます。

 

いつの日か、避難しないと助からない日がやって来る。

そうなる前に避難を体験してみて、問題点や課題を洗い出す。

これくらいの気概で臨めば、避難を面倒と考える人は減るでしょう。逆に、助かる人は増えるでしょう。

 

避難を余儀なくされてから行動し、「こんなことなら、ちゃんと準備しておけばよかった」と後悔する前に、実際に体験してみる。この経験は、必ず役に立ちます。

避難について考えたことのない方や、避難プランが明確でない方。今回の台風10号を切っ掛けにして、しっかり考えてみてはいかかでしょう?

 

 

--------------(記事了)--------------

 

 

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