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【レバノン爆発事件の話】腐敗の結果、起きた爆発

先日、中東・レバノンの首都である「ベイルート」にて、とんでもない大事件が発生しました。ご存じの方も多いハズ。

 

その大事件とは、「戦争レベルの大爆発」が発生したというもの。

港湾施設に置いてあった大量の爆発物に火がつき、一帯は文字通り吹っ飛びました。その威力は港湾施設のみならず、爆心地から数キロメートルの広い範囲に被害を出しています。

下記動画は、爆発の瞬間を捉えたものです。「被害に遭った方が、血まみれで映っているシーン」がありますので、苦手な方は視聴に注意願います。

www.youtube.com(2020/8/4)

 

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爆発から一週間ほど経過し、少しずつ事の詳細が分かってきました。

 

◆爆発したのは、「硝酸アンモニウム」という物質。肥料の原料として有名だが、爆薬の原料にもなる危険な物質。

◆この硝酸アンモニウムが、ベイルート港湾の倉庫に、長年に渡って放置されていた。その量、約2800トン。元々は、ロシアの船会社が、旧ソ連ジョージアグルジア)からモザンビーク(アフリカ南部)に向けて運搬していた荷物である。

◆2013年。その船が、中継地点のレバノンにて「運航規則に違反した」となり、レバノン港湾当局に船舶ごと荷を押収された。どうにもならなくなったロシアの船会社は、船の所有権を放棄。船の荷は、そのまま約6年間、安全対策無しで放置されていた。

◆2020年8月4日。ベイルート港湾にて、何らかの溶接作業が行われていた模様。その火花や熱が、不運にも放置された硝酸アンモニウムに移り、大爆発に至ったと思われる。

www.youtube.com(2020/8/5)

(上記動画:イギリス・BBCの記者が、レバノンベイルート支局とオンラインでやり取りしている時に爆発が発生。カメラの前にいた女性記者が爆風で吹っ飛ばされたが、幸い大事には至らなかったとのこと)

 

◆爆発の威力は凄まじく、港湾施設どころか「港湾そのもの」が粉々に吹っ飛び、深さ43メートル・幅124メートルのクレーターを形成。また、レバノン市内の広範囲が爆風の影響を受け、多数の建物が崩壊ないし損傷。

◆分かっているだけで、死者150人以上、負傷者5000人以上。行方不明者が多数いる為、数が増える恐れ大。また、30万人以上の市民が住居を失ったとされている。

 

◆この惨事を前にした民衆は、「レバノン政府がきちんと仕事していないから、爆発事故が起きたのだ」としてデモ行動に。その中の一部が暴徒化し、当局と衝突する事態になっている。

www.youtube.com(2020/8/7)

 

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レバノンは、酷い政治腐敗で有名な国です。政治家と関係者が好き放題やった結果、汚職や賄賂が蔓延し、政治システムが半ば崩壊。様々な面で、政府機能がマトモに働いていません。

今回の爆発事件は、「政府が仕事をしなかった結果、起きた事件」と言っても、差し支えないでしょう。

 

政治腐敗は、経済の混乱も招きます。

今のレバノンは、預金封鎖が起こるくらいの窮状。1週間で引き出せる預金の上限は「せいぜい3万円程度」という困窮ぶりです。

加えて、今回の港湾破壊。海からの物資搬入がストップするのは明白な為、レバノン経済の混乱が加速するハズ。

更に加えて、新型コロナ騒動の影響があります。先述の通り「爆発によって、30万人が家を失った」とすれば、不衛生な環境に身を置く市民が増えるでしょう。ますます新型コロナが蔓延しかねない。

レバノンの前途は、かなり厳しい状況です。

www.nikkei.com(2020/8/7)

 

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この事件を見た日本のネットユーザーからは、「レバノンに逃げた、元日産会長のカルロス・ゴーン被告よ、ざまあみろ」といった反応が多い。

まぁ、そう言いたくなる気持ちは分からなくもないですが、「ざまあみろ」で考えを止めるのは…あまりいい傾向ではないでしょう。

 

レバノンの事例は、「政治システムが腐った結果、こうなる」という”最悪状況の見本”であると考えます。

同じ事は、日本でも起こり得ます。レバノンの姿は、決して他人事ではない。さすがに、「今すぐ日本がレバノンと同じに」とはならないでしょうが、「日本は絶対大丈夫」と思考停止するのはNGです。

 

レバノンも、かつては「中東のパリ」とまで言われた地域です。

それが、なぜここまでの窮状になったのか?…調べ、学ぶことは多いハズ。

 

特に、主要産業の一つに「観光業」があるという点が、今の日本と被ります。

また、「上級国民」という言葉が流行るくらい、現在の日本政治にも問題があります。

その辺りを入り口として、レバノンの調査・分析を始め、日本と比較する。その価値はあるでしょう。

 

 

今のレバノンの姿は、未来の日本の姿かもしれないのです。

レバノンの様な窮状に陥らない為には、調べ・学び・早めに対策を打つことが重要。

 

 

--------------(記事了)--------------

 

 

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