(※当記事は、かなりガチなホラー作品の紹介記事です。苦手な方は、注意願います)
本日は、とあるガチホラー作品をご紹介します。
この作品、ただ怖いだけでなく、商業的に大成功した作品としても有名です。
作品のタイトルは、
『パラノーマル・アクティビティ』
です。
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『パラノーマル・アクティビティ』は、2009年に大規模公開されたアメリカ映画です。
最初は、12か所の映画館のみで公開されていたのですが、「この映画、メチャクチャ怖い」という評判が広がり、たった1ヶ月で全米1945か所の映画館で公開される流れに。
そこまで大規模な公開になると、興行収入も爆発的な伸びを示します。最初はランキングの50位前後をウロウロしていたのですが、あっという間に1位の収入を叩き出しました。その後、世界に進出。日本では、2010年に劇場公開されました。
この映画の制作費は、約135万円。超低予算映画です。
他方、世界中で公開されて話題になり、稼いだ収入は150億円以上。制作費の1万倍以上の利益を出すという、驚愕の作品に。
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『パラノーマル・アクティビティ』は、英語です。これを日本語に訳すと、「超常現象的な活動」となります。意訳で「超常現象」といったところです。
そのタイトルの通り、「常識では考えられない現象」の有無を中心に、話が進んでいきます。
この映画の特徴は、いわゆる「モキュメンタリー」の手法を使っている点です。
これは「モック(模造品)」と「ドキュメンタリー(記録映像)」を合体させた造語。意味するところは、「本物の記録映画っぽい感じのする、フィクション作品」といったものです。
この「モキュメンタリー」の手法を使った映画で、『パラノーマル・アクティビティ』の他に有名なものといえば、1999年の『ブレア・ウイッチ・プロジェクト』の名が出て来ます。
この作品も、制作費が数百万円という超低予算であるのに、世界中で250億円以上の収入を叩き出した伝説的映画です。
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『ブレア・ウイッチ・プロジェクト』は、「映画学科に在籍する学生が、ロケ中に行方不明になった。後日、彼らが撮影したと思われるフィルムやビデオだけが発見された」という設定で物語が進んでいきます。
「残された映像に、恐ろしいものが映っていた」というあらすじ。
それに対し、『パラノーマル・アクティビティ』は「監視カメラの映像」を中心に構成されています。
とある家で、何か奇妙な現象が起きる。その様子を動画撮影カメラで記録してみようという話になり、カメラをセットしたところ、物凄いものが映ってしまった。
こういう設定です。
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『パラノーマル・アクティビティ』が持つ怖さの源は、「過剰な演出が無い為、何時・何が起こるか予想しにくい」という緊張感にあります。
ホラー映画には、よく「ホラー映画あるある」という共通事項があります。例えば、「集団から離れて単独行動した者は、殺される」とか「イチャイチャしている男女は殺される」という展開。これが「あるある」と呼ばれるものです。
ホラー映画をご覧になる方は、「あるある」に関する知識を持っている場合が多い。それ故、次の展開が予想出来てしまうのです。予想可能な展開だと、怖さは半減。ホラー映画としての魅力は薄れます。
他方、『パラノーマル・アクティビティ』は低予算映画である為、「あるある」すら表現できないという貧乏な状況。それ故、展開が予想しにくい。
また、低予算映画ですから、何もかもが物凄く地味です。主な出演者は2人だけ。映像も固定されたカメラで撮影されたものが大半で、派手なカメラワークも無し。
しかし、この地味さが「どこにでもある風景」「自分の家に重なる」という印象を観客に与え、作られた映画っぽさを薄めています。「ひょっとして、本当にあったことなのかも?」というイメージを受けるのです。これが、この作品の怖さです。
特に、「開きっぱなしのドア」が怖い。
いつ・何がドアの向こうを横切るのか?…それを考えながら見るだけでも、かなり怖い。
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なお、本作は大人気を博したため、シリーズ化されています。
この中に、日本が舞台となった作品があります。
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こちらも、モキュメンタリー手法を用いて撮影された作品。
出演者が日本人ですから、シリーズの中でも「リアリティー5割増」くらいの感覚で鑑賞できるでしょう。
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何処にでもある、地味な風景。その中で起こる怪異を描いたのが『パラノーマル・アクティビティ』です。
地味であるが故に、「我が身に起こるかもしれない」という怖さがあります。
そういうのが平気な方には、オススメの作品。
苦手な方には、決してオススメできない作品。
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