先日の記事の続きになります。
テーマは「キュレーションサイトの害悪」について。
前回記事では、キュレーションサイトの悪い点について述べました。その内容は、大まかに3つ。
(1)記事・画像・動画などの無断転載(明らかな違法行為で犯罪)
(2)虚偽記載。デタラメ記事(これも犯罪の可能性アリ)
(3)見出し詐欺(見出しと内容が全然違う)
キュレーションサイトで記事を書いている方の中には、上記1~3に気を付けていらっしゃる方もいますが…そうでない者の方が、圧倒的に多い。
特に(1) に関しては、明らかな違法行為。サイト運営者も半ば黙認しており、かなり深刻です。度々問題視され、無断転載の被害者から法的措置を受けることもあり。
そういった行動が仇となったのでしょう。Google検索の仕組み(アルゴリズム)が変わり、キュレーションサイトそのものが検索上位から排除される様になりました。
また、嘘記事を量産していたキュレーションサイトが大炎上し、運営側が謝罪会見を行う事態も発生。利益よりも損失の方が大きくなるという流れになりました。
大手企業が利益の柱としてキュレーションサイトを運営するという時代は、終わりに向かっています。その象徴的出来事が、最古参のキュレーションサイト「NAVERまとめ」が閉鎖というニュースです。
www.itmedia.co.jp(2020/7/1)
「キュレーションサイトの利点より、害悪の方が深刻だ」と考える方にとっては、「やっとここまで来たか」という感じでしょうね。
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しかし、キュレーションサイトの害悪が絶滅したワケではありません。
「大手企業が収益の中心として運営し難くなった」というだけで、相変わらず無断転載や嘘記事は数多く存在しています。
近年では、個人ブログの体で運営されているものが多い。特にニュース速報を追いかける「トレンドブログ」の中に、悪質な記事を量産するものが増えています。
見出しで散々煽った挙句、「よく分かりません」で締める記事ばかり。クリックさせて閲覧数を稼ぐことしか考えていないサイト・ブログであり、「悪質トレンドブログ」「いかがでしたかブログ」「詐欺ブログ」等と呼ばれています。
これらの悪質ブログは、Google検索で上位に出易い方法(「SEO」といいます)を採用して記事を書く場合が多く、Google検索の精度を壊す要因になっています。いわゆる「検索ノイズ」というヤツです。
この検索ノイズを回避し、粗悪なサイトを訪れないで済む方法があります。当記事で紹介する方法は、3つ。
(1)見出し文や画像の傾向を掴む
(2)マイナス検索
(3)ブラウザの拡張機能を使用する
それぞれ、詳しく述べていきます。
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(1)見出し文や画像の傾向を掴む
この方法は、特に「見出しで煽るが、中身スッカラカンの悪質サイト」に有効な方法です。
この手のサイトは、見出しの雰囲気がよく似ています。例えば、何か大事件が起こった時、すぐさま検索上位に出てくるサイトで、
「○○事件の犯人は?顔写真は?職業は?」
「○○事件の実情がヤバ過ぎた!驚きの真実とは?」
こんな感じの見出しで検索上位に来る記事が多い。この手の記事の9割以上は、中身スッカラカンの駄目記事と思って差し支えないでしょう。
また、「外国人が写ったフリー画像素材」や「フリーのイラスト素材」をベタベタ貼りまくっているサイトも注意です。その目的は、記事分量を水増しすること。
画像を少々使う分には、イメージが湧いて記事内容を理解し易くなるので、有益だと考えますが…使い過ぎは逆効果です。
更に言えば、「事件発生からどれくらい時間が経過しているか?」という点も重要。
事件発生や報道開始から1時間も経過していないのに、「名前は?顔写真は?職業は?」と煽る記事は、99%粗悪記事。大手マスコミですら報じ始めたばかりの段階で、個人ブログが詳細を掴めているということはない。そう考えるのが自然です。
個人ブログの情報源の多くは、大手マスコミ報道です。大手が報じ始めて直ぐに出現する「煽り見出しの記事」は、ただのコピペであることが殆ど。
こういう記事は、クリックしても失望する場合が多い。避けた方が無難です。
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(2)マイナス検索
検索サイトの基本機能に、「マイナス検索」があります。
これは、「検索したい単語の前に、マイナス記号(-)を付けて検索すると、その単語が載った記事を排除して検索する」という機能。
例えば、「食べ物」に関して調べたい場合を考えてみましょう。
「食べ物」とだけ入力して検索すると、ありとあらゆる食べ物情報が検索に引っかかります。これを「食べ物 -アメリカ」と入力すれば、「アメリカ」という単語を含む記事を除外して検索した結果が表示されます。
同様に「食べ物 -日本」であれば、和食関係は検索結果に出てこなくなるでしょう。「食べ物 -肉」であれば、肉料理に関する記事は除外され易くなります。
この方法を、粗悪記事が使いがちな単語に当てはめれば、検索結果から粗悪記事を排除することも可能です。
よくある言葉は「いかがでしたか?」「ヤバすぎた」「名前は?職業は?顔写真は?」等々ですね。これらの言葉をマイナス検索にかければ、かなりの粗悪記事が検索から排除されます。
ただ、これは「粗悪か否か」を考えた方法ではなく、「記事に言葉が含まれるか否か」を単純に判断する方法です。その為、記事内容が素晴らしくても、該当する言葉が含まれていれば排除されてしまいます。
同様に、内容が粗悪な記事であっても、該当する言葉が含まれていなければ、検索結果に出てきます。
使い方に、少々工夫が必要ですね。
dime.jp(2019/6/5)
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(3)ブラウザの拡張機能を使用する
ネットを閲覧するアプリ・ソフトを「ブラウザ」といいます。代表的なものとしては、「Google Chrome」「Microsoft Edge」「Safari」「Firefox」等があります。
ブラウザには、後から拡張機能を追加し、ネット閲覧をより便利にできるものがあります。この追加機能のことを「アドオン」ともいいます。
アドオンには様々なものが存在しますが、その中に「粗悪サイトを除外する」という機能を提供してくれるものがあります。
具体的には「ゴシップサイトブロッカー」や「ノイズレサーチ」等の名前が挙がります。
nlab.itmedia.co.jp(2019/3/14)
forest.watch.impress.co.jp(2019/6/25)
これらの拡張機能は、先述の「マイナス検索」と違い、いちいちマイナス記号を入力しなくても済むので便利です。
しかし、融通が効かない点はマイナス検索と同じ。「こういうサイトを検索から排除しろ」と指定すれば、内容の良し悪しを考えずに検索から除外してしまいます。
その点に注意して使用すれば、かなり便利な機能といえるでしょう。
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キュレーションサイトやトレンドブログには、良質なものもあります。
しかし、圧倒的に「閲覧数稼ぎしか考えていない、悪質なもの」の方が多い。
そういう悪質記事を減らすには、「悪質だとバレた時点で、誰も見てくれない」という風潮を作り出すのが一番効果的です。
悪質な記事を量産するサイトは、「著作権法違反の丸パクリ」や「明らかな捏造」にまで手を出す場合も。そういう輩には、法的措置もアリ。
情報の受け手が用心すれば、供給側も用心せざるを得ない。
そうやって、少しずつ状況が改善されていくのです。
--------------(記事了)--------------