(注意:当記事にはホラー要素が存在します。苦手な方は注意願います)
今日も暑い。ここまでくれば、ハッキリ言って「夏」です。
気温が30度を超える地域もチラホラ。
暑い日々がやってくる。
それ即ち、「ホラーやスリラー等、涼しくなる映画」のシーズン到来です。
当ブログでも、積極的に取り上げて参ります。
では、早速。
当記事で取り上げる作品のタイトルは『ゲット・アウト』です。2017年公開のアメリカ映画。
(提供:Amazon)
この『ゲット・アウト』ですが、ホラーに分類されることが多い作品です。
が、分かり易い巨大モンスターが出てきたり、噛まれたらゾンビになるウイルスが蔓延したりする「コテコテのホラー」ではありません。
確かに恐怖映画的な描写はありますが、どちらかというと「サスペンス」「スリラー」の要素が強い作品です。
また、「人種差別」を軸にした作品であるという点も、この映画の特徴。
恐怖映画でありながら、社会派映画でもある。ちょっと変わった作品です。
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『ゲット・アウト』の粗筋を、ネタバレしない範囲で述べると、以下の様なものになります。
▼物語の舞台は、現代のアメリカである。
▼主人公の名はクリス。ニューヨークに住む若い成人男性。職業は写真家。美しい恋人もいて、幸せな生活を送っている。
▼しかし、彼の心には、常に一抹の不安があった。というのは、クリスはアフリカ系アメリカ人(いわゆる黒人)であり、恋人のローズは白人なのだ。
▼アメリカでは、未だに根強い人種差別がある。クリスは黒人である為、白人警官から横柄な態度を取られることもある。そういった問題がクリスの心に引っかかり、恋人のローズに色々と気を遣ってしまうのであった。
▼ある日のこと。クリスは、ローズの実家へ行くことになった。
▼ローズの両親は白人である。クリスは「俺が行っても大丈夫?」「ご両親には俺が黒人だとは言ってないんだろう?」と気を遣うも、ローズの返事は「ウチの親は差別主義者じゃないから、大丈夫よ」。
▼車に乗って出かけたクリスとローズは、目的地である実家に到着した。ローズの家族は、クリスを快く迎え入れた。出かける前にローズが言っていたことは、本当だったらしい。クリスは胸をなでおろす。
▼が、間を置かずして、クリスは「奇妙な違和感」を覚えることになる。
▼ローズの実家には、黒人の使用人(いわゆる、お手伝いさん)がいるのだが、どうも様子が変なのだ。猛スピードで走り回ったり、ジッとして動かなかったり、笑いながら泣いたり…等々、首をかしげたくなる行動をとっている。
▼実家の皆も、どこかおかしい。黒人であるクリスを差別しないのは間違いないが、あまりにも歓迎され過ぎている感じがして、逆に居心地が悪い。
▼また、実家で開かれたパーティーに出席したクリスが、出席者の一人を画像撮影したところ、その人物が鼻血を流して激怒。クリスに掴みかかってきた。あの態度は明らかに変だ。
▼「この家は、何かおかしい」と強く感じたクリス。とにかく車に乗ってこの場を離れようと考え、ローズに思いを打ち明けるのだが…。
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現在、アメリカではデモや暴動が発生しています。
原因は「白人警官による、黒人殺害事件」です。
アメリカの人種差別は、未だに根強く残っています。
そういった闇の部分を、ホラー映画として描いている『ゲット・アウト』。
「真の恐怖は、人の心が生み出す理不尽さの中にある」というメッセージが強烈に伝わってくる作品です。
「考えさせられるホラー映画」という、ちょっと変わった作品。
興味のある方は、この機会に是非ご覧くださいませ。
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